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正直言って、わかんないです。

 楽しんでいただけたら幸いです。最後まで読んでみてください。


『聞いておるのか?...思いのほか出てくるのに手間取ってしまったが、まさかこんなことになっておるとはのう...奴らめ...許しておけぬわ。』


あ、いやだから、どちらさんですか?


『はあ。妾は均衡守護者バランスガーディアンズが一人、モルベディング・ゴドランじゃ。』


いや、だからね?いきなりそんなことを言われてもわからないわけですよ。なんだその「バランスガーディアンズ」って。なんか名前ダセえな。


『うるさいわ。そんなことくらいわかっておる。それよりじゃ、均衡守護者バランスガーディアンズについてだったな。均衡守護者とは...』


それから少しの間だったが、バランスガーディアンズについての話を聞かされた。正直、話を聞く限り、なぜこのバランスガーディアンズとやらを作ろうと「創造神」とやらは思ったのだろう?別になくてもいい制度じゃね?


 そもそもなんだよ。世界の均衡を守れって。意味がわかんねえよ。なんでそんな抽象的なんだよ。そりゃ意味不明な役職って言われても仕方ないだろ。


『まあそう言うでない。妾も正直やめたかったのじゃが、お主が妾のところに来てな、スキルをうまく使って妾が出した試練をうまく突破したのじゃ。』


具体的にはどんな試練を出したんですか?


『端的に言うと...お主のナイフを改良させたり、新しい武器を作らせたり、妾がつくったゴーレムと戦わせたの。ついでに言っておくと、そのゴーレムをお主は瞬殺したのじゃからな?』


 えっ、なにそれ怖い。話を聞く限りだと、俺じゃないやつがやってるみたいじゃん。というか、それ本当に俺?


『さっきからそう言ってるじゃろうて。』


にわかには信じられんのだが。


『じゃあ、詳しく話してやろうか?』


いや、長くなりそうなんで、いいです。


 ......あれ?今更だけどさ、もしかして俺の思考ってリアルタイム閲覧されてる?


『む?そうじゃな。お主の体の内にいるのだから当然じゃろ?』


いや、そんな当たり前みたいに言われても......というか、楽しそうな声色だね。うん。頭の中に声が響くような感じだから声色っていうのもなんか変な感じだけど!(それ以外に言い表すことができないんだよ。)


『それより良いのか?』


うん?いいって何が?


『他の者が起きてきているから飯の用意はしなくてよいのかと聞いたのじゃ。』


 その言葉を聞き、リビングに目を向ける。そうしたら、大体が起きてきていて、まだかまだかと飯をキラキラした瞳で待っていた。


 いや、ただ飯を作ってただけなのにそんな期待したまなざしを向けられても...


 というか、さっきどこにあの麦みたいなやつがあるって言ってたっけ?ええと、モ...モル...モルベディング...さん?


『そこにある袋の中じゃ。それと、妾のことはモル呼ぶがよい。』


おけ。ありがとう。それじゃあ、飯の用意しとくよ。


『食べれば驚くじゃろうな。』


え?いや、ただの味噌汁と里芋の煮っころがしだし。


『いや、そういう意味ではなく...まあ食べればわかるじゃろう。』


よくわかんないんだけど...


『今のは忘れておけ。そのうちに意味は分かる。』


まあいいや。飯の準備はできたからあとは起こしてくるだけだよな?起きてない3人を。


 ここにいないのは...確かレサとロサだったよね?と、アリサが起きてないんだね。(こっちはすぐ覚えた。)ディガって青年は起きてきてて、何やら考え込むような表情をして座っていた。起きてきたばっかぽいから、もしかしたら、まだ眠いだけかもしれんけど。


 部屋は...俺の部屋の奥になんか部屋があったから、そこのどこかかな?


 まずは...誰の部屋だ?まあいいや。


 ノックしてからドアを開ける。するとそこには布団にくるまった何かが...誰だろうと思いつつも近づいて揺さぶる。


「お~い、起きろ~。飯だぞ~。」


 しかし、やけに柔らかいなと思って、布団をめくると、誰かが丸めた布団を布団で包んでいた。なぜにこんなことをするのかと思ったのだが、いったん置いておくことにして、他の人たちを起こしに行こうと、寄っかかってたベッドから立ち上がろうとした矢先、突然モルが、


『上を見てみよ。上に何かおるぞ。』


と言い始めた。


 その言葉を聞いて瞬間的に上を向くと、なるほど。確かに誰かいるわ。


 そいつは髪の毛が薄めの緑色、そこに銀色も混じったような色から、シルバーグリーンってとこかな。で、右目が赤色で、左目が青色になっている。


 なんでこっち見てん?というか、なんで天井に張り付いてん?


 あれ?よく見てみたら、ロサじゃん。


「なんでそんなところにいるんだ?ロサ......でいいよな?」


すると、ロサは観念したように張り付いてた天井から降りてきた。


「なんでって、ノック音が聞こえたと思ったら急に入ってきたからびっくりして張り付いちゃったに決まってんじゃん。」


どこの全身スーツ着たクモ男だよ。


 でもまあ、勝手に部屋に入ったのも悪かったな。


「ごめん。急に部屋に入っちゃって。」


「本当だよ~次から僕の部屋だけじゃなくて、どの部屋に入る時も入るときは入るって言わないとだめだからね?」


あ、はい。その通りです...まあそういわれた俺も誰か知らん奴に部屋に入られたんだけどな~。


 というかさ、思ったことがあるんだけど。


「なんで髪の毛と目の色が変わってんの?」


すると、ロサは今気が付いたとばかりにこう答えた。


「あ~、言ってなかったっけ?僕とお姉ちゃんは時間がたつごとにそれぞれ髪の毛の色と僕が右目、お姉ちゃんが左目の色が変わるって。

 ......あ、そういえばソータは今記憶がないんだったね。」


なんそのルーレット。というか、髪の毛の色でかなり印象って変わるんだなあ。まあ、まだあまり顔を覚えられてないからなんだが。


「とりあえず、飯ができたからレサを起こしてきてくれるか?」


 俺が行くより遥かにいい。今さっきやらかしたばっかだしな。


 ロサは頷いてからドアへと駆けていった。


 俺も部屋を出て、おそらくアリサの部屋だろう部屋のドアを何度かノックし、応答がないため、一応「入るぞ~」と声をかけてから入る。


 中に入ると、スヤスヤと眠っているアリサが見えた。


 近づいて声をかけながら揺り起こす。


「ん...なに...?もう朝...?」


「そう。朝だし、飯も出来てるから起こしに来たぞ。」


「わかった...すぐ行くね...」


そういって起き上がったアリサの目は開いていない。


 それから少しして、ようやく目が開いたと思ったら、俺の方を見て一言。


「おはよう。」


その言葉に俺もちゃんと返す。


「おはよう。」


と。



 アリサがリビングに来た頃、ロサが来ていたが、レサの姿が見えない。


 理由を聞いてみると、なんでも研究が今上手くいってるところだから、邪魔しないでほしいとのこと。まあ、本人がいやなら無理強いする必要もないしな。


 じゃあ、食べるか。


「「「「いただきます。」」」」


そういって、みんなは一斉に食べ始めた。


 俺も食べてみる。まずは、ニンジン。結構甘めのいいニンジンだ。そして、汁を飲んでみる。その際、いくつかの食材が口に入ってきたので、味わってみる。


 ふむ。ジャガイモの食感がする。玉ねぎの味もする。.........え?玉ねぎの味?んなん入れてないよ?

 一応、ジャガイモをもう一回食べてみる。


 すると、ちゃんとジャガイモの食感で玉ねぎの味がした。


 いやいやいや、意味が分かんないんだが。食感と味のギャップで若干気持ち悪いんだが。なんか、腐りかけの玉ねぎを触ったときさ、ドロドロだったの。それを思い出すわ。きついです。


 まあ、食べるしかないんだけど。...ねぎは大丈夫よな?これで逆に食感ねぎで味がトマトとかだったらシャレにならんよ?


 まあ食べてみましょう。


 ......うん。鶏肉だね。食感も味もね。まんま鶏むね肉だね。ちょっと、ねぎ着て保護色表現しようとするのやめてくださいません?違和感満載なので。というか、普通にねぎかと思って細かい輪切りにしちゃったから、逆に食べにくいかもな。


 ...いよいよわかんなくなってきたぞ。この里芋の煮っころがしは果たしてどんな味なんだろう。


 ......食べてみるか。


 一つ取り、口に入れてみる。


 よくよく味わってみると、ちゃんと煮っころがしの味だった。ジャガイモで代わりに作った時の。


 この里芋は食感里芋(粘り気若干あり)、味はジャガイモだった。


 まあ、料理的には間違わなかったから、いいんだけど、これから料理するときは、ちゃんと食材の見た目と味に気を付けないと。というか、なるべく早く記憶を取り戻せばいい話なんだけどね。



 朝食を食べ終わり、片づけをしていると、ディガが話しかけてきた。


「なあ、お前、昨日はあまり言えなかったが、どうやって記憶を取り戻す手がかりを探すんだ?さすがに記憶を取り戻しておかねえと、ゼリージさんから言われたこともあるしな。」


まあね。そのためにすることとか分かんないし、そもそも記憶をなくすっていう経験も当たり前だけど、なかったから、どう戻すかなんてわからんしな。


 まあ一つあるとすれば...


「とりあえずスキルを使ってみたら何か分かるかもしれないから、何か試してみるよ。」


「...ま、考え方は人それぞれだしな。というか、スキルは思い出せたんだな。」


「まあ、昨日色々あってそこで、思い出したからね。」


「とりあえず、俺は戻って色々作っとくわ。」


そう言って、ディガは部屋へと戻っていった。


『あやつ、何か知っておるな。いや、もしくは何かに気付いたのか、な。』


 ビックリした~そういや俺の中にいたんだったね。


『なんじゃ、その言い方は。まあ妾もあまり主張をしておらんなんだったからな、仕方ないといえば、仕方ないのかの。』


 ...ごめん。忘れないようにしとくわ。


『そうしとくれ。』


 それはそうと、何かを知ってるって、どういうこと?


『いや、ここで立ち止まっていても怪しまれるだけじゃ。少し、作業場のところに行くぞ。』



 俺は案内されるままに作業場というところに来た。


 一応、モルの指示通りに材料をとってきて、椅子に座り、何か作業をしてるふりしながらモルの話を聞く。


『お主は気づいておらぬが、あやつはお主の敵でも味方でもないようじゃな。』


いや、それがどうかしたん?


『考えてもみよ。あの青年はこれまでの言動から察するに、お主が記憶をなくした原因を知っている様子じゃ。しかし、お主に話そうとしない様子を見ると、違和感はあるじゃろ?』


 いやでも、別に良くね?そもそも本当に知っているかもわからんのに。


『お主が記憶を失っていることを気にしているのにか?』


 別にいいでしょ。結局は自分の問題だし。


『じゃあ、聞き方を変えるが、もしもお主が記憶をなくした原因である黒幕の存在を知っていて、それをあえて言わなかったのだとしたらどうじゃ?』


 その黒幕に脅されてるとかじゃないの?


『まあその可能性もあるじゃろうな。まあなんにせよ、身近な人物ほど疑う余地があると思うぞ。少なくとも、あの三人にはな。』


 あの三人?


『レサ、ロサ、ディガ、この三人じゃ。』


 まあたしかに何か隠してそうな感じはするけどね。


『そうじゃなあ。ただ、一つ言っておくならば、たとえ犯人が誰だとしても恨んだり、距離を取ったりすることはやめておくに越したことはないぞ。少なくとも良い結果にはならないからな...』


 なんかまるで実際に体験したような言い方だなあ。


 いや、でも犯人というか、黒幕ってあの、朝にいたヴァンパイアかなんかじゃないの?


『まあ、第三者の可能性もあるだろうが、ヴァンパイアは他者の血を吸うことで、姿を若干変えることはできるからな。どのみち、身内には気を付けておくべきじゃろう。』


 もしも犯人が分かった時はどうすればいい?


『妾に任せよ。お主と意識を交換すればお主の体を使うことになるが、妾の力を発揮することはできるからな、現在のお主が戦うよりはよいじゃろう。』


 なんか、戦う前提になってんだけど...まあいいか。その時はその時でお任せしよう。


『しっ、誰か来たようじゃ。作業するふりをしておけ。』


 ...わかった。いったん、そうしておくわ。


 ついでにスキルの使い方も確認できるな。



 いかがでしたでしょうか?今回はモルが何とかして蒼汰のところに戻ってこれましたね。はたして、スキルを思い出した影響なのでしょうか?どうなんでしょうね?


 ところで、黒幕は誰なんでしょうか?ぜひ、次回以降も読んでいってください。


 次回の投稿も来週の金曜日の予定です※都合上、遅れてしまう可能性があります。


 それでは、また次回お会いしましょう。


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