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便利なスキルがあるから異世界サバイバルぐらい余裕だよ?  作者: cats&ryu
第5章

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あ、あれ?一体どこに......(29日目)

 楽しんでいただけたら幸いです。最後まで読んでみてください。


 ん〜体が少し気だるいけど、いい朝だ。最近ね、気のせいかもしれないけど、朝の空気が澄んでるんだよね。呼吸するのが気持ちいい。


 爽やかな朝は、起きてから30分も続かないから、アリサの様子を見てから、速攻朝飯を作るか。じゃないとやる気が起きなくなるし。


 というか、今日はロサは来てないんだな。いや、来てほしいってわけでもないけど、毎晩のように寝ぼけてか意図的にか来てたから。


 起き上がって、アリサの部屋に向かう。ノックしてから入ると、アリサは静かに寝息を立てて眠っていた。


 なので、なるべく起こさないように、そっと水筒を取り、補給をする。そして、おでこに手を当ててみると、かなり容態は落ち着いていた。熱も俺のおでこよりは熱いが、子どもは体温が高いと言うし、普通ぐらいだな。


 まあ、それでもまだ様子見ってことで、今日も休ませとくか。また熱をぶり返すっていう可能性もあるしな。


 さて、朝飯を作るか。今日は......味噌汁と生姜焼き......いや、アリサも食べやすいように豚汁の方が良いか。


 俺はさっと豚汁を作り、少し冷ましてから、まずはアリサに持っていくことにした。


 アリサの部屋のドアを開けると、アリサは起きていた。しかし、ベッドに寝転んだままであった。


 アリサは俺に気がついたのか、俺の方を向いて挨拶をする。


「おはようソータ。」


「うん、おはよ。体調はどう?」


「結構良くなってきたかも。だけど、まだちょっと頭痛がする。」


「わかった。今日まではしっかり休んどきなよ。あとこれ朝ご飯。まだ熱いかもしれないから、やけどしないように気をつけてね。」


「ありがとう。」


 机に持ってきたトレーごと置き、部屋の外に出る。ドアを閉めると同時に、部屋の中からドタっとなにか落ちたような鈍い音が聞こえた。


 慌てて振り返ってドアを開けると、アリサが床に倒れていた。


「アリサ!?大丈夫!?」


 そう声をかけつつゆっくりと彼女を起き上がらせた。


「ごめん、ちょっと立ち眩みがして......ずっと寝てたからかも。心配しないでも大丈夫だよ。ありがとう。」


 どうやら、立ち眩みのせいだったようだ。でもたしかに、ずっと寝てたあとは頭が痛いしな。


「ほんと気をつけてね。体調になにかまた変化あったら言って。しっかり水分も摂ってね。」


 アリサはコクリと頷き、そのまま立ち上がる。今度は立ち眩みはしていない様子だった。


 ホッとしていると、アリサが着替えるから部屋から出てほしいとのこと。


 俺は部屋から出て、みんなを呼びに行く。動物たちは全員集まったため、先にディガを起こしにいく。


 ディガの部屋に入ると、ディガは机に突っ伏していびきをかいて寝ていた。その机には作りかけの何かが置かれていた。木片や木くずが床に少しだけ散らばっているのもあり、木工を行っているのは明白だった。しかし、そのせいか少しだけ埃っぽかった。


「ディガ〜、起きてくれ。朝飯食わないんだったら別にいいけど。」


 ディガを揺らしながらこう声をかけると、ガバっと跳ね上がるように上半身を起こした。


「......もう朝か。今日こそやらないといけないことを仕上げないとな......」


 起きて少しボーッとしていたが、すぐに再起動したかのように独り言を呟いた。


「ディガ、朝飯出来たぞ。それと、少しは換気しておかないと、喉を痛めるかもよ。」


 もう一度言うついでに部屋のことも言っておくと、ディガはすぐにわかった。と窓を開け、外の空気を吸うと、


「確かに埃っぽかったな。外の空気がめちゃくちゃうめぇ。」


と、笑っていた。


「こう、色々と扱ってると、どうしても木くずが舞うのが億劫でな......今度掃除するから安心してくれ。流石にそろそろ体調崩しそうだ。」


 少しゲホゲホと咳をして、ディガは顔を洗ってくる。と、そのまま窓から飛び降り、川の方まで歩いていった。普段彼がしない行動に、機嫌でも悪くしたかもと、言い方を少し考えればよかったと反省し、ロサを起こしに行く。


 レサはいつもロサが誘わないと、あまり進んでご飯を食べようとしないからな。


 ロサの部屋へと入ると、そこにはルーナのみが寝ていた。寝相のせいなのか、布団を体に巻き付け、ミノムシのようにくるまっている。


 ルーナに声をかけて起こすと、ルーナは目を開いたが、なぜかくるまっている自分に驚いていた。


 そして、横にいるはずの自分の姉の姿がないことにキョロキョロとミノムシのまま見渡していた。


「ねえ、お姉ちゃんたちどこ?いつもルーナの横で寝てくれてるのに。」


 俺に訊いてきた。もしかすると、レサの部屋まで転がっていったのかもしれない。


「俺も二人の姿は見てないんだけど、もしかしたら、ロサが寝ぼけてレサの部屋に行っただけかもしれない。一緒に部屋見に行く?」


 布団を自分の体から剥がし、ベッドから降りようとしているルーナに訊くと、もちろんと言わんばかりに速攻頷かれた。


 一応布団を整えてから、レサの部屋に向かうと、普段は閉まっていた窓のカーテンが珍しく空いていた。そして、椅子の上にはいつも突っ伏して寝ているレサの姿はなかった。


 ベッドの方に向かうと、何やら布団の膨らみが。


 ここに二人がいるのかと思い、ルーナと一緒に持ち上げると、何やら道具がゴチャゴチャしていて、乱雑に置かれているという様子であった。


 一言でいうと、レサの部屋はもぬけの殻であった。どちらもいない。すぐにルーナとともに家中を探したが、どこにもいない。


「お姉ちゃんたち......どこぉ?」


 今にも泣きそうに不安げな様子を見せるルーナに、大丈夫だよと、声を掛ける。正直、なにが大丈夫なのか、自分でもわかっていないが、一度ルーナを落ち着かせるために、つい口から飛び出してきた言葉だった。


 少し違和感を感じた。仮にどこか出かけているとしよう。絶対とは言えないけど、もし出かけるのであれば、ルーナに出かけることを伝えるように誰かに言っておくはず。じゃないと、ルーナをひたすら不安にさせるだけだしな。


 しかし、今訊いてみたところ、動物たちもディガもアリサも聞いていないという。


 誰かに連れ去られたと仮定してもおかしい点がある。夜にその刺客が来ていても、あの二人なら返り討ちにしているはずだ。むしろそのあとが気の毒なことまである。


 しかし、部屋も荒れておらず、むしろ自分たちから出ていったというふうに見える。


 これがもしも家出だとするなら、ルーナを連れて行かないはずがない。ここを離れるにしても、荷物はともかく、ルーナは確実に連れて行くはずだ。そうしていないということは、その線は消える。


 どう考えてもやはり答えは見つからないので、一旦頭を回すために朝食を摂ることにした。


 朝食を食べ終え、アリサの食器も含め、片付けも終えたところで、戻ってきていないか確認しに、ルーナと一緒にロサの部屋へと向かった。


 しかし、ロサの部屋を見てみても、二人のいそうな場所の手がかりなどはなく、レサの部屋を見てみることにした。


 レサの部屋の机。いつもレサが作業している机なのだが、この上に何かあるかもしれないと、失礼を承知ながら、少しだけ探ってみることにした。


 だが、そこには何かの設計図やらレポートっぽいものやら、ルーナを助け出した時に使った地図があるのみだった。


 ......って待て。この地図、前と違くないか?刑務所ではなく、城について描いてあるぞ。


 となれば、二人は帝国の城に乗り込んでるってことか?いやいや、流石にそう断定するのは時期尚早だ。もう少し二人の行き先の手がかりを見つけなければ。


 すると、レサのベッドに座っていたルーナがあっと声をあげた。


 なにかあったのかと思い、ルーナの方へと行くと、ルーナは彼女の目の前に表示されている画面を見ていた。アニメでよくあるステータスを見れるみたいな画面かな?と勝手な予想をしつつ、これが何かを尋ねてみる。


「ルーナ、これ何?」


「これ?これねぇ、お姉ちゃんたちが見える......見える変なやつ。今思い出して、これでお姉ちゃんたちを見れるよ。」


 そう説明したあと、一緒に俺に覗き込むように言ってきた。


 覗き込んだが、まだ画面は砂嵐で、何も見えない。


「このスキルの名前はわかるか?」


 何かが映るまでを待っている間、ルーナに聞いてみる。


「えっとね、わかんない。お姉ちゃんたちは知っているらしいけど、逆に知ってる?」


 逆に問われてしまうことになった。もちろん分かるはずもないので、ルーナに俺のスキルの説明をして、許可を取ってからルーナの能力を見た。


 すると、スキルのところに『監視者(オブザーバー)』というものがあった。多分これだ。これによって、二人を監視することができるのだろう。一度その目で見て、名前も知っている相手なら、このスキルで見ることができるらしい。しかし、その相手の場所がわからないときは、発動者からの距離に比例して、発動までの時間はかかってしまうが。


 3分ほど待つと、ルーナは飽きてきたのか、ベッドに寝転んでしまった。しかし、ルーナが寝転んで20秒ほど経過した頃にようやく画面が写った。


 ルーナに映ったことを告げると、すぐに起き上がり、画面をタップして操作する。


 しかし、絶句したように何も言わず、段々と変わっていくルーナの顔色に、嫌な予感を感じた。


 自分でもわかるほど強張った顔で、ルーナに何があったかを訊く。


 すると、ルーナは俺にその画面を向けてきた。


 そこには、レサとロサが映っていた。何かの台に縛り付けられて。二人は気絶しているのか、顔をダランと下げていてその表情は見えない。


 しかし、服が所々破れ、見える腕やお腹が傷ついていて、痛々しい様子を醸し出していた。さらには、縛り付けられている台には多くの観衆が集まり、その様子を見守っている。


 そして、その画面から声が聞こえた。


『これより、夜更けに城内へと侵入した侵入者へ、公開処刑を行う。この国で裏切り行為をすればどうなるかをしっかりと目に焼き付けておけ!!3分後に始める。』


 俺はこの画面の中の男がすべて言い終わる前に動き出していた。


「ルーナ、俺は今から行ってくる!!ルーナは留守番してて!!画面はあまり見ないほうがいい。」


「う、うん。わかった。」


 その後、一目散に自分の部屋に行って、腕輪とグローブ、回復粉、ナイフを手に取り、装着したりポシェットに入れたりする。頭の中でなにか声が聞こえるが、今は気にしていられない。


 俺は即刻帝国内につながるゲートを開き、現場へと向かう。なるべく観衆に近い位置に。


 観衆をかき分け、前へと進むと、30秒前のカウントダウンが始まっていた。観衆の顔を見てみると、誇らしそうにしている者や、逆に不安や心配の色で見守るだけの人もいた。


 だが、今はそんなことを気にしている場合じゃない。


 俺は台の上へと跳び上がり、観衆が見守る中、二人に駆け寄ろうとする。


 壇上に上がると、俺を見つけた兵士が俺に飛びかかってきた。押さえられないように避けて二人に駆け寄ろうと少し前進するも、俺はあっけなく複数の兵士によって取り押さえられてしまう。


 複数の人間が乗っかってくるというその重さにがあまりにきつく、息ができなくなる。


 そして、さっきの画面の男が俺に近づいてきた。


「お前はあいつらの仲間か。ちょうどいい。あとでお前がどうなるかをしっかりとその目に、脳に焼き付けろ。お前もこうなるのだと。」


 そう言って、男は俺の目の前で観衆のカウントダウンに合わせて、手で5秒前のカウントダウンを始める。


 なんとか動こうともがくも、鎧を着た上に、数人に乗っかられる。さらには腕も拘束され、持ち上げることも出来ない。うつ伏せにされ、力が入らない体勢に、スキルが発動することはないらしい。


 そうしているうちに男の手が一を示し、レサとロサの体に火がつけられた。


 鼻にまとわりつくような焦げた匂いがする中、しばらく呆然とその炎を見ることしかできなかった。


「どうだ?見えるか?お前の仲間が目の前で焼かれていく姿を。あの者たちも最後には命乞いをしていたわ。自ら赴き、俺を殺そうとしていたのにな。」


 ニヤニヤと嫌な笑みを浮かべる男が俺にそう告げる。


『まずい、観衆に逃げるように伝えろ!!』


 モルが頭の中で叫ぶ。俺の感情を少し読み取ったのだろう。


 俺の中でプツンと何かが切れる音が響いた。空には暗雲が立ち込み始めていた。



 いかがでしたでしょうか?今回は、蒼汰が起きるとレサとロサの姿がなく......という感じでしたね。そして、二人と強制的にお別れをさせられた蒼汰は、これからどうしていくのでしょう!?そして、二人の身に何があったのか?お楽しみに!!


 次回の投稿も来週の金曜日の予定です※都合上、遅れてしまう可能性があります。


 面白いと感じたら、ブックマークや評価をぜひ、よろしく願いします!モチベーションや、物語の流れにもにつながるので!


 それでは、また次回お会いしましょう。


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