金ぴか将軍の謎
おじいさんのありがた~い おはなし。
金さんは、将門が祀られている浅草の日輪寺を訪ねた。今回は遊び人の金さんではなく、奉行遠山金四郎としてであった。住職の話ではこの場所は江戸時代になって移転したもので、首塚は芝崎村のあったところに残っているとのことであった。そこで、姫路藩の上屋敷の敷地内にある将門塚を訪ねることにした。
将門塚は小高く土を盛った上に「蓮阿弥陀佛」と書かれた板碑が立っている。
金四郎は手を合わせて祈った後、周りを見まわした。
「『異界の門』って見えんのか?」
「『異界の門』ですか?」
「何かわかりますか。」
将門塚の近くにある神田明神に出かけた金四郎は、初老の神官と話していた。
「関係があるかは分かりませんが、芝崎村に残る伝説で、源頼光と四天王が武者の怨霊を鎮めたというのがありますな。」
「ふむ。頼光伝説のひとつか。」
「その時にできた温泉が、そこの池だそうです。」
「温泉?ああ、碓井貞光か。」
「その時に卜部季武が、悪霊を聖矢で玉に封じたんだそうです。」
「玉?」
「京に持ち帰ったといわれていますな。」
「やっぱり京か。」
「あの将軍様って何者?」
ど〇ぎつねたちは、マーキュリーが捜し出した画像が表示されたモニターを見つめている。
「そういえば、いつもどこからともなく現れるわね。」
「時間跳躍者?」
「そんな、私たちの科学でもそんなことできませんよ。」
「怨霊退散!!!」
「うん、それこそ何かの霊なのかも」
「霊っていえば、妖怪や幽霊と関係あるのかな?」
「うん。将軍様って『異界の門』と関係があるかもしれませんね。」
マーキュリーがそう言うと、ど〇きつねたちは一様にうなづいた。
今夜も古いお堂にいつものメンバーが集まっていた。ど〇きつねたちは又八たちに、金ぴか将軍の謎を話した。
「そう言えば、巌流島にも金ぴか将軍様来ただ」
「巌流島?」
「ああ、よひょうが巌流ってやつと戦ったとこだ。」
何かに気付いたムーンが続けた。
「柳生の里にも来たよね。江戸から、長門の国、大和の国って移動どうしてるの?」
「わたし達みたいに転送しているんじゃない。」
「マーズ、それはこの時代ではOパーツよ。でも確かに時空間の転移ができる何かを持っていると考える方が合理的ね。」
マーキュリーが、アジトのコンピュータに接続した端末をいじっている。それを珍しそうにのぞき込んだ又八が、見知った人物が写っていることに気付いた。
「なんだ、まじめに話してると思ったら、ゆーちゅーぶ見てたんだ。」
「ゆーちゅーぶ?」
「この男の配信見て、巌流島に行くことになっただ。」
「ちょっと待って、これ約600年前の写真よ。」
画面には、酒呑童寺に向かう坂で、インタビューする鼻マスクの男が写っていた。
「この男も時空間を移動しているの?」
そこに金さんがやってきた。そしていきなり
「猫又ばあさんには、『異界の門』って見えるかい?」
「さあ、なんともいえんのう。」
「ばあさんたちは、おいらたちと話せるけど、妖怪とは話せるんかい?」
「どうかのう。内蔵助はどうじゃ?」
「猫又ばあさんと話せるんだから、話せるんじゃにゃーか」
マーキュリーが端末を見ながら、何かを見つけた。
「約600年前には、怪異が見える人や、切れる人、話せる人開いたみたい。特に安倍晴明と小式部内侍……。またこの子だわ。」
「ね、その子のこと詳しく調べられる?」
「これ以上の資料はないわね。早く死んでるみたいだし。」
そこで、何かを決意したように金さんが
「安倍晴明は子孫がいるかもな。京で調べることが増えたな。」
「京に行くの?」
「おいらお役目があるから、長くはあけらんねえ。」
「おらとさくらは長谷寺には行ったことがあるだ。」
又八の顔を見て、金さんは笑った。
「いや、おめえさんだと、かえって話が混乱するな。」
「又八さんが行くなら、もちろんついていくわ。」
「さくらさんがいれば安心だけど。一か月はかかるぜ。」
「これだから、地球人は」
「ムーン、もういいわよね。」
「そうね。わたし達なら、すぐに行けるわ。」
暴れん坊のあの人は何者なんでしょう。




