正体不明の大男編その10
御国再生の聖戦、義士は奮起し
逆賊一味を狙い撃つ
「あの時の俺は冷静ではなかった、それは今痛感している」
「東風山様の語る真実は全日本国民が知るべき問題提起だ」
「特にパチンコは絶対に潰す、パヨ陣営と連携する組織を弱体化させるのだ!」
「・・・なんていつも思っていたよ、今も変わらないが」
「桜井さんたしかGATE自衛隊の大ファンッスよね?」
「そうだぞ?俺はその作品から教養を学べたし、ヘタな教科書より優れている」
和田はGATEのグッズを片っ端から買い揃える大ファンでもあった
「それ我も大好きだぞ!同じ戦士として武器を持つ戦記は素晴らしい!」
アデール将軍も日本語を習いながら読んでいてかなりハマっている
やけに底辺描写だけ生々しいのは、作者の実体験なのかは永遠の謎である
「そのGATEってのはパチスロ化してるんスけど、それは良いんスか?」
「現実問題、自衛隊員の多くがパチンコ依存症なのも心配ッスよね~」
その一言を言われた瞬間、和田は慰安婦像の様に固まる
彼の脳は矛盾を突かれるとオーバーフローを起こしてしまう、悪い癖だ
「・・・・・」
「御国を守る自衛隊員からも金を巻き上げるなんて絶対に許せないッス!」
「すみません将軍、和田さん固まっているッス!」
「余計な質問をしよって、そうだ!そのサイトを我々も見てはどうだ?」
「俺も同じ考えッス、ポンコツは置いといてささっこちらに座って」
デスクトップを起動させる、いざサイトを覗いてみると眩暈に襲われた
「すっごく見にくいサイトッスね、スクロールし難いッス!」
「初期のネット黎明期でもここまで酷いのは初めてッス!」
「ネット歴長い桜井が驚くとはな、どんなブログが余計気になるぞ」
「「「「!?」」」」
書き込んである内容が意味不明で絶句、通訳する桜井も思わず困惑
日本語で書き込まれているのだが、とにかく見ているとSAN値が吸い込まれる
「外患誘致罪で殲滅がとか、正直何言ってるか分からないッス」
「まてまてニホンジンのお前が理解出来ないで、和田は理解出来ているぞ?」
「どこから教祖のコメントなのかさっぱり分からないッス、主張する内容も」
「我に読んで聞かせてみよ、少しは力になりたい」
「じゃあこの記事から読むッスね、題名日本人と反日勢力との戦いがはじまった」
「東風山様の漫画を購入しました、シナリオ通りに特権を炙りだし・・・」
桜井は記事の要約し将軍に伝えた
外患誘致罪、シナリオ通り、売国といったワードが頻繁に記事に含まれる事
反日勢力、在日勢力、反日弁護士、反日検察とあるが具体的な内容は無い事
「とりあえず反日と戦っているのは分かるんスけど、それ以外はまるで…」
「何でもかんでもハンニチとくっ付けているだけにも見受けられるが」
「確かに出典も無く出てくる情報の元がないッス」
「信者のコメント長文が多いッス、返信する教祖は短い文で終わりッスね」
「まとめサイトの内容をコピーする書き込み、意味あるんスかねこれ」
「フェイクニュースとやらの発信源ではないだろうか?」
「ラジオで聞いたぞ、拡散するのは人つまり和田と同じニホンジン同士」
「このブログも強い言葉を度々使っているが根拠は無し、どうだ?」
「当てはまってるッスね、将軍ここの文明に慣れるの早いッスけど」
「ラジオはいいぞ、聞いていて面白い!なにせ音楽も流れる」
アデール将軍はテレビよりラジオに興味を示した
見慣れない映像は目が疲れる為もあって、すっかりラジオの虜である
「ちょっと和田さん今どこにいるんスか?」
「まったくフェイクニュースに騙されているのではないかワダよ」
桜井がまた脱衣所に声をかけるが応答は無し、いつのまにか姿は無い
二人がブログを見ている途中、何処かへ出かけたのだろうか
「そこら中見て来たけどいないッス!」
「ハアー・・・説明するのが嫌で逃げたのだろう」
和田は住宅街を疾走し、おもむろに口走った
「俺は最後まで戦ってやる、覚えておけよ反日共ーーーー!!!!」
寝間着姿でズボンはずり落ちるも、彼は立派な愛国者である
犬の散歩をしていた住民は全力で逃げ出した
花壇の水やりをしている女性も電光石火の如く家に逃げ込む
「愛犬家に化けても無駄だよ、反日共の炙りだしは完了」
「いよいよ日本再生の幕開けか、これで良いんですよね東風山様・・・」




