アデール将軍、事件解決なるか
再び運命は動く
椿は仲間を率いて、自ら進み村の未来を切り開く
村人達が続々と集結、遠くの辺りが明るくなる
もうじきとお天道様が昇る時間だ、捜索するも手掛かりは未だに掴めずにいた
だが収穫はある
両者を結び付ける物証だけ、切羽詰っているアデール村にとって朗報となるか
「おうおうツバキの話が本当かどうか、確かめようがねえぞ、おい!?」
「だがな将軍のいなくなった時とツバキの出現は偶然とは思えない」
「こいつの言う事が嘘だったらどうする!!?捜索範囲を広げて続けるべきだ!」
「エラい事になったど・・・ツバキが落ち着いたら他の奴が騒ぎだしたど」
言い争いが勃発、椿の証言を信じる者と捜索をまだ続ける者が激しく対立する
「これだけ人が集まっているなら捜索を続けるべきだろ!!ふざけてるな!」
「こっちだって彼の話を信用している、これ以上の捜索は無駄ではないか?」
「状況は変わる物だ、探してきたがこれが初めての手がかりで信用性もある」
「ならばお前と俺はなぜこの石切り場に集まったんだ、理由を忘れたか!?」
「ちょっとまて、落ち着いてください!俺にはもう一つ証言があるんです」
大男達の間に入り椿は語り始めた
「自分は元いた地球でアデール将軍として崇められてきました!」
「それが証拠にでもなると!?ふざけるのもいい加減にしろォ!!!!」
大男の激昂にも椿は怯まずに反論する
「そうそれだ!自分の顔立ちとあなた達は似て似つかない!」
「だからどうした、お前は一体何が言いたのだ!?」
「そうだど!思い出したど、初対面の時にツバキはアデール様を知っていたど」
「ララキそれだ!俺はこの村来る前から将軍の名前を知っていた!」
村人が即座に反応する、椿に対し目が釘付けになる
「末端の兵士にも知られていない将軍の名を・・・彼は知っていたのか」
まだ兵力が足りなく影響力が少ない将軍は隣県にも知られていない情況
当然集まってきた志願兵はアデールの名を知らず、ただ将軍と呼んで慕う間柄
「この村の主アデール・トゥルーマン、その名を知っていたのか・・・?」
村人数名から質問され答えた、その日あった事実と倒れて救助された顛末を
「はい初めて将軍の名前を言った時、驚いた顔で俺の顔をみんな見てましたんで」
「この村の人間ではない者が将軍の名を知っているとは考えづらい」
「ツバキといったな?やはり失踪の件といい警戒すべき人物かもしれんぞ」
「今すぐにもツバキとやらを拘束して知っている真実を吐かせるべきだ!!!]
十数名から厳しい意見が噴出、さすがの椿も隠れる様にララキの背中に回りこむ
「その必要は無いど、おでら石切り仲間が倒れてから今にまで全部知ってるど」
まだ回復していない体で一生懸命と説明する姿勢を見ていた人は関心を寄せる
椿をフォローする、出会ってまもなが二人の間には友情が出来ていた
「ツバキは体の具合が悪い状態で、おでと一緒に将軍探しに来る人間ど!」
「そうじゃそうじゃ、その二人組が我先に先陣きって探しに行った奴らじゃ」
「そういう人を疑ってはお前さんが見っとも無いじゃ、ワシも信用するじゃ」
宿にご飯を配り終えたテュも駆けつけていた、透かさず椿を頭を下げる
「テュさんまでありがとう、でもなんだかお腹が空いてきちゃった」
「ガハハハ、そろそろ朝食の下準備が終わるんじゃ」
集まった半数以上の人達は彼を信用、渋々と捜索を掲げる者達も椿に同調する
「そうだど、初めて会った時に失踪した秘密もうっかりツバキに喋ったど」
どっと笑いが起き、石切り場は和やかな雰囲気に包まれた
もう40人程が集まっておりその場にいる全員に説明が行われ
椿が雇われのスパイではない事も分かり受け入れられた、一方信じない者も
「何だか俺が将軍を取り戻すみたいな流れになってる気がするんだが・・・」
信用されたのもつかの間、椿一人に失踪事件を押し付けられている様に感じる
「ツバキなら解決するかもしれないど」
「まさか将軍に俺が成り済ますとかか?」 「ブハハハハハ、面白い冗談ど」
「ワシはみなの飯を配りに戻るかのお、ツバキが捜索に来てくれて嬉しいじゃ」
「いやぁ、普通の日本人として当たり前の事をやっただけですよ・・・」
当の本人は少し顔は赤らめていた
あっと言う間に夜明けの時刻、捜索は打ち切りに終わった
住民全員が来た訳ではないが達成感がある、アデール村の新たな道が切り開いた
村長補佐が到着し新たな証言をまとめて記録する
この事実を伝えるべく補佐に案内され村長宅へ向かう椿達であった




