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「う~む、ワシはミカンちゃんの意見に賛成じゃ。出店の件は遠慮願うじょ」

 村長さん。


「な、なんと。このまま寂れても良いというのですかな?」

「ワシの村は今まで皆で盛り上げてきたのじゃ。

 それはこれからも変わらんじゃろ。

 奴隷の様な扱いは皆が許さんじゃろ」


 立派だよ村長さん。


「む~仕方ないですなではこの話は無かったことにしますか」

 図面をくるくる巻いてしまうケルト村長さん。


「それでは報酬をいただきましょうかのぉ」

「その話なのですがスマルの村長。今の出店話が報酬という話になっていたんですよ」

 え? どういうこと?


「つまり、この話を撤回するということは報酬がいらないということ……」

「ちょっと待てケルト村長。確か銀貨一○万枚と言うはずだ」

 レモンが言う。


「その後、この方が出店を報酬にと……」

 ホイヤーさん。


「何勝手に話を進めてるんだよ!」

「交渉権は任されたはずだが」

「だからって……」

「まあすんでしまったことは仕方あるまい。では、報酬はなしということじゃな?」

 村長さん言う。


「そう言うことですな」

 わっはっはと笑うケルト村長。


 この人本当に強欲だよ。


「わかりました、ではワシらはこれで失礼するとしようかの」

 村長さんが席を立つ。私もそれに従った。


「それではまた、我が店にいつでもいらしてくださいね」

 く~どこまでも強欲なんだから。


「も~プンプン」

「ミカン、可愛い」

「ミーちゃんなにげに気に入ってるんじゃないかい?」

「そんな訳ないでしょ。プンプン」

 しまったまたやってしまった。


「姉ちゃんいい反応だぜ」

 マイヤーがお尻をなでてきた。


「いや~ん、えっちぃ……じゃなくて何するのよマイヤー」

「ミーちゃんやっぱりあのお店気に入ってるだろ?」

「そんなことないです!」

 まったくも~プンプン。


 こうして、ケルト村を出た私たちは一路スマルへと向かった。

 途中あの店の前を通ったけど、なんだか複雑な気分。

 リカーやウィスキーの顔を思い出しちゃった。


「そう言えば挨拶もしなかったな」

 ぽつりとつぶやく。


「どうかしたのか?」

 レモンが心配そうに顔をのぞき込んできた。


「ううん、何でもない」

 一目ちらりとお店を見ると視線を街道へと移す。


 奴隷か……。


 そんな制度があるんだね。

 知らなかった。


 他にもこんな店があるのかな?

 あんまり想像したくないな。


 でも、少なくても一店舗は阻止できたよ。

 リカー、ウィスキー。


 木漏れ日を見上げながら心の中でそう呟いた。


 久しぶりに帰ってきたスマルの村はケルト村に比べて閑散としている。


 鉱石が再び採れるようになって幾分活気が戻ったとは言え、若者たちの村離れも深刻だ。

 銀の採掘以外目立った産業のないこの村は若者たちの目にはどう映っているのかな?

 私は冒険者だからまた別の土地に行ったりすると思う。

 そうすればまた考え方も変わってくるのかな?


 レモンは?


 そんなことを考えながらフーリクスさんとギャリさんのいる洞窟へとたどり着いた。


「ただいま~」

 ギャリさんは洗濯物の途中みたいで、手を休めてこっちを見た。

 フーリクスさんは狩りかな?

 留守みたい。


 そして……。


「「わ~」」


 増えてる。


 小さいコボルトが二体ギャリさんにまとわりついていた。


「あの~この子たちは?」

 ギャリさんが顔を赤らめて「コボコボボ」と言った。


 何となくギャリさんたちの子供だと悟った。

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