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「ふ~食べた食べた」
案内された部屋のベットに勢いよく座り込む。
何でも二人部屋を五部屋取ったとか言ってたけど……そんなに要るのかな?
私はレモンと同じ部屋だし、マイヤーとアイヤーも同じ部屋。
村長さんとホイヤーさん、ドリアンさんはヒラヒラ女に連れられて別々の部屋に入っていったけど……何で二人部屋なの?
「さ、疲れたから寝るか」
「うんそうだにゃ。たまにはこんなおいしい依頼もいいにゃ」
「そうだな」
……あれ?
レモン、何で私のベットに入ってくるの?
「レモン、こっちのベットで寝たいの?」
「こっちも何もベットはこれしかないぞ」
「ええ?」
ぐるりと部屋を見回すとピンク色で統一されているこの部屋に大きめのベットが一つ。
確かに二人くらいは寝れる大きさだけど……。
「どうしたミカン、寝ないのか?」
「ねねね寝るって、一緒のベットでじゃにゃいよね?」
心臓が飛び出そうなくらいうるさく鳴り響く。
「他にないだろ?」
いや、そうだけど……。
「レモン、本気?」
「本気もなにもベットはこれだけだぞ」
う~レモンのことだから大丈夫だと思うけど……いや、レモンだったらいいかも。
違う違う、何考えてるの私!
「何だよいつもみたいに腕枕じゃないと眠れないか?」
「あれは野宿で毛布しか無いからであって……ごにょごにょ」
でも、ベットは一つしかないもんね。
これは不可抗力よ、不可抗力。
ベットで一緒に寝るのって七歳の時だったっけ。
こうなったら覚悟を決めて……。
「お邪魔します……って、もう寝てる!」
グーグーいびきをかいて寝ちゃって、よっぽど疲れたんだね。
お疲れさま。
レモンのほっぺにキスをした。
……ら、がばっとレモンが抱きついてきた。
ちょちょっと、心の準備が……て、寝てる。
まあいいか。
私もレモンの胸に顔を埋めて眠ることにした。
ゴツゴツしている男の人の胸。
レモン気持ちよさそうに眠ってる。
「ムニャムニャ……ミカン、愛してるぜ……グーグー」
え?
今なんて?
あ、あ、愛してるって。
ボッと顔から火が出そうになりながら、レモンの鼓動に耳を傾けていた。
結局私が眠れたのは朝日が射し込んできた頃だった。
レモンの胸の中でいけない妄想大爆発で気づけばそんな時間だったんだ。
「おはようミカン」
唇に暖かいモノが触れた気がした。
「おはよう、レモン」
眠い目をこすりながら何とか起きあがる。
「なんだ? 寝れなかったのか?」
「うん」
だってあんなこと言うし、抱きつかれてたし……。
うう、思い出したら顔が熱くなってきた。
「さ、朝飯食いにいこうぜ。食べれば目が覚めるさ」
レモンの大きな手が私の頭に乗せられる。
「うん」
それ以上の言葉は出てこなかった。
簡単に身支度を整えてから、一階に降りていく。
昨日食事をしたあの場所だ。
するとみんなは先に来ていて食事をしていた。
やっぱりと言うべきかヒラヒラ女がべったりしていた。
マイヤーとアイヤーはすっかりア~ンが気に入ったようで、食べさせてもらっていた。
まるで雛が親鳥から餌をもらっているみたい。
「これでみんなそろったね。食事をすませたらケルト村長に会いに行こうか」
ホイヤーさんは村長さんに視線を送る。
「ウム、そうじゃな。早くこの鍵を……鍵を……鍵?」
懐を探る村長さん。
まさか無くしたんじゃないよね。
「ないじょ。鍵がないじょ」
あんなに大事に持っていたのに何で?




