いざ龍の髭へ 1
「全く手がかりがないわけではない」
砂かけ婆はもったい付けるように目を閉じた。
「どんなことだ?」
レモンは砂かけ婆に詰め寄った。
「【龍の髭】は細い滝が二本、流れておるそうじゃ」
「本当か?」
「わからぬ」
何よそれ、ガセ何じゃない?
「わからないってのはどうしてだ?」
そうそう、レモンの言うとおりだよ。
「長い歴史の中で【龍の髭】にたどり着いたものはただ一人だけじゃ。
そのものの言葉以外手がかりはないのじゃ」
一人しかいないの?
でも、なら……。
「そいつは何処にいるんだよ?」
そうそう、レモンの言うとおり。
「チョーロマン山脈に居ると聞いておる」
「「チョーロマン山脈?」」
レモンとハモってしまった。
「それはいったい何処にあるんだ?」
レモンが訪ねると「それはな……」砂かけ婆が語り出した。
「ここから北に歩いて2日ほど行った所に洞窟がある。
その洞窟を抜けた先じゃ」
「それって、往復だけでタイムリミットギリギリじゃないか」
レモンの言うとおりだよ。
【龍の髭】散策の余裕が一日くらいしかないよ。
しかも【龍の髭】に行った人に会えるかもわかんないでしょ。
「どうする? レモン」
「行くに決まっている。今日は早めに休んで明日朝出発だ」
「そうだよにゃ。ここまで来たんだもんね。【龍の髭】見つけようにゃ」
ね、みんな。
みんなの顔を見るとヤってやると言う顔つきだった。
そうと決まれば旅の準備。水は少し多めに持って行こう。
食料を少し分けてもらって、下準備をしておこう。
「メンバーはどうする?」
結構な強行軍をするんでしょ。
正直マイヤーとアイヤーはついてこれるかどうか……。
「俺様とアイヤーは行くぜ」
「……」
見透かされた?
「ここまで来たんだ【龍の髭】を見ないで帰れるかよ」
マイヤーが拳を握って力説する。
レモン?
「よく言った。言ったからには責任持ってもらうぜ。
弱音を吐いたら置いてくからな」
「わかってるって」
マイヤーはレモンの言葉に鼻の下をこすって照れくさそうに答えた。
「後は?」
「コボボ」
「フーリクスは残る。おでは行く」
「え? フーリクスさん残るの?」
「コボボ」
「【龍の髭】には興味がない。明日坑道に戻る。だそうだ」
ドリアンさんが通訳してくれる。
ちょっと意外だったけどギャリさんが居るもんね。
心配はかけられないよね。




