第41話 世界の守護者の“迷い”と、魔王の覚悟
光の翼を広げたセラフィアは、
ヴァルナの叫びを聞いた瞬間、わずかに動きを止めた。
「……“守るための魔王”……?」
その瞳が揺れる。
世界の意志を代行する存在にしては、あまりにも人間的な迷いだった。
(おい……効いてるぞ。
世界の守護者に“迷い”が出てる)
宝玉が光る。
「ひゃああああああああああ!!」
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ミュリエルが小声でつぶやいた。
「ま、魔王様……!
セラフィア様は“世界の均衡”そのもの……
迷いが生まれるなんて……前代未聞です……!」
ガルドも震えながら言った。
「魔王様の言葉が……世界に届いたんだ……!」
「そ、そんな大げさな……!」
(いや実際すごいことだぞ)
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セラフィアは剣を下ろし、静かに問いかけた。
「魔王ヴァルナ。
あなたは……“世界に拒まれても”魔王になりたいと言った。
その理由は……本当に“守りたいから”なのですか?」
「……!」
ヴァルナは息を吸い、胸に手を当てた。
「うん……!
私は……弱いし……怖いし……
魔王候補にも、王国にも、世界にも……
勝てる気がしない……」
(いやそこは正直だな)
「でも……!」
ヴァルナは涙をこらえながら続けた。
「私を信じてくれる人がいる……
支えてくれる人がいる……
だから……守りたいの……!
魔王として……みんなを守りたいの!!」
(……お前、本当に強くなったな)
宝玉が光る。
「ひゃああああああああああ!!」
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セラフィアは静かに目を閉じた。
「……“守るための魔王”……
そんな存在が……本当に……?」
光が揺れ、翼がわずかに震える。
「私は……世界の意志。
世界は魔王を拒む。
魔王は“破壊”の象徴……
それが……世界の理……」
(いや、理が揺らいでるぞ)
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バルゴが胸を張って叫んだ。
「魔王は筋肉で世界を守る!!」
「守らないよぉぉぉ!!」
(いやバルゴのせいで空気が台無しだな)
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セラフィアはヴァルナを見つめた。
「……魔王ヴァルナ。
あなたの“闇”は確かに強い。
しかし……その闇は……“優しさ”を含んでいる」
「えっ……?」
「闇は本来、奪い、壊すもの。
だがあなたの闇は……
誰かを守るために使われている……」
(おい、セラフィアが完全に揺らいでるぞ)
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セラフィアは剣を構え直した。
「……ですが。
私は“世界の守護者”。
世界の意志に従わねばならない」
「っ……!」
「だからこそ……
あなたが“真の魔王”であると証明するために……
私はあなたを試す」
光が集まり、剣が輝く。
「魔王ヴァルナ。
あなたの“覚悟”を見せてください」
(ついに……本当の最終決戦だ)
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ヴァルナは震える手で俺を握りしめた。
「……うん……!
私は……逃げない……!」
魔力が巡る。
影界で掴んだ“流れ”が、身体の中で輝く。
「私は……弱くても……
怖くても……
みんなを守る魔王になる!!」
(……よく言った)
宝玉が光る。
「ひゃああああああああああ!!」
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セラフィアは静かに頷いた。
「では——
最終試練を始めます」
光の翼が大きく広がり、
世界そのものが震えた。




