第39話 世界の守護者、降臨
影界から戻ったヴァルナは、魔王城の中庭でぐったりと座り込んでいた。
「……疲れた……
もう……動けない……」
「魔王よ!!
筋肉痛は成長の証だ!!」
「証いらないよぉぉぉ!!」
(いやバルゴの声量で疲労が倍増してるだろ)
宝玉が光る。
「ひゃああああああああああ!!」
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ミュリエルが駆け寄ってきた。
「魔王様! お帰りなさいませ!
影界の最深層……本当に突破されたのですね……!」
「う、うん……なんとか……」
「魔王様……すごいです……!」
ガルドも涙目で言った。
「魔王様が……!
ついに……!
猫以外にも勝てるように……!」
「そこじゃないよぉぉぉ!!」
(いや成長ポイントの認識がズレてるな)
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その時だった。
空気が、ピタリと止まった。
魔王城の全員が息を呑む。
「……っ!?
この魔力……!」
ミュリエルが震える。
「魔王様……!
これは……リュシアン様のものではありません……!」
(お、ついに来たな)
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空がゆっくりと裂けた。
雷も爆発もない。
ただ静かに、世界が“開いた”。
そこから降りてきたのは——
白い鎧に身を包んだ人物。
背中には光の翼。
その瞳は、世界そのもののように澄んでいた。
「……我が名は——
**セラフィア=ルミナス**。
“世界の守護者”である」
「せ、世界の……守護者……!」
(いや名前からして強そうだな)
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セラフィアは静かにヴァルナを見つめた。
「魔王ヴァルナ。
あなたが“影界の最深層”を突破したこと……
世界は確認しました」
「えっ……世界が……?」
「世界は魔王を恐れます。
あなたが強くなるほど……
世界はあなたを排除しようと動く」
「ひぃぃぃ!!」
(いやリュシアンの言った通りだな)
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セラフィアは続けた。
「私は“世界の意志”を代行する者。
魔王が世界の均衡を乱すなら……
排除するのが私の役目です」
「排除って……!」
「安心してください。
痛みは最小限にします」
「やだぁぁぁぁぁ!!」
(いや優しそうに言ってるけど内容が怖いな)
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バルゴが前に出た。
「待て!!
魔王は筋肉で成長している!!
世界の守護者よ!!
筋肉の強さを理解しているのか!!」
「理解していません」
「なんでぇぇぇぇ!!」
(いや筋肉の話は今関係ないだろ)
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セラフィアはヴァルナに向き直った。
「魔王ヴァルナ。
あなたに最後の選択を与えます」
光の翼が広がる。
「世界に従い、魔王の力を捨てるか。
それとも——
世界に抗い、“真の魔王”となるか」
「っ……!」
(おい、最終章の選択肢が重すぎるだろ)
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ヴァルナは震えながらも、俺を握りしめた。
「……私……」
涙がこぼれそうになる。
「弱いし……怖いし……
魔王候補にも……王国にも……
世界にも……勝てる気がしない……」
(……そうだよな)
宝玉が光る。
「ひゃああああああああああ!!」
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ヴァルナは涙を拭き、まっすぐ前を向いた。
「……でも……!」
「……?」
「私は……魔王になりたい……!
弱くても……怖くても……
前に進みたい……!」
(……お前、本当に強くなったな)
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セラフィアは静かに目を閉じた。
「……ならば。
あなたを“真の魔王”と認めるため……
私はあなたを試す」
光が集まり、剣が形を成す。
「魔王ヴァルナ。
世界の守護者として……
あなたと戦います」
「ひぃぃぃ!!」
(いやついに最終決戦だな)




