1-3 何か風向きが変わってきた気がする。
今日最後の授業が終わった。やはり面白い先生の授業は面白い。聞いていて飽きない話し方というのはちゃんと存在するし、それを実践できる人も存在するということが確認できた。自分がやるとしたら難しいんだろうなぁとは思うが、盗める技術は盗んでやろう。何気なくスマホを見る。メールが来ている。家庭教師のアドレスだ。返信が速い。こういう人は信頼できるもんだ。まぁた仕事が忙しくなっちゃうなぁ~♪なんてニヤニヤしながらメールを開いた。
教えてほしいのは高校の理系科目らしい。中学範囲でも怪しいところはあるが、目標は大学入試レベルだそうだ。とても分かりやすい。いつものパターンだ。大学入試に向けて分からないところを潰す作業は、自分でもやったし家庭教師としても何度もやってきた。なんだ疑って損したわぁとか思っていると、そのあとにも何か書いてある。
「ただし、大学入試を受ける予定はありません。ここではご説明できない特殊な事情がありますので、ぜひ一度お話をさせていただきたく存じます。」
思考がフリーズした。フリーズが解けたので、色々考えてみる。大学入試を受けるわけではないが大学入試レベルの学力が欲しい?なるほど社会人や退職後の学びなおしか。それにしてもメールに書けない特殊な事情ってなんだろう。恥ずかしいのかねぇ。
でも俺はこういう話が大好きである。生徒は個性的であればあるほど面白いと思っている。この話、ぜひ聞いてみようと思い、OKの返事を書いて送っておいた。さて、顔合わせはいつになるかな。




