第90話 大陸最強冒険者の実力
「ドドドド」
無数の火の玉が降りかかった。
俺はこれを水の玉のレベル100スキルで打ち消す。
しかしこのスキル一つの消費MPは一つ当たり100になる。
俺の総MPは約10000であるが、これをMP回復スキルを掛け合わせることで、極限にまで抑えることが出来るのである。
しかしMP回復スキルのスタミナ消費を要する。このスタミナ消費をなくすには更にスタミナ回復のスキルを使う。これにより回復の無限循環を起こす。
ちなみにスキル発動の負担は特にない。モニターを出現させ目で追うといった作業に等しい。
つまりどういうことかっていうと、たとえライズの魔法のスキル対処への消費MPが多かったとしても、大きなMP消費の循環を起こして、無限循環が結局起こるのである。
「君、いつになったら疲れるんだい?」
無数の魔法の連打とスキルの連打がぶつかり合ってから数分が経過した。一向に拮抗する物量のぶつかり合いの中でライズは明らかに疲れを見せていた。
「うん? 疲れる、そういうのは俺のスキルにはありませんね」
「なるほどね」
ライズは魔法を解いた。
「どうしたんですか? 魔法を解いてもいいですか?」
「君こそ魔法を解いたんだから、追撃すればいいのに」
「丸腰の相手に攻撃なんてできませんよ」
「ははは、分かった君は私より強いし、私は君に手加減をされている」
「分かってるなら、大人しく降参してくださいよ」
「だから私に諦めるという選択肢はないんだよ。最大出力を叩きこむ」
「その命を削るって言ってもストックがあるんじゃないですか? いつまでそれが続くんですかね」
「さあね、君が一番の私にとっての鬼門かもしれない。だからストック消費の上限は青天井とする」
「そこまで本気にするんですね」
「ああ、すまないが君は生きることをあきらめた方がいいだろう」
「いつからこんなに本気で戦ってたんですかね。ちょっとした力試しの感覚だったんですが」
「ふん、気が変わったんだよ。君になら私の全力をぶつけることが出来る」
ライズは高揚感を感じたような笑みを見せた。
「確かに大陸最強冒険者でトップの魔法の使い手ともなると匹敵する人物はいないですよね。いったいライズ様は何が目的なんですか」
「私の目的はまだ潰えてないよ。目的が潰えない限り私は君にそれを教えることはできない」
「そうですか、さあ始めましょうか」
「出力最大魔法陣展開」
「なんだこれは」
今までとは違う強大な魔力で包まれた魔法陣が出現した。
「いでよ、女神級の召喚天使・アストラベテモス・グラウドリリス・へテレルシリア」
天使の翼をもつ3体の召喚天使が出現した。
「それはなんですか」
「実際戦ってみたら分かる。次は物量だな、いでよ、天使の騎士、フリエルセラニカ」
なんだ、ライズの正面に甲冑を着た騎士があらわれた。
「そいつが俺の相手ってことですか」
「ああ、いけ! フリエルセラニカ」
甲冑の騎士が襲い掛かってきた。
鑑定スキルによりフリエルセラニカを見ると、こいつは攻守が非常に高く、普通のスキルでは倒せないようだ。
「知ってますか? レベル100スキルにもランクがあるんです。C~Sのスキルの中から、普段俺はBまでのスキルしか使ってません。ここでAスキルを解放させてもらいますよ」
「試してみるといい」
「レベル100スキルランクA、消滅」
フリエルセラニカに対し消滅を発動した。
これによりフリエルセラニカは跡形もなく消え去った。
「とんでないね。フリエルセラニカは女神級の召喚天使でも上位に位置する存在なんだ。これを倒す君はやはり楽しませてくれる存在だ」
「これであと3体ですね」
「残念ながらこの3体は戦闘が出来ないよ。代わりにそれぞれ特殊能力が備わっている」
「特殊能力?」
「油断はしない一気に潰しに行くよ。アストラベテモスは復活、グラウドリリスは一度受けた攻撃の耐性付与、へテレルシリアは復活時のステータス増強、これをフリエルセラニカにかける。無限に蘇り耐性と強化を付与されたフリエルセレニカ、これこそ私が大陸最強の魔法使いとしての最強の布陣だ」
「それ俺が3天使を潰せば終わりじゃないですか」
「残念ながらこの3天使は実態がない。攻撃がつまり当たらないんだよ」
「そんなのありかよ」
「いけフリエルセラニカ」
「来たか」
階級があがるほどスキルの負担は大きくなる。前述したスキルの無限循環の振れ幅がさらに大きくなった。
「シュバッ」
「あぶな」
消滅スキルにはいくつかの種類がある。ひとつ対応されても、もう一つ打てばいい。
フリエルセラニカの攻撃をよけ、多種消滅のスキルを打つ。ここから3天使のコンビネーションによって、同じ状況が作り出される。そのたびにフリエルセラニカは強化され、別のスキルを。このループが始まった。
「面白かった、続きが読みたい!」
などなど思った方がいましたら下の☆☆☆☆☆から作品への応援をお願いします。
ブックマークも頂けたら幸いです。




