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第38話 天才を作る組織

「ずいぶん愉快なことね」


「そりゃあここまで俺たちについてきた記者ですからね。その執念はすさまじいよ」


「本当に、うっとおしいったらありゃしないのよ」


「あれ? 久しぶりに夏菜がしゃべった!」


「うるさいわね。どこに私が会話に入るスキがあったのよ」


「ははは、それもそうだ。里音先輩の過去が明らかになる中で、会話なんてできる空気じゃないわな」


「ご、ごめんなさいね」


「でもこれで俺たちは里音先輩がどんな人物だか全て知ることができました。俺、里音先輩と一緒に戦ってαの奴を絶対に倒します! それでプログラムウイルスも消して、ゲームで消えた人を全員戻します」


「私もあなたが麗美さんと再会できるように全力を尽くすわ」


「……」


 麗美のことでαへの怒りに取りつかれた。もうそんな過ちは繰り返さない。


「私も忘れてもらっちゃ困るんだからね! 麗美にはまだ言いたいことが沢山あったのよ。それに優戸ともまた会いたいわ」


「分かってるよ」


「パシャッ!」


「何とってんのよ」


「いやあ、三人の絆が凄いなって思いましてね。いいものが取れたので私はここら辺でお暇させてもらいます。あ、これ少ないですけど」


 琴音沙月は俺たちに取材料を払って、その場を去っていった。


「なんだったのよあの女わ」


「彼女の拡散能力はいずれ大きな役割を果たすはずだよ」


「国城さん何やってたんですか?」


 天才ハッカー国城穂美香がまた頭の中に声を発してきた。


「内村礼の奴を追跡してたんだよ。逃がしちゃったけど追跡マーカ―は付けた」


「なるほど、沙月さんがどんな役割を果たすんですか?」


「内村礼の罪を広める役割があるね。彼女の拡散力があれば、奴でももみ消すことはできないだろう」


「そういうことね。彼女はいわゆるトドメの切り札となる存在だわ」


「正解! おっしっかりと里音先輩を救出したんだね2人とも」


「はい!」


「それじゃあ、いよいよクライマックスだ。内村礼を捕まえる作戦に移るよ」


「……」


「は、ははははー冗談だよ。流石に今日はもう休息をとった方がいい! 作戦決行は明日ということでよろしく。じゃあねえー」


「-」


 国城穂美香はアクセスを切ったようだった。


「いやあ今日は色々ありましたね」


「明日で全てが終わるは今日は休息を取りましょう」


「OK、じゃあみんなで里音先輩の家に帰るわよ!」


「なんでわたしの家が集合場所みたいになってるのよ」


「あそこが私たちの拠点なんだから当然でしょ?」


「はあ、分かったわよ」


「なんだか、こうして普通に3人で話すのも久しぶりですね」


「アンタが、凄い、感じ悪いことになってたからね」


「あははは、なんか黒歴史みたいに感じてきたわ」


「春樹」


「なんですか里音先輩」


「友都君から伝言を預かっていたの。事情は分からないけど、お前のことだから何かあったんだろ! 俺たちはいつでも学校に戻ってくるのを待っている! だそうよ」


「友都すまねえ、全て終わったら学校に絶対戻ります!」


「あたりまえでしょ! あんた出席日数が足りなくて留年とかしたら一生のは恥だからね」


「うわあ、それは絶対に避けたいわ」


「じゃあ帰るわよ」


「はい!」







「ふん、まさかγがやられるなんてね。前任がごみみたいなことをしてるからこうなる。だが、度重なる仮想領域の実験により、あと少しでΩが完成しそうだ。ケッヒヒヒヒヒ、これでもう何もかもおしまいだよ。アッハハハハハハハハハ!」


「随分うれしそうじゃない」


「たっくいつまで僕をマーキングしてるんだ穂美香」


「そりゃあ明日あなたは終わるからね。その前に何を考えてるんだろう? って思って」


「ふん、馬鹿が、君はそこの狭い小屋でプログラムを遠隔操作しながら見てればいい。僕が明日全てを終わらせるところを」


「勝てるの? 里音ちゃんと春樹君のコンビに」


「はあ? 勝つとかそういう次元の話じゃないんだよこれは。ただ僕の中にあるαがこうしたいと欲求をもたらしてくるんだ。僕はその次々に湧いてくる欲求をかなえてるだけに過ぎない」


「え? きっもー、礼って昔からそんな感じよね」


「ふん、今更ライズの話をここに持ち出すのか? あれは実験前の話だ。成功体の僕はそんな次元をとうに越してる。実際あの組織は僕に酷いことを実験体の時にしたから僕自ら消したけどね。君のいたハッカー集団はそのおまけさ」


「天才を生み出す組織、遺伝子操作集団ライズ、そこで君と私は生まれたんだよね。最強クラスの頭脳を遺伝子操作によってもたらすという目的を掲げて活動する集団、前任のナノのボスもそこの研究者だったんだっけ? 自分の元いた家を潰すんなってひっどーい、ハッカークラブ消したのも許さないからね」


「ふん、好きに恨むといい。ライズの実験体の双璧を成していたのが君と僕だった。頭脳の頂点を極めたもの同士もっと分かり合えるものだと思っていたけどね」


「くはっ! 分かるわけないじゃん礼のそんな気持ち悪い思想なんて。αウイルスに頭やられちゃったんでしょ? 薬中毒か何か?」


「はっ、君のその煽りも今の僕なら穏やかの心で聞いていられる。確かにライズの時代では双璧を成していたけど、今僕は違う次元の存在になったからね。君なんてとっくの昔に超越しているんだよ」


「はいはい、凄い凄い! じゃあ明日が礼君の命日なんで、さよならー」


「ふん、せいぜい今のうちに思い上がってやがれ」

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