第100話 ゲーム世界
「アート、異変を感じたかい?」
「ああ、現実世界が消失した」
「みてよこれ、αの神器が消え去った」
「いや、これはαの神器なのか?」
「どういうことだ」
「魔王の上の存在、邪神へルロギア、俺はそのオーラをαの神器から進化を感じた」
「邪神へルロギア? そんな記憶はないが」
「ああ、おそらく今俺の記憶の中に埋め込まれたのだと思う。この邪神へルロギアは無数のレベル100スキルを使う魔王を超える存在だ」
「なんだそれは」
「4人の少女の魂を捧げた時に、邪神へルロギアは覚醒する。邪神へルロギアは数千年前に勇者に滅ぼされたはずだが、残存粒子がαの神器に混じっていたようだな。それが適合者や転生体に混じったことで、今回のような結末になったのだと思う」
「ああ、なるほど、新たな異世界の誕生か」
「地獄だな。もはや邪神へルロギアに勝てるものなど存在しないだろう。俺たちはここの異世界で過ごすつもりだったが、逃げてきたという形になったな」
「そうだね。全てがゲームに包まれた世界。そんな世界で過ごすのはごめんだよ」
「どうするこれから?」
「どうもしないさ。こうなってしまったら収集はつかないよ」
「そうか」
「でもねアート、僕は春樹君から多くのことを教えてもらったんだ。その恩は帰さないといけない」
「でもその春樹という人物は邪神へルロギアになれ果てゲームの世界で破壊の限りを尽くしているぞ」
「そうだよ。でもそれはこの世界の話さ。別の世界の彼に託すよ。全てはパラレルワールドになっているからね」
「まさかお前、神器Δを使ったのか」
「平行世界のΔ、これは切り札だけどね」
「まさかそれほどまでに君を動かす人物だとはね」
「こういう確変もあるものさ、さあ春樹くん君が勇者になるんだ。君とαによって生まれた邪心ヘルロギアの概念を自らが勇者になることで消してくれ」
「うん?」
「お前は礼と穂美香どうしてここに。お前たちはゲームの世界に幽閉されたって」
ここはどこだ、俺は確か、麗美をこの手で葬ったはずじゃ。
「これはΔの力だね。ライズ様からの贈り物さ」
「お前は礼と穂美香どうしてここに。お前たちはゲームの世界に幽閉されたって」
「運命が変わったんだよ」
「どういうことだ?」
「君は蘇生のスキルを麗美ちゃんに使ったんだ、その瞬間、Δのスキルで平行世界に移った。ここは僕と穂美香がゲームの世界に行かなかった世界。そして今プログラムによって麗美と捕食者のスキルの分離に成功した」
「き、貴様ら」
「ああ、君の正体もばれたね。邪神へルロギアの残滓さん、君の計画もこれで終わりだね」
「みんなは?」
「無事だよ、ほら」
「よかった」
みんな意識を失っていたが、無事だった。俺はあいつの精神世界から抜け出すことが出来たのだ。
「でも俺はラストスキルを使っちゃったから力が使えない」
ラストスキルは能力を消失して対象を復活させる力、俺は能力と引き換えに麗美を救った。
「僕と穂美香のプログラムでスキル効果を書き換えたよ。ラストスキル後一回だけスキルをうてるようにね」
「本当だ、ありがとう」
「さあ、後は君の番だ」
「ああ」
「は、春樹君~、私の物になってくれるはずだったんじゃ」
スキル捕食者の正体は邪神へルロギアの残滓。今の見た目はただの影で、そんな見た目で麗美の言葉を吐かれても何も感じなかった。
「もう散々だ。お前とは長い間話した中だけどそれは麗美の姿をしていたからに過ぎない。だからこれで消えろ、これは名前すら存在しない、最後のレベル100スキル『』」
「なんだか最後は雑過ぎないかな、由愛ちゃん」
「まあ、ストーリーの最後ほど難しいものはないのよ、麗美ちゃん」
「でも私達文芸部の部誌を来週までにださないといけないのよ」
「ああ、確かにもう少しでコンクールが始まるものね」
「ログラインを書くだけでも一苦労なのよ。これからどうしましょうかね」
「ああ、こういう時は全部忘れて後日改めて書くというのが一番だわよ」
「そうね」
「全てを終わりにするのは明日の自分にこそ当てはまることよね」
「とにかく作成難易度は完結が最も難しいわ」
「明日の自分にまかせましょう」
「礼、これから私達どうするの」
「ライズ様が言ってたよ。それぞれの道を進むのさ。春樹君たちは仲間と現実世界で、ライズ様たちは異世界に帰って、僕たちはこのゲーム世界の中でね」
「やっぱり好きなことして生きるのが一番よね」
「ああ、そういうことだ」
「よう麗美」
「春樹君! 私、決めたよ」
「何が」
「結婚を前提に付き合いましょう!」
「いいよ」
「そういえば夏菜はどうするの?」
「私は優戸と一緒に旅行にいくわ」
「里音先輩は?」
「旅に出るわ。海外でやりたいこと探すつもりよ」
「由愛はどうするんだよ」
「私も里音ちゃんと一緒に旅をすることにするわ」
「そうか、みんな自分の道を見つけたんだな」
「春樹氏は何をするの!」
「うーん、どうする? 麗美」
「とりあえず、ゲームをしようと思う」
「ゲームはもういいよ」
「あははは、確かに春樹君にもうゲームは必要ないよね」
「ああ、俺にはみんながいるからな」
「じゃあ、今日は春樹の家で打ち上げよ」
「俺の家かよ!」
ゲームが好きならその世界で楽しめばいい。現実が充実しているなら、それを楽しめばいい。異世界に行きたいのならそうすればいい。選択は自由なんだ。
ゲーム世界を体験してみて、後悔のない選択をするのが一番だと思った。
完
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