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転生魔女ですが救世はお断りします!〜世界を救うとか面倒くさい〜  作者: 高木 藍


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(6)鉱山の街【2】

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「ユーミさんに失礼だと思って、ステータス見なかったんですが、聞いてもいいですか?」


 リンがおずおず尋ねる。


 「構わないわ」


 「クラスは何級なのですか?」

 「金よ」(ホントはオリハルコンだけど)


 わたしが言うと、リンは仰け反るように驚いた。


 「ええ?!それは凄いです!ステータスで金級の人は国に数える程しか居ません!」


 あれ。しくったか


 「ステータスでって、ギルドの等級とは違うの?」


 「もちろんです!ギルドの等級は依頼を熟したり、試験を受けて上げるものですが、ステータスの等級は個人が持って生まれたものですから。受付のあの対応も納得です!」 


 リンはふんす!と鼻息が荒い。


 「普通の冒険者はステータスどれ位が一般的なの?」


 「そうですねぇ。だいたい青銅が精々じゃないですかね。鋼を持っていたらすごいってなりますね。ただ、ステータスのクラスはあまり人に言わないですし。鑑定を持っている人に見てもらうか、ギルドの登録の時には知るしかないですしね」


 …やってしまったのか。先に聞いとけばよかった…。


 「リン〜!登録終わった?」


 素材の買い取りと、依頼報告が終わった3人が、近づいてきた。


 「それが、待たされてるんですよ。ユーミさんが凄すぎて!」


 リンが目を輝かせて言う。こらこら。勝手に話すな。


 「凄すぎて?冒険者の登録なんてあっという間だったけど」

 「ユーミさんのステータス見た受付さんが、ココで待っててって」

 「登録待たされる事なんてあるのか?」

 ジョーイも思わず驚いている。


 ちょっと話変えようか。


 「ところで、素材の買い取りはどうだったの?」


 「おお!傷がないって事で、色付けてもらったよ。路銀を考えても、懐は暖かくなったし、晩飯は奢らせてもらうよ」


 ザックは満面の笑みだ。


 「よかったわね。じゃ、お言葉に甘えるわ」


 あんまり遠慮するもの悪いしね。


 「コレ、リンの取り分な」


 ザックはリンにチャラっとお金を渡す。リンはお金を数えている。


 「え!こんなに?」想像以上に多かったようだ。

 「パラライズモスの素材も、ゴブリンの魔核も今不足してるみたいなんだ。更に、傷がないから上乗せされたよ」

 ザックはホクホク顔だ。


 そんな話をしていたら、さっきの犬獣人の受付のお姉さんが近づいてきた。


 「お待たせしました。ギルドマスターがお呼びです。こちらにどうぞ」


 わたしを促して行こうとする、受付さんをザックが止めた。


 「ちょっと待て。俺からもギルマスに話がある。ユーミさんとはここ迄一緒に来たし、ユーミさんにも関わる話だ。一緒に行かせてもらう」

 「あなた方は白狼の牙の…」受付さんは、ザックを見てはぁと溜息を吐いた。

 「分かりました。一緒に来てください」


 階段を上がり、一番奥の扉の前で立ち止まる。


 「ギルドマスター、ユーミさんをお連れしました」

 「おう。入れ」


 受付さんが扉を開けてくれた。中を見ると、ムキムキの大男が、ソファに座っていた。アレがギルドマスターか。いかにもだな。


 「どうぞ中へ。お座りください」


 受付さんに促され、わたしと白狼の牙のみんなも入室する。


 「ん?オメェらは白狼の。どうした?」

 

 ソファに座っていたギルドマスターが、右の眉を上げる。


 「ギルドマスターにお話があるとの事で。ユーミさんにも関わるそうなのでお連れしました」


 「そうか。んじゃ、オメェらも座れ」


 わたしはギルドマスターの向かい。私の両脇にリンとマリア。ザックとジョーイはそれぞれ1人掛けに座った。


 「俺はコレールの冒険者ギルドのマスター、ゲイン。コレでも元金級の冒険者だ。宜しくな。まずは、ユーミの冒険者登録の話からだ。白狼の牙の話はその後だ。いいな?」

 ギルドマスターに言われて、みんなは頷く。


 「さっき、受付でステータスを確認したが、その値が信じられねぇっつんで、ここに呼ばれてるわけだ。ステータス確認の魔法具は壊れてねぇが、もう一度俺の目で確かめさせてもらう」


 ギルドマスターはそう言うと、さっきの板を差し出した。

 今から修正してもどうしょうもないから、さっきのままで手を乗せる。

 

 さっきと同じように板が光り、同じステータスが現れる。


 ギルドマスターは板を見て、うーんと唸る。


 「こりゃホントにバケモンみたいなステータスだな」


 ギルドマスターは、板のステータスを消して、わたしに向き直る。


 「こんなステータスで、木級っつー訳にはいかねぇ。そこでユーミに2つの選択肢から選んでもらう」


 ギルドマスターの提案に、うんうんと頷いた。


 「まず一つはユーミを銅級にして、今すぐ登録証を発行する。但し、銅級は最低3ヶ月で5つ以上依頼を成功させないと降格となり、石級で1ヶ月に3つ以上、木級で2週間で2つ以上依頼を成功させないと登録抹消になる。銅級から青銅級に上がるには一年で50個依頼を成功させないと上がれない」


 うわ。だっる。


 「もう一つは、この後に試験を受けてもらう。合格出来たら、鋼級で登録証を発行する。鋼級は3回連続で依頼を失敗しない限り、降格はない。銀級に昇格するには、銀級以上の冒険者3人の推薦か、どこかのギルドマスター1人の推薦をもらい、試験を受けて合格すること。後、犯罪を犯せば、全ての等級で登録抹消となる」


 ギルドマスターが、指を上げて説明してくれる。

 「いきなり鋼級の試験受けるなんて聞いたことねぇ…」「どんなステータスだったんだよ…」「相当凄い人なのね…」「やっぱりユーミさんは凄いですぅ」


 何か聞こえるけど、聞かなかったことにする。


 銅級、鋼級、どっちも面倒くさいけど、どうしようかなぁ。依頼を期間内に受けなくちゃいけないのはだるいしなぁ。身分証明書としては、商人ギルドで発行してもらえばいいだろうけど。でも、入れないところに入れないのは困るかも。


 「…試験はいつ受けられますか?」


 「そうだなぁ。2時間後に来てくれ」

 「合否はいつわかります?」

 「合否は試験が終わり次第出るよ。登録証も今日作れる」


 時間かかるけど、今日中に出来るならその方がいいか。


 「…じゃ、試験受けます」


 あ。言ってしまったけど、どんな試験か聞いてなかった。


 「試験は口頭質問と実技だ。取り合えず、2時間後に受付に声を掛けてくれ」

 「分かりました」  


 口頭質問かぁ。何聞かれるんだろう。早まったかな。


 「よし、ユーミの件はいいとして、白狼の。俺に話たぁ、一体どうした?」

 

 ギルドマスターがザックに向き直り、声を掛ける。ザックは真剣な顔で、言った。



「ギルドマスターに聞きたいことがある。俺達がさっき報告をした依頼の事だ」


 さっきの不備を抗議するようだ。ギルドマスターは一見して、聞いてたような悪辣なギルドの長には思えない。わたしも話を聞きたいと思う。 

 

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