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第9夜
㉑小さな声
私は迷った時まれに、小さな声が聞こえる事がある。
小さな声のアドバイス。
意外とそういう人はいるそうで、集中すると自分の出した思考を声と錯覚するのだ。
私が人と違うのは声に従うと碌な目にあわない事だ。
そして、その後の嘲笑う声。
こちらは他の人にはあまり聞かないケース。
けれど私は自虐的な人間、それだけの事。
それだけの事だから後ろから嘲笑う声が聞こえても前以外を見ない。
私は肩を叩かれた。
㉒カセットテープ
あるおじいさんは生前カセットテープに家族へのメッセージを残した。
いかに家族を大切に思っているか、そして死後も皆を見守る。
そんなメッセージだった。
仲の良かったはずのおばあさんはそのテープに意味のない雑音を上書きし、おじいさんのメッセージを消していく。
表面上は仲良くみえても、表に出さない恨みがあったのだろうか。その行為はテープを壊す、あるいは燃やす以上のより強烈な拒絶に感じた。
家族の皆がそれをとめる。
「この声を消さないとみんな死ぬ」
おばあさんはそう言った。




