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第11夜
㉕初めて聴いた音
生まれたての子供、初めて聞く音は何だっただろう。
そもそも、赤ちゃんはまだ脳が音に慣れておらずノイズを拾いすぎ成人とは違う音が聞こえている。
「進之助」
私の記憶では最初に聴いた言葉だ。
気味の悪い記憶、本当に生まれた数秒と立たない記憶だったがなぜか頭を離れない。
脳が言葉を理解する準備ができていない。
名前だって決まっていないはず。
何よりノイズ側が言葉になっていた。
それでも覚えている。
もしその言葉を聞き続けていたら私は人間の言葉を理解できない人生になっていたのではなかろうか。
ストレスのかかることがあるとその時の事をふと想いだす。
数秒のつもりが数時間たっていたりする。
㉖真空空間
真空空間では音は伝わらない。
だから言葉もない。
そんな事はない。
人間には出来ないだけ、真空に住む者は真空で伝わる言葉を手に入れている。
子供の頃夜中にトイレに行くのが怖かった。
霊は見えずとも怖い想像をしやすかった。
人間だって子供の頃には理解てぎすとも真空でも伝わる音を持っていたのかもしれない。
けれど私がしたい話はそこではない。
子供が感じているということは理解できないだけで、大人も聞いているという事だ。




