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回復魔法だと思ったら即死魔法でした ~最弱回復魔法師の力を受け継いだ俺、気づいたらダンジョン魔王に~  作者: マリアンナイト


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68/88

68話 速さだけだと思う?

 ――魔王サンク側――


「ムマ、めっちゃ弱いじゃん!」


 サンクの顎が外れていた。


「仕方ないよ。

 僕の分身だからね」


 レッドも一緒に観戦している。


「それにしても、お前、余裕だな。

 次はお前だぞレッド」


「そうだね。

 僕はダイヤと相性が悪いからね。

 逃げようかな」


「お前が逃げたら、シンエイはあいつを素通りさせるぞ」


「サンク様がいるから大丈夫でしょ」


 何なんだこの俺への信頼感は……。


<よかったな。

 配下に慕われて>


 慕われているのか?

 勘違いしているだけだろ?

 俺のことを強いと思ってるみたいだし。


<心配するな。

 お前はお前が思っているよりずっと強いぞ。

 ダンジョンを守りたいと思う思いは強いだろ?>


「なんだよ急に……

 俺を励ましているのか?

 気持ち悪いな」


 そう言いながらも……

 俺は顔がにやけてしまって、我慢できなかった。


 さて、レッドの観戦でもしようかな。


 そう思った矢先。


 ダイヤたちが、レッドのボス部屋に入ってきていた。


 そして――


 レッドがA級パーティーの三人を串刺しにしていた。


「へっへ~!

 奇襲成功~!」


「赤いスライムのボスは一匹じゃなかったのか……」


 そう言い残し、トパーズたちは木の根に包まれ、

 地面へと消えていった。


「本当にあの木の根から、

 あいつらを助けなくていいんだな?」


 コランダムがダイヤに呆気にとられながら話した。


「大丈夫。

 今までも、すべて冒険者は帰されている」


「不思議なダンジョンだな。

 何が目的なんだ?」


「それを調べているんだが、皆目見当がつかない。

 だが、面白い。

 挑みたくなる不思議さがある」


 ダイヤが興奮気味に語った。


「あの~。

 僕のこと、忘れてない?」


 コランダムの目の前に現れ、針を突き出すレッド。


 しかしコランダムは――


 素早い剣さばきで針を粉々に砕いた。


 一方のダイヤは、ただ、突っ立っていた。

 分身体のレッドの針は、ダイヤに当たって砕け散る。


「ふん」


 レッドの分身体が、ダイヤに踏みつぶされた。


「認めたくないね。

 自分自身の不甲斐なさなんて……

 分身体は改良の余地あり、だな」


 そう、高台から見下ろしたレッドが、しんみりと口にした。


「僕もよくよく運がない。

 こんな強者を二人同時に相手しないといけないなんて……」


 レッドの体が、赤から銀色へと変化していく。

 

 そして動く。


 コランダムも呼応して動く。


「速さだけでは私に勝てませんよ」


 コランダムの見えない剣筋が空を切った。

 赤いスライムの時より、さらにスピードが増している。


「僕の体は小さいからね。

 そうそう当たるもんじゃないよ」


「小さいのは利点ですが、見えないわけではない」


「当たらなきゃどうってことないけどね」


 レッドが銀色の残像の筋を残し、光のように走る。


 次の瞬間――


「キーン……」


 金属の弾かれる音が響いた。


「速さだけだと思う?」


 レッドが不敵に笑う。


 鉄の弾丸となったレッドが、

 コランダムの体へめり込んでいた。


「ぐはっ……!」


 コランダムの折れた刃先が空を舞い、

 地面へ突き刺さった。


「舐めてもらっちゃ困るね」


 レッドが得意顔になっていた。

 これは見なくても分かる。


「女神の加護により我を癒したまえ」


 コランダムの体が眩く光り、回復していく。


「ふ~。

 やるなこのスライム」


 コランダムは何事もなかったように、

 レッドの前に立ちふさがった。


「ダイヤ。

 すまない。

 お前の剣をくれ」


「これか?」


「いや、違う。

 お前の《《作り出した》》剣だ」


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


少しでも面白い思っていただけましたら、

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よろしくお願いします!

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