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想いが一つに


有崎はコーヒーを飲みながら明日の卒業式の話しや旅行で沖縄

に行く事、楽しそうに話していたがふと寂しそうな表情をした。

「こんな事なら…旅行なんて計画するんじゃなかった…

 そしたら、高志さんと何時も一緒にいられたのに…」

高野は優しく微笑んで有崎の肩を抱いた。

「今じゃないと出来ない事だから楽しんでおいで、俺とは

 その後ゆっくりしよう」

「そうですけど… やはり寂しい…」

「はは、冬真はこんなに甘えるタイプだったかな?」

「高志さんへの気持を我慢し過ぎたからです!!」

「そ、そう…すみません…」

高野はバツが悪そうに笑った。それを見て有崎も笑う。

高野は先にお風呂に入るように勧め、自分は明日の朝食用の

パンをコンビニへ買いに行くと言う。有崎が一緒に!と言ったが

明日は早いから先に入って!と言って出掛けた。

「………」

有崎は少し考えて頷くと色々と準備を始めた。

「う~、まだ少し寒いな」

高野が帰って部屋に入るとまだシャワーの音がしていた。

今夜は一緒に…自分を抑えられるか…分からない…緊張が走る。

高野は思考を止め大きく息を吐いた。

シャワーの音も止まり有崎が出てくる。

「お先にすみません、服も借りちゃってありがとうございます」

「冬真」

「はい?」

「そろそろ、敬語止めないか?」

「え?…」

高野はにっこりと笑い、有崎は微妙な顔をした。

「ど…努力します…」

「よろしくお願いします」

有崎に先に横になるように言って高野は浴室に行った。

「ふう~…」

有崎は高野への想いが止まらない事に自分でも少し戸惑った。

「はあ~、どうしよう…嫌われちゃうかな…」

ベッドに横になり高野を待つ。

高野が寝室に行くと有崎の寝息が聞こえてきた。

「疲れてたんだな…」

少しホッとした自分と残念な自分がいる。自分の気持ちに

困った顔をして有崎のサラサラな髪を手に絡ませる。

頭に唇を落としそっと横になっると有崎が寝返りを打ち

高野に抱きついてきた。

「ごめん!起こしちゃった?」

「………」

「冬真?」

有崎は高野に軽いキスをする。

「と…」

高野の口はまた塞がれ深いキスに高野も有崎への想いを

込めキスに応じる。

「…んっ…」

有崎の声に気持ちが高ぶり愛しさが溢れる。

長いキスの後、有崎は上目遣いで高野を見た。

「…高志さん…」

「ハァ~、…冬真…俺…我慢できなくなる…」

高野は上を向き気持ちを落ち着かせようとする。

「…我慢しなくていい…俺を………」

有崎は抱きつき顔を胸に押し付ける。恥ずかしい…

「冬真…嬉しいよ」

高野は有崎を強く抱きしめ深く熱いキスをする。

有崎は高野への想いが次から次へと溢れる。高野の温もりを感じ

幸せのあまり目には涙が滲む。

「…高志さん…」

この時を何度夢見た事か…長い間心の奥に押し込めていた想い。

何度となく諦め虚無感に襲われた。だが、今はあの時の苦しい

気持は忘れて高野と想いを確かめ合う。

高野の息づかい、優しい眼差し、熱く自分の名前呼ぶ声

「…冬真…」

心の奥から暖かい幸せの気持ちが全体を包み込む。

「高志さん…好き…」

呟く有崎から目が離せない…愛おしい…恥じらう有崎が可愛い。

人を愛するとこんなにも胸が熱くなる物なのだと知った。

そっと抱え込み誰かに見えない様に、触れさせない様に

自分だけの物に…こんなにも独占欲にかられるとは思わなかった。

大切に大事に壊れないように…だが逃げないように抱きしめる。

有崎の温もりが伝わってくる。温かい…

有崎の口から”好き”と漏れる。声を聞くたびに全身に嬉しさの

波が押し寄せる。ああ、何とも言えない幸福感で満たされて行く。

「俺も好きだよ…」

今夜、ふたりは一つになり想いを通わせた。



朝、有崎が目を覚ますと隣で高野が微笑んでいる。

高野の顔を見て嬉しい気持の後に恥ずかしさが沸き上がり

思わず布団で顔を隠す

「冬真、おはよう」

と優しく言われ布団を外された。目の前に優しい笑顔がある。

「お…おはようございます…」

恥ずかしい…本当は見ていたいのに高野の顔から目を外す。

 『……俺を…高志さんのものにして…』

昨夜の言葉を思い出し顔が火照る。

「冬真?」

「え?あ!…おはよう…」

高野は満足そうに笑う。有崎の髪を指にからめながら

「体は大丈夫?辛くない?」

「はい、ちょっと違和感は有りますけ…あるけど、大丈夫…」

「良かった」

高野はホッとして、有崎にキスをする。

「おいで」

優しく有崎を抱きしめた。高野の胸に顔を埋めると心音が

心地良い。高野の匂い、高野の体温…心が暖かくなる。

夢なら覚めないで!と思ってしまう。

「冬真、今日一緒に冬真の家に行ってもいいかい?」

有崎の髪を指で遊びながら高野が言う。

「え?」

「卒業式の支度を手伝いたい…見送りさせて欲しい…」

「本当ですか?嬉しい!」

敬語が中々直らない事に困り顔な高野だが有崎の嬉しそうな

顔を見て幸せな気持ちで微笑んでしまう。

「さて、もう起きないとだな!冬真はゆっくり起きて来て」

「俺が朝ご飯は用意します!」

起き上がろうとする有崎に優しく高野は言う。

「いいよ、今日の主役だからね!俺がやるよ。簡単な物に

 なっちゃうけど」

高野は微笑み動き出す。

有崎はベッドの上で今の幸せを噛み締めていた。

「んんんー、なんか凄く嬉しい!」

有崎は嬉しすぎて布団を抱えてバタバタと動いていると

「ん?大丈夫?」

ひょっこり高野が顔を出す。

「だ、大丈夫!」

有崎もベッドから起き支度を始めた。

今日は卒業式。寂しい気持ちはもう少し先になりそうだ。

今は高野との時間が幸せでふわふわとした優しい気持ちで

いっぱいである。


君の瞳に映る笑顔  ご覧いただきありがとうございます。 遂に想いを通わせる事が出来ました。ありがとうございました。

次回は土曜日、最終回「君の瞳に映る笑顔」をお届け致します。高野と有崎は周りの人々に助けられここまで来る事が出来ました。また、ご覧いただいた方の暖かい目が追い風になりました事有難く思います。

次回は最終回となります。もう少しお付き合い頂けたら幸いです。

                         あらかると

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