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第21話 お誘い

「許可証の方、確かにお預かりしました。再度ご利用なさる際には身分証と紹介状の提示をお願いしますね」


 公爵の屋敷でたっぷりおもてなしをされた翌日、早速ノートゥーンとルシィーナは図書館を訪れ様々な文献や伝承の書き記された本を一通り読み漁っていた。


「さて、とりあえずお昼まで一般の方で役に立ちそうなのないか探してみたけど、ノーちゃんの方は手がかりになりそうなのみつけられた?」


「アルンダ諸島の人魚の信仰、ハガララアドハの浮遊大陸とか、それくらいかな?」


「なるほどねー……私の方は手がかりになりそうなのは見つけられなかったや」


「とか言って、シィーが「これはあの本の最新刊……!まさか出てたとは!あぁこれも!」って言って娯楽小説読み漁ってたの僕知ってるからね」


「あはははは……ノーちゃんごめんごめん。お昼からはきちんと調べるからさ、とりあえずお昼ご飯食べながら調べた事教えてくれない?」


「美味しい物いっぱい用意してくれるなら許す」


「ふふっ♪今回はきちんとお金があるから、いっぱい食べようねー」


 そう言って図書館から出た二人は近場の屋台で色々と食べ物を買うと、みつけた公園の一角にある休憩用のテーブルとそれを挟むように置いてある椅子に座る。


「それじゃ、まずはアルンダ諸島の人魚の信仰っていうのから聞こうかな?」


「分かった。えっとまずアルンダ諸島、日出連邦と合流を持つ諸島の近海に住む人魚は独自の信仰を持ってるらしいの」


「ふむふむ」


「信仰の元になってるのは神話らしくて、その神話の一節に「四足と一対の翼を持ち、我らが神は暗き神殿に座する」って記述があった」


「四足と一対の翼か……確かにそんな体の作りの生き物は竜しか居ないよね」


「うん。竜は自らが司る物やそれと関係する場所に最も適した姿になるけど、翼と四つの手足っていう点だけは共通してるから多分間違いはないよ」


「なら間違いなく人魚達は竜と関係があるって考えてよさそうだね。となると次は浮遊大陸だけど……」


「竜には重さを司る五行に匹敵する強さを持つ竜が居る。実在するならこの辺りの竜か、風を司る竜辺りが関与してると考えて間違いない。ん、これ美味しい」


 そんな風にノートゥーンは調べた情報についてルシィーナと話し合いながらお昼ご飯を食べていると─────


「や、やっと見つけましたわっ!」


「あ、ファトルだ」


「ファトルちゃんこんにちはー。どうしたのそんなに急いで?」


「ど、どうしたもこうしたもありませんわ!昨日街に着いたばかりだと言うのに、今日くらいゆっくりしても良いじゃありませんこと?!」


 唐突にそう言ってゼーハーと息を切らしたファトルメイトが現れ、なんだか怒った様子で二人へとそう言ってくる。


「だって私達がここに来たのは調べる為だからねー」


「せっかくだから観光とかもするけど、先ずは目的を達成しないと。所でここに来るのにどれくらいかかったの?」


「お2人の場所を聞いて屋敷を出てから4時間ですわ!」


「流石ファトル、迷子において右に出るものなし」


「う、うるさいですわよ!」


「ふふふっ♪二人とも仲良しだねぇ。所でファトルちゃん、私達を探してたみたいだけど何か用事でも?」


「そうでしたわ。お二人共、冒険者組合から組合に顔を出すようにとの連絡が屋敷にありましたので、お伝えに上がりましたわ」


「なんの用だろ?」


「なんだろうねぇ。この大陸で冒険者の仕事は無いはずだし……とりあえず、ファトルちゃんありがとね」


「これくらいの事どうって事ありませんわ。それとそのー……」


「……?ファトルちゃんどうかした?」


 目的を達成し誇らしげに胸を貼りながらそう言ったファトルメイトが、なんだかまだ言いたげな様子なのを見て、ルシィーナはそう尋ねる。


「えーっと、そのー……」


「あ、もしかして。僕達と何かしたかった?」


「な、なんでわかったんですの?!」


 しかしそのファトルメイトの言いたい事を見抜いたのはルシィーナでは無く、ノートゥーンであった。


「いやだってさっき今日くらいゆっくりーとか言ってたし、もしかしてなんか誘いたかったんじゃないかなって」


「うぐっ、ノートゥーンさんって普段お姉さんにしか興味なさそうなのに、意外と目敏いですわよね」


「索敵とかは僕の仕事だからね、目敏くなきゃ命に関わる。それで、なんのお誘いをしたいの?」


「その、王都の名所を案内をしたくて……で、でも目的が第1ですもの!これはまたの機会に─────」


「おぉ、助かるよファトルちゃんっ!調べ物をするならやっぱり名所とかも知っておきたかったし、ね?ノーちゃん」


「ん。そこにも何か言い伝えあるかもだし、単純に休憩する時にも色んな場所に行ける方が楽しい」


「で、では!」


「せっかくだしお言葉に甘えようか?休憩にも丁度いいし」


「さんせーい」


 こうして二人はファトルメイトの提案に乗り、王都の名所巡りへと乗り出したのだった。


「では早速─────」


「「誰かもう1人、人付けてからね?」」


 もちろんファトルメイトを案内役にするのは防ぎながら。




次回!王都旅行!

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