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歩み
少年は歩いた。
あてなどあるはずもなく、この粛然とした何とも言えない切なさを紛らわせるべく、歩みをすすめていた。
どうやらこの世界は朝昼晩の変化が激しいようで、頭上を太陽や月が何度も通った。
不思議と疲れはでなかった。歩くたびに頭は冴え、視覚でとらえる様々な景色が、より鮮明に記憶されるのだった。
颯と筆をおろしたような掠れた雲が小さく尾を引いて、空のど真ん中に佇んでいる。
とっくに連なった山々は視界から消え、道は開けたが荒寥とした少年の心はいつまでたっても晴れる様子はなかった。
野趣に富んだ景色はなんともよい眺めだった。
すると、巌の詰まった広野が現れた。少年はまっすぐな目をして、先を見詰め、歩みを止める気配はなかった。




