煙霞のかかった夕映えに歪んだ表情を向ける
夜色は直に空を覆い尽くすだろう。
空に星はなく、そのかわりに小さな花が靄がかった月に照らされて、星のような輝きで野原を飾っている。

そんな佳境の淵に自分は一人、蹲っている。蕭索たる広い広い世界の中に自分はいる。そう思うと焦りを含んだ悲しさをただただ抱くばかりだった。
少年の心はあの川の瀞のように深く深く、沈んでいくばかりだった。少年の顔にはどんよりとした翳り。
少年は突然、立ち上がった。
行動に移すべきだと少年は考えた。ただ、このまま蹲っているよりはそのほうが幾分かマシだと。