少年は辺りを見回した。
縹緲と広がる大地を見た。
地を這うように根付く、聳え立つ大木を見た。
莫大な広さの蒼昊を見た。
青いインクを垂らしたような真っ青な川を見た。
だが生き物の影は見えなかった。まるで小さな庭園にでも閉じ込められているような心地だ。
薄い雲のかかった太陽は眩しい陽光を放ちながら、少し傾きかけていた。少年は草木のざわめきに耳を澄ませた。そんなことをする余裕もないはずなのだが、少年はただただ地べたに座り、耳を澄ますばかりで一切の口を噤んだ。
陰鬱そうな表情を曝して、少年は溜め息を吐いた。
少年はぼんやりと世界を眺め、心細い目をした。