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湖畔の黄金焼き


ロッジに戻ってきたみんなを迎えたのは、メグミと、テーブルの上に置かれたスピカの巨大ホタテだった。


「わあぁ! カイルさん、ハル、なにその大きな黄金の岩!?」


「メグミ殿! ルル殿たちが、とんでもないお宝を見つけてくれましたぞ! これ、全て『塩』です!」


 メグミは、カイルたちが運んできた黄金の岩塩プレートを見て、その美しさと、ほのかに漂うソルトベリーの香りに感激した。


「……すごい! これがあれば、お塩には困らないわね。……よし、この岩塩プレートで、スピカのホタテを焼きましょう!」


 メグミはさっそく、魔法で火力を安定させたコンロの上に、カイルたちが運んできた黄金の岩塩プレートを設置した。

 岩塩プレートが熱を帯びると、黄金色の光がさらに増し、ソルトベリーの爽やかな香りが漂い始める。


 メグミは、スピカが獲ってきた巨大ホタテの殻を開け、中の貝柱を丁寧に岩塩プレートの上に乗せた。さらに、その上に予備で持っていたリネン布で包んで持ってきたバターをひと欠片。


「ジュワァァァ……!!」


巨大ホタテの塩焼き濃厚なバターの香りと、岩塩プレートから滲み出るソルトベリーの塩気が、ホタテ自身の甘い香りと混ざり合い、湖畔にこれ以上ないほど官能的な香りを広げる。

岩塩プレートの遠赤外線効果で、ホタテは中までふっくらと、けれど表面は香ばしく焼き上がっていく。


メグミは、ルルとモモが摘んできた山椒の実を、すり鉢で丁寧にすりつぶし、焼きたてのホタテの上にパラリと振りかけた。


「ハル、カイルさん、召し上がれ! 新しい土地での、最高のごちそうよ!」


 ハルが大きな一口で貝柱を頬張る。

「あむっ……! んん~っ、おねえちゃん、これ、お口の中でとろけるよ! 甘くて、ピリッとして……お塩が、荒野の時よりずっと美味しい!」


新しい作業着に袖を通したカイルも、熱々のホタテに食らいつく。

「……むうう! この岩塩プレート、食材の旨味を何倍にも引き立てる! ……メグミ殿、醤油……と仰いましたな? その未知の調味料ができれば、我々の食生活は……いや、この国の食文化は革命が起きますぞ!」


ふくちゃんも、自分の体ほどもある貝柱の端っこを貰って、夢中で突っついている。


|みんなの笑顔スピカは満足げに目を細め、ルルとモモは新しい庭を駆け回り、妖精さんたちは花の周りで「美味しいね!」と歌うように舞っている。


 誰にも邪魔されない、豊かな水の恵み、黄金の塩、魔法の服、そして最高の調味料への挑戦。


青い湖を見つめ、 メグミはみんなの笑顔を見ながら今のこの幸せな瞬間を噛み締めた。

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