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私の帰る場所  作者: 常盤周
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森の中を歩いてもモンスターは襲ってこないのでサクサク歩いて途中で休憩。

お茶とおにぎり、甘いものが食べたくてシュークリームを購入。

神様に感謝してのんびり食べる。

また歩く。

やっと家に帰り着くとお風呂にお湯を張る。

ウィッグを外し着替えを持ってお風呂へ。

まだお湯はいっぱいになってないけどシャワーを浴びて髪と身体を洗う。

湯船に浸かってボーッ。


ユーグさん…

会わずに帰ってきたけど…

いいんだよね。

ユーグさんは貴族で私は平民というかこの世界の人間じゃないし…

私は囲われない為ユーグさんは責任取る為に婚約者になったんだもん。

解放されて自由になれて良かったんだよ。

そう思うのにポタポタ湯船に落ちる…涙。

なんで?

止まらない。

止められない。

今だけ泣いていいよね。

ううっ…ぅわぁぁぁ〜ん…

ひっく…ウッ…ひっく…

はぁ〜

少し落ち着いたかな。

上がろう。

水分欲しいし目も冷やさないと。

目を冷やして少しはマシになったかな?

まぁ誰も見る人いないから腫れててもいいんだけど…

はぁーーーー。

お腹空いたけど作る気も食べる気もしない。

ユーグさん…

思い出しただけでまた涙が…

いつの間にこんなに好きになってたんだろう?

自分でも不思議。

でも

ううっ今日だけ。

今日だけは泣いていいよね?

明日からは笑って過ごせるようにするから。




ここに来た時と同じようにまた1人。

川には動物達がやってくる。

動物達とも少しは仲良くなれたと思う。

言葉はわからないけど近寄っても逃げないし撫でさせてくれるようになった。

他の町に行ってみようかとも思ったけどどこにあるかわからない。

お城がある町には行きたくないし途中泊まった町も大きな町らしく人が多かったからなんだか怖い。

かと言って小さな町でも怖さを感じるから1人じゃ無理。

やっぱりここでいっかぁ。

と暇な毎日を過ごすから色んな本を買って料理をしたり編み物をしてみたり小物を作ってみたり…


気付くと森の木も枯れてきて寒い日が続きもう冬だよ。

ここも雪が降るのかなぁ。

まぁ天気の日に少し外に出たらいっかぁ。

寒いの苦手だからほんの少しだけどね。

久しぶりに朝外に出ると一面の銀世界。

うわぁ。

雪だよ。

と思ったらチラホラ雪が降ってきた。

あちゃ〜。

久しぶりの外なのにまた籠もらなきゃかなぁ。

それでももう少しだけ。

動物達はさすがにいない。

寒いから外に出たくないよねぇ。

テント大丈夫かな?

雪で潰れてなければいいけど…

レインブーツで歩いてテントに向かう。

うん。

離れた場所から見ても潰れてない。

大丈夫みたいね。よかった。

と思ったらテントの方から煙?

えっ⁈

慌ててテントに向かい回り込むと雪が溶けている。

魔法で溶かした?

剥き出しの土には

焚き火?

誰かいるの?

テントの中に?

思ってもみなかった事に怖くて身体が固まる。

ガサゴソ聞こえてきた音でハッとした。

逃げなきゃ。

冬だし薬草も採れないから人がくるとは思ってなかった。

少し外に出て戻るつもりだったからポーチも鞄も持ってない。

動物もいないし1人だし怖い。

思ったように身体が動かないけど逃げる。

カランと音がした。

見つかった⁈


「待てっ!」


いや!

捕まえられたけど


「離して!いやぁ〜!」


暴れるけどビクともしない。


「落ち着け!リリー俺だ。ユーグだ。」


えっ?

動きが止まる。

なんで?


「よかった。やっと会えた。」


そう言ってギュウと抱き締められた。


どのくらいそうしていたのだろう。




グゥ〜〜。


「すまん。朝飯を用意してテントから出たらリリーがいたから…」

「あの、離して?私もまだだから簡単でいいなら作るから待ってて。」


離してもらえたけど顔が見れない。

テントで待っててもらうように言って家に戻る。

なんで?

なんでユーグさんがここに?

ユーグさんに告白して振られた訳じゃない。

自分で吹っ切るのに時間がかかった。

完全に忘れる事はできないとわかっているけど

最近は思い出す事も少なくなったのに

吹っ切ったはずなのに声を聞いて姿を見たら

気持ちが…


す〜は〜

深呼吸して

とりあえず朝ご飯を用意してっと。


「お待たせしました。」


テントに持って行って一緒に食べる。

食後のお茶を飲んでホッ。


「リリー遅くなってすまなかった。癒しの森に辿り着けなくて試練の森で何度も引き返した。それでも諦められずに挑んでやっと2日前に癒しの森に入れた。だけどリリーがいない。探した。大声で呼んでも返事はないし。でもここがあったからリリーはまだいるんだと思った。勝手にここにいたのは悪かったがリリーに会うまで帰るつもりはなかったんだ。」

「あの…どうして?」

「うん?どうしてここにって事か?もちろんリリーに会いにきた。あの日父上に呼ばれて部屋に入ったらリリーはいなかった。そこで父上から聞いたよ。俺の気持ちが伝わっていない事。いや、俺がちゃんと言わなくて責任とるってズルい言い方をして婚約者にしたからいけないんだよな。悪かった。

改めて……リリーが好きだ。足をみた責任とかじゃない。1人の女性として好きなんだ。だから俺の婚約者でいてくれないか?」



「わた…私…貴族じゃないし、こっちの事知らない。常識がわからないし…美人じゃないよ?髪や他のことでも面倒だらけだし、それに………バジル様達は…」

「大丈夫だ。父上にはリリーに振られるまでは婚約者のままでいさせてくれって言ってるし了承してもらっている。それにリリーがわからない事は俺が教えると約束しただろう?リリーは美人というよりも可愛いぞ?俺は最初間違ってリリーに手荒な真似してしまったし殿下や兄上のように顔が良くないから嫌かも知れんが…父上達はもちろんディオン達もリリーを待っている。俺と一緒に、俺の婚約者として帰ってきてくれないか?」


嘘っ!

夢…じゃない?

口を両手で押さえる。

涙が溢れそう。


「リリー?」

「いい…の?」

「リリーがいい。リリーが好きだよ。一緒にいたいんだ。」


涙が止まらない。


「わ…たしっ、もっ、す……きぃ。」


ユーグさんがそっと抱きしめてくれる。


「リリーこれから泣く時はここで泣いてくれ。いや泣く時だけじゃなく笑う時も怒る時も。」


ここって…ユーグさんの腕の中で?

恥ずかしくなって離れようとするけど離してくれない。

逆にギュウと力を入れてくる。

悔しい〜。

チラッと見ても余裕のある笑顔で見てる。

ムッ!

手を伸ばしてユーグさんの頭を引き寄せる。

耳元で


「私の帰る場所はここなのね。ユーグさんの帰る場所もここにしてね。」


そう言ってユーグさんを抱き締めた。

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