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モザイク〜MOSAIC  作者: AKI
11/19

亀裂

ガラガラガラ・・・


まだ教室には誰もいない。皆、校庭で走ったり、球を投げたり、蹴ったり、打ったりしている。その中には、公子の姿もあった。


私『朝からテニスなんてして何が楽しいんだろう。汗なんてかいちゃってさ。』


ガラガラガラ・・・


大山『あら、白瀬さん。今日早いじゃない、どうしたの?』


私『いや、ちょっと早起きしちゃって』


嘘つきめ、臆病なだけのくせに。


大山『そう・・・でも、まだ30分くらい時間があるわよ?』


まるで、30分くらい時間を潰して来いって言われてるみたいだ。


私『じゃあ、私時間を潰して来ます。』


なんで、こんな事言ったんだろ。時間なんて自分の席で眠っていれば、無慈悲に過ぎ去ってしまうものなのに。


ガラガラガラ・・・


どうしよう。出てきたのはいいものの、時間を潰す方法がわからない。いつもならば、公子が勝手に私の時間を食べてくれるのに。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ピンポーン・・・


母『はい?』


人見『あ、色葉ちゃん居ますか?』


母『もう学校に行きましたけど、どなた?』


人見『ああ、僕、色葉ちゃんの同級生の人見って言います。』


母『・・・色葉の彼氏さん?』


人見『まあ、そんなところです。ゲフッ!?』


母『???』


人見『何すんだよ!!』


麻里『なんか下心ミエミエで、つい。』


人見『一体、お前は俺のなんなんだよ。彼氏(あいつ)はどうしたんだよ。』


麻里『お互い利害が一致してるから、これでいいの。佐村はどっかの”束縛したがり”とは違うからね。』


人見『ああ、そうかい、そうかい。じゃあ今、俺の隣で皮肉かましてるのは、”束縛したがり”の女って事か?』


麻里『私は”束縛したがり”じゃなくて”しかたなく束縛”なの。わかる?あんたみたいな危険人物を野放しにしてたら、世紀末になっちゃう。』


人見『ジャンプの読みすぎだ!!』


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


私は、なんとなく、ただテニスコートを眺めていた。時々下を向きながら。


???『1人?』


私『うわっ!?』


びっくりしたー。いきなり話かけてくんなよ・・・。


私『あ、えーっと・・・佐村くん?』


佐村『ああ、覚えてくれてたんだ。』


覚えたくて、覚えていたんじゃない。


佐村『あの娘、君の友達だろ。なんで、こんな遠くで見てるの?』


私『だって公子、私といる時より楽しそうだし・・・。邪魔しちゃ悪いなーって・・・。』


佐村『それじゃダメなんじゃないか?』


私『えっ?』


佐村はそう言って、のらりくらりと校内に入っていった。


ダメなんじゃないかって・・・そんな事わかってるよ。わかってるよ・・・。


公子が一瞬こっちを見たような気がした。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


チャイムが鳴る。


ガラガラガラ・・・


私『お、おはよう。』


公子『おはよー。』


私『怒ってる?』


公子『・・・。』


やっぱり怒ってるみたい。ん?


公子『・・・っぷ。』


私『何?』


公子『だって、神妙な顔をして、そんな事言うんだもん(笑)そっちこそ、まだ怒ってんの?』


気がつけば、いつかのように2人で笑っていた。・・・いつかと言っても、昨日のことなんだけど、若いと時間の流れが遅いらしい。


私『そうだ、今度の日曜日の夜、付き合ってよ。中央公園で弾き語りがあるんだけど、友達も連れて来てって言われちゃってさ。』


公子『・・・ご、ごめん!!』


公子は手のひらを合わせて、私にそう言う。


私『なんで?』


公子『ちょっと約束事があるの。』


私『もしかして、男?』


私は半分冗談で聞いてみた。


公子『うん。』


私『・・・えっ?冗談でしょ。』


公子『本当にごめん!!内緒にしてたの。』


先を越されてた?しかも内緒にされてた?

嘘でしょ? ねぇ!?


私『どこまでいってるの?』


公子『日曜日、初めてのお泊まり・・・。』


まだ間に合うかもしれない。私はほっとした。


私『日曜日はお泊まりだけ?』


公子『わからないよ(笑)でも頑張る。』


頑張らないでとは言えない、私がいた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


人見『お前ら、絶対に邪魔すんなよ。』


室伏『絶対って言われると・・・なぁ。』


増岡『気になるよな。』


人見『もしも、邪魔したら、お前ら、わかってるよな?』


室伏『はいはい、わかったわかった。邪魔しねぇよ。(終わるまではな・・・)』


人見『じゃあ、お前ら、今日は俺に近づくなよ。俺は真剣だからな。それじゃ。』


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


チャイムが鳴る。もう聞き飽きた。

どうしよう。公子に先を越されてたなんて。


公子『そういうことでごめん。今日、用事あるんだ。』


どういうことだよ。私は心の中で、そう呟いた。


私『結局、今日も1人で帰るのか・・・。』


ガチャ・・・


私『ただいまー。』


母『おかえり。』


あれ?なんでいるの?その言葉を発する前に何かが、私の頬をぶった。


私『痛い、何するの!?』


私をぶったのは、大嫌いな母だった。


母『男作ったでしょ。』


私『はぁ?』


男?ライターの事じゃないんだ。でも男って何?


母『今朝、汚い不良があんたを訪ねてやってきたの。今まで、あんな事なかったじゃない!?』


私は、母さんの着せ替え人形なんかじゃない。


私『誰を好きになろうたって、そんなの私の勝手じゃない!!』


母『あんたには失敗して欲しくないから、言ってるんじゃない!!』


私『私は絶対に失敗しない!!浮気して、子供作って、わがまま言って夫を追い出したりしない!!』


母『・・・美知!!』


美知が見ていた。だからどうした。


私『痛っ!!』


母『この出来損ないが!!』


私『痛いって!!』


私は何度も殴られた。顔が腫れた。血もでちゃった。雨も降ってきた。私は、傘も持たずに家を出た。

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