煙草の煙り
ぷくぷくぷく・・・ぱぁっ!!
私『シャンプー切れてるし・・・』
私には不幸の女神がついてるんだ。それは不器用な神様のせいなんだ。でも、それを止められる術はないんだ。子供は親を選んで生まれて来るって言うけれど、そんなの嘘だ。もしも子供に親を選ぶ権利があるのならば、こんな親の子供になんてなっていない・・・と思う。
ガチャ・・・。
あれ?あれ?
私『母さん!!バスタオルは!?』
母『手拭きタオルで拭いて!!』
私はこんな親を持つ。私は”手拭きタオルで体を拭いた。やっぱり私は惨めだ。でも自分の部屋を与えられている私はちょっぴり、ほんのちょっぴりだけ救われているのかも。
私は電気を消した。
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眠れない。
いくら目を閉じても夢を見る事が出来ない。
そう言えば私には夢がない。
喉が渇いた私は、台所へと向かった。時計は深夜2時。いわゆる丑三つ時だ。冷蔵庫には麦茶が入っている。私はコップでそれを飲んだ。
私『なにこれ?』
テーブルの上には煙草が置かれていた。恐らく母の物だ。ご丁寧にも、その上にはライターが置いてある。
私『煙草とライター?』
私は興味本位で煙草の箱を開けてみた。残り10本くらい入っていた。
私『・・・私の神様はやっぱり、この人生ゲームが下手なんだ。深夜にこんな物見つけちゃうなんて。』
私は大嫌いな母の煙草1本とライターを盗んで、自分の部屋へと帰った。
私はドキドキしている。大人に近づけるんだという思いと、大嫌いな母に見つからないかという思いが混ざり合ってドキドキしている。
私『熱いっ!?』
私は初めて使うライターで親指を火傷した。それさえ大人に近づくための試練だと思った。
私『・・・ゴホッ、ゴホッ。』
私は咳き込んだ。そして深いため息をついた。
私『苦い・・・。』
私は煙草1本を吸って眠りについた。
ーーーーーーーー火曜日ーーーーーーーーー
母『色葉ー!!色葉ー!!』
私は飛び起きた。
私『は、はーい!?』
いつもならば、無視している母の呼び声に応えてしまった。私は台所へと向かった。
母『あら、今日はやけに早いじゃない?』
母が嫌味を効かす。時計を見るとまだ6時台だ。
私『きょ、今日は早く登校しなくちゃいけない日だから・・・。』
なんだそれ。
母『ああ、そうなの?昨日言ってくれたら、もっと早く起こしてあげたのに。』
あっ、そう。
私は服を着替えて、家を飛び出した。




