灰色
今日も、夜が明けて我が物顔で太陽が世界を照らす。
正確には世界じゃなくて、地球半分だけど、そんな事は如何でも良い。
とにかく、今日も私の戦いが始まったのだ。
いい加減飽きてきたけど、人生まだ十五年だ。こんなところで終わらせるのも、まだ
勿体ない気がするから、大抵の事は諦めて生きている。
だって、ここで死んだりしたら昨日までの私が報われない。今日まで堪えた私を、
私自身が否定してしまうみたいで、そんなのは絶対いやだ。なにより私がそんな人間だなんて、誰にも憶えられなくない。
せめてこの荒波を越えてから、人生を終えたい。と言うか、多分それでもういっぱい
いっぱいだ。
そもそも、根性無しで右に出る人間がいないほど根性無しの私が今生きてる事自体、もう奇跡だ。でもそれは、死にたくない理由があるからこそなんだ。
朝の儀式終わり。こうやって確認しないとやっていける自信が無い。リアルに。
「悠、起きた?今日、学校よ」
ストレスの元凶。最近この声を聞くたびに、「なんで親って子供が十歳くらいになったら死んだりしないんだろう」って本気で思う。これもリアル。
十歳くらいなら、なんとか生活出来るでしょ、場所さえあれば。
どうせ生きてたって鬱陶しがられるだけなのに、良くやるよ。本当に。
「もう起きてる、ってかもう着替えた」
私は朝の儀式を終え、忌々しい制服を着た自分を鏡に映す。
これもストレスの元凶の一つだ。
そもそも、学生が制服を着なければいけない理由なんかない。
〝集団意識〟を高めるためとか言っているけど、靴や靴下揃えたところで、意識のない奴はいつもでも無いし、揃ってなくてもある奴はあると思う。似合わないと思ってる人に
とってはコンプレックスの具現化な訳だし、良い事よりも悪い事の方が目につく。
そういう時代に合った考え方出来ない大人は、馬鹿も通り越して憐れに見える。
タッタッタッタ
廊下を走り、リビングを通り過ぎる。
「ちょっと悠、朝ご飯、ちゃんと食べて行きなさい」
「いらない」
「お弁当は」
「いらない」
一歩も足を止める事無く、玄関へ進みながら答える。
私は大体、家で家族と一緒にご飯を食べるのが嫌いだ。だからいつも、少し早く家を出てコンビニで朝食を摂る。
弁当が嫌なのは、母親の恩着せがましい態度が気に入らないからだ。




