護るべき物
万屋
カランカラ-ン
「すいませ-ん」
「あれ?蒼空君」
「休みじゃなかったっけ?」
「あぁ、丁度良かった」
「火星さん、お願いがあるんです」
「ん?何?」
「今度、体育祭が九華梨高校で有るんですよ」
「それに参加して欲しくて」
「体育祭!?」
「参加、って…、何で?」
「騎馬戦です!」
「騎馬戦…」
「俺と熊谷、蔵波と火星さんの4人で1チ-ムです」
「お願いできますか?」
「…まぁ、その日は特に用事もないし」
「うん、解ったよ!」
「よっしゃ!ありがとうございます!!」
「じゃ、私も行きますよ」
「その日は非番ですし」
「あ、彩愛さんも!?」
「じゃ、俺も俺も~♪」
「鉄珠さんまで…」
カランカラ-ン
「ただいま」
「…何か話してた?」
「…」
じ-っと織鶴を見つめる4人
「織鶴、知ってるか」
「今度、蒼空君の学校で体育祭が有るらしいんだ」
「へ、へぇ」
「どうする?」
「別に任務も依頼も入ってなかったよな?」
「いや、面倒臭…」
「「「…」」」
「…行きゃ良いんでしょ」
「ありがとうございます、織鶴さん」
「…はぁ」
「何の話…?」
「あら、起きたの、楓ちゃん」
「まだ、ちょっと眠い…」
「彩愛お姉ちゃん…、だっこ…」
「はいはい」
楓を抱えあげる彩愛
それと同時に楓は彩愛の胸にうずくまり、眠りに落ちる
「何か、こう見てると姉妹みたいですね」
「私も、こんな可愛らしい妹が欲しいですよ」
「それにしても、彩愛に抱き抱えられたらすぐに寝たなぁ」
「無い胸にうずくまってな!」
ゴスッ
「 」
「鉄珠さん、今のは貴方が悪いですよ…」
「そう言えば、雨雲さんと鎖基さんは?」
「今回の任務のために情報集めよ」
「暫くすれば帰ってくるだろうし、心配ないわ」
「…もしかしてなんですけど」
「彼等が泊まる場所って…」
「ここよ」
「だから火星と鉄珠には何処かに泊まって貰うわ」
「ちょ!?聞いてないぞ!!」
「今、言ったんだから当たり前でしょ」
「寝床は各自自己調達ね」
「「えぇ…」」
「…俺の家、来ます?」
「頼むよ…、蒼空君」
アパ-ト
蒼空の部屋
「久々の夜ですね」
「今回は鎖基の代わりに鉄珠だけどなぁ」
「オッス!」
「ビ-ル、持ってきましょうか」
「蒼空ぁ~?未成年の癖にビ-ルか!!」
「この前、鎖基さんが買ってきたのが大量に余ってまして」
「飲みます?」
「おぉ!貰う貰う!!」
「それと、大屋さんからキュウリを貰いまして」
「まず、お湯でサッと茹でて薄切りに」
「そして少し堅くなる程度に冷凍」
「そして塩かマヨネ-ズ、もしくは両方を付ける」
「特性キュウリおつまみの完成です」
「「おぉ!!」」
「そう言えば、蒼空君って料理上手だよね」
「一人暮らしですしね」
「自分で作った方が安上がりですから」
「ふむふむ」
「いや、しかし…」
「キュウリ美味ぇ」
ボリボリボリ
「美味ぇな!」
ボリボリボリ
「凄い勢いで食ってますね…」
万屋
「彩愛と貴様には世話になり続けだな」
「借りは返して貰うわよ」
「…あぁ」
「鎖基は?」
「暫く情報を集めて貰っている」
「そう」
「靜かで助かるわ」
「…そうだな」
「さて、仕事の話だ」
「貴様にNo,2抹殺命令が下ったのは本当か」
「本当よ」
「…俺も布瀬川に知らされた」
「ある女の情報を調べていたら、な」
「…ある女?」
「先日、デルタロスの一員、來須 葉羽を軍が発見」
「戦闘態勢に入り、來須を瀕死状態まで追い詰めた」
「だが…、軍の戦闘員が急に他の戦闘員を射殺」
「後に狂乱し自らも射殺したそうだ」
「來須の能力かしら?」
「いや、違う」
「他人の精神を乗っ取る能力者だ」
「かなり高レベルな、な」
「…居たわね、そんな奴」
「あぁ、居る」
「軍最強能力者集団No,2直属部下」
「絵道 心音」
「精神系能力者でもかなりの高等技術者だ」
「彼女が噛んでいると?」
「辻褄は合う」
「デルタロスが利用されているのなら、彼女が噛んでいればこれ以上と無い証拠だ」
「無論、奴等の無実も…」
「無駄よ」
「…」
「確かに利用されてるだけかも知れない」
「だけど、軍に不利益な情報を知ってしまった」
「問答無用でしょうね」
「…残念だ」
「アンタは敵に冷酷なのは結構だけどね」
「味方には優しすぎるのよ」
「…間違っているのか」
「間違いであって正解よ」
「アンタの過去からすれば仕方ない事だけどね」
「もう、仲間を見捨てるなどしたくはない」
「だが…、今回はその[仲間]を殺す命令だ」
「残酷な物だな、運命とは」
「…変な気だけは起こさない事ね」
「昔と違って、今のアンタには護るべき物が有る」
「そうでしょ?」
「…あぁ」
「私達は同族殺しだろうが何だろうが、依頼を遂行しなきゃ行けない」
「軍から抜け、自由になった代償とでも言うのかしらね」
「貴様も戸惑う事は有るだろう」
「同族殺しには」
「…さぁ?どうかしら」
「貴様がNo,4を止めた理由についても聞きたい物だがな」
ガァアアアアンッッ!!!
粉砕される机
織鶴の表情は怒りで満たされる
「それ以上言ってみろ」
「ぶち殺すぞ、テメェ」
「…人には触れられたくない過去も有ると言う事だ」
「無論、貴様にも、俺にも」
「…無駄話が過ぎた、って事で良いかしら」
「そうしてくれると有り難いな」
「何の音ぉ~…?」
「あら、楓ちゃん」
「起こしてしまったか」
「何でも無い」
「そう…?」
「あぁ、早く寝ろ」
「明日は彩愛と買い物に行くんだろう?」
「うん…♪」
「…有るでしょう」
「護るべき物」
「…あぁ」
路地裏
「うむ、差ほどと言って情報が集まらん!!」
「暇だッッ!!!」
「ちょっと、そこのお兄さん」
「何だ!?」
「こんな夜中に何してんの」
「うるさいし、近所迷惑でしょ」
「そうか!!それはすまない!!!」
「…うるさいって」
「うむ!!すまない!!!」
「いい加減、しょっ引くよ?」
「すまないと言っている!!!!」
「…あ-、もしもし?本部?」
「路地裏で叫ぶ男性を発見」
「酔っている可能性も有るので、署で保護したいんだけど」
『了解』
「じゃ、そう言う事だから」
「大人しく着いてきてね」
「む!?何故だ!!」
「いや、うるさいし」
「静かにしてるではない!!」
「いや、ねぇ…」
「…アレって」
「じゃ、行こうか」
「何をする!?離せ!!」
「すいませ-…ん」
「誰ですか?貴方」
「コイツの知り合いでして…」
「酔いやすいんですよ…、コイツ」
「そ、そうですか?」
「はい…」
「連れて帰りますから…」
「…では、お願いします」
「ご迷惑をおかけしました…」
「助かったぞ!馬常!!」
「うん…、静かにしてね」
「危なかったな!!」
「…無駄だね、これ」
「で、何してたの」
「情報集めだ!!!」
「詳しくは言えないがな!!!」
「そ、そう…」
「雨雲は…?」
「万屋に居るだろう!!!」
「…そう」
「君は…?今晩はどうするの…」
「うむ!寝床がないな!!!」
「蒼空の家の場所も忘れてしまった!!!」
「…じゃ、ウチに来る?」
「良いのか!?」
「森草ちゃんがOkしてくれたらだけど…」
「まぁ…、あの子なら心配ないよ…」
「それは助かるぞ!!!」
「少し静かにしてくれたら、なお良しなんだけどね…」
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