表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
秋鋼  作者: MTL2
44/600

理由

カランカラ-ン


「ただいま~!」


「ただいま戻りました」



「火星さぁああああああん!!!」


「原型を留めていないな」

「本当に死んだんじゃないか」


「大丈夫だ!!!」

「気合いで大丈夫だ!!!」


「私の服が…」



「ねぇ、彩愛お姉ちゃん」


「…何ですか」


「何?この状況」


「私にも解りません…」






「コレで大丈夫だよ!」


「ありがとう、楓ちゃん」


「ううん!どういたしまして!!」


「序でに後ろの織鶴(鬼神)もどうにかしてくれると嬉しいな!!」


「それは無理だよ」



「楓が世話になったな!!!」


「別に構わないですよ」

「て言うかうるさいので静かにしてください」


「そうか!解ったぞ!!」


「静かにしろって言ってるんですけど」



「鉄珠は居ないのか」


「はい、委員ちょ…、俺の友人を送ってまして」


「そうか」

「そう言えば、貴様ロンドンに行っていたそうだな」


「行ってきましたけど…」


「五眼衆はどうだった?」


「その事なんだけど、本部から連絡が来てるのよ」

「アンタ達も見る?」


「是非、だ」

「その前に返り血を洗ったらどうだ?」


「そうね、洗ってくるわ」



カランカラ-ン


「ただいまだぜ-!」


「お帰りりなさい、鉄珠さん」


「お!雨雲達じゃん!!」

「久しぶり-!!」


「久しぶりだ」


「おう!久しぶりだな!!」


「お久しぶりだよ!」


「相変わらず可愛いなぁ~!楓ちゃんは!!」


「えへへ!ありがと!鉄珠さん!!」


「楓…?」

「この子が楓ちゃんですか!?」


「そうだよ!」


桃色の綺麗な髪の毛

見た目からして小学生くらいだろうか

喋る度に微笑まれる笑顔

まるで、天使の様である


「お、俺のために来て貰ったのに、申し訳ない…」


「ううん!彩愛お姉ちゃんとデパ-トにも行けたし、皆に会えたから良いよ!!」


「あ、ありがとう!」


清純ッ!!!

何と清純なんだ…


能力発動して従業員を肉塊(火星)に変える人とは!

口うるさくてマジで強い同級生とは!!

超毒舌な人とは違う!!!


「清純だね」


「ふぇっ!?」


「おぉ、口説きに掛かった!!!」


「え?」


「そんな小さな子に手を出すとは…」

「そんな趣味だったんですね、蒼空君は」


「え?いや、え?」


「無意識で言ったのか!?」


「?」


「「「「…うわぁ」」」」


「え…」






「…混沌のファグナ?」


「そう、本名はファグナロック・アルデ-テ」

「アメリカ支部の元研究員ね」


「軍の人間だったのか?」


「そうよ」

「アメリカ支部でも、そこそこの業績は上げてたみたいね」


「どうしてその人は軍を?」


「それなのよね」

「軍を裏切る理由が解らないわ」


「己の実験を軍では充分に発揮できないと悟って、か?」

「科学者なら有り得ない話ではないだろう」


「それもないわね」

「少なくとも奴は軍の施設や境遇に満足していたそうよ」


「…では、何だ?」

「軍関係者ならば裏切った者の末路は知っているはずだろう?」


「…何でだと思う?」


「「「「「…」」」」」


「…五眼衆」


「何だって?波斗」


「ゼロさんに聞いたんです」

「五眼衆の人達が軍を裏切った理由を」


「…詳しく話して」





「…能力者狩り、ね」


「古い話だな」


「えぇ…、そうね」


「…織鶴さん、雨雲さん」


「何かしら?」


「聞いて良いですか」


「別に構わないけど、何を?」


「貴方達は能力者狩りに参加しましたか?」


ピリリと空気が張り詰める

今までにないほどの真剣な波斗の視線

織鶴と雨雲の表情も張り詰める


「…いえ、秋鋼とユグドラシルは参加してないわ」

「あの時、私達は任務を断った」


「裏の仕事が持ちかけられたからな」


「…そうですか」

「ありがとうございます」


「良いわよ」

「貴方の両親の事も知ってるしね」


「…はい」


「両親…?」

「この者の両親も隻眼に、か?」


「そうよ」

「アンタと同じくね」


「雨雲さん達も…?」


「…あぁ」

「詳しくは話せないが」


「そうですよね…」


「…そう言えばさ」


「何だ?鉄珠」


「そのファグナってさ、能力は持ってるのか?」


「研究員なのだから持ってないだろう」


「能力を使ったんだよ、ソイツ」


「能力を?」

「見間違いではないのか?」


「いや、確かに…」


「ファグナが研究していたのは人工能力についてよ」


「人工能力?」


「能力を人工的に発動させるってね」

「実験は失敗に終わったと聞いてるけど…」


「裏ではどうだったか解りませんね」


「確かにその通りだ」

「今回の一件でも解る様に、軍には裏が有るのだろう」

「…鉄珠、ファグナの能力は?」


「五属性を操ってたんだよ」

「火、水、風、地、雷…」

「属性能力者でも無理だろ?」


「当たり前だ」

「複数操る能力者など見た事も聞いた事もない」

「よく倒せたな?」


「戦闘センスは空っきしだったからな」

「そんなに難しくは…」


「それよりも!」

「今回の五眼衆事件、どうしてファグナが五眼衆に着いたというのが問題よ」


「普通に考えれば利害の一致、か」


「利害?」

「何が有るのよ」


「…むぅ」


「軍に勝てるなんて思ってなかっただろうし、あくまで復讐が目的何じゃないのかしら」

「自己満足のね」


「ファグナも自己満足だった、と?」

「研究者が何の自己満足を得るというのだ」


「…」


「…」


「…まぁ、追々調べるしかないわね」


「そうだな…」


「今日はゆっくりして行きなさいよ」

「仕事も無いんでしょ?」


「あぁ、そうさせて貰おう」

「宿を決めかねていた所だ」


「…んぁ?話は終わったのか!?」


「寝てたの?アンタ」


「うむ!難しい話は解らんからな!!!」


「…」


「…そう言えば」


「どうしたの?」


「火星はどうしたんです?」


「「「…忘れてた」」」






読んでいただきありがとうございました

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ