接触
現在、応接室
「そんな事が…」
「アイツは義理だとか信念だとかを重視するからなぁ…」
「凄い人ですね」
「敵との約束を守るなんて…」
「アイツにとっては敵も味方も関係ない」
「自分が認めるか認めないか、ただそれだけなんだよね~」
「何て人だ…」
「よくそれでNo,3になれましたよね…」
「まぁ、任務成績と能力研究業績は上げてるから」
ガチャッ
「お、お待たせしました」
「こ、航空機の用意ができました」
「ありがとね♪」
「…」
「ん?」
じっと森草を見詰めるクロル
「どうしたの?」
ボイ-ン
「…」
ペタペタ
「…う、うぅ」
「!?」
「委員長…、泣かせた」
「そりゃ-駄目だねぇ」
「え、えぇ!?」
「どうしたの!?」
「お…」
「お?」
「おっぱい…」
「…ッ!!」
「大きいからね、委員長」
「小さいからね、クロルちゃん」
「うぇぇ…」
「待っててね」
「女子の敵を消すから」
「「え?」」
「何をしているのですか」
「もう航空機は準備できているのです…」
「…何をしているのですか?」
「ちょっと始末を」
「何故、Mr,テツダマと蒼空 波斗は気絶しているのです?」
「こ、この人達が悪いから…」
「?」
空港
「今回の任務、お疲れ様です」
「私達、ロンドン支部の…」
「あ-あ-!長ったらしい挨拶は良いから!」
「キスでお別れ…」
「死んでくださいです」
「む、無理です…」
「 」
「ベルアさんもクロルちゃんもお元気で」
「はい」
「蒼空さんも日本ではお元気で」
「さ、さようなら!」
「また会おうね」
「はいです」
「は、はい!」
「…」
「森草 蜜柑」
「貴女も今は敵ではありません」
「また会いましょう」
「ま、また会おうね!」
「は、はい!」
「また会いましょう!!」
ベルアとクロルに見送られ、航空機に乗る3人
「いい人達ね」
「うん」
「蒼空はあの金髪の娘と1晩の過ちを犯しかけたけどねぇ」
「え?」
「え」
「僚艦から聞いたけど?」
「蒼空…」
「ち、違う!!!」
「誤解だ!委員長!!!」
「…最低ね」
「最低だな」
「違ぁあ------う!!」
「…行っちゃいましたですね」
「う、うん…」
「だ、大丈夫なの?」
「何がです?」
「あ、蒼空君、居なくなっちゃったけど…」
「それがどうしたのですか」
「す、好きじゃなかったの?」
「だだだだだっっだだ!誰があんな!!!」
「クロルだって!Mr,テツダマに助けられて「格好良かったな…」って言ってたじゃないですか!!」
「あ、アレは…!!」
「言っちまえですよ~」
「このこの~」
「た、確かに助けて貰ったけど…」
「ひ、人としてどうかと思うの…」
「それは同感ですね」
「う、うん」
廃墟
「ありゃ-、コリャ酷いね」
瓦礫をコンッと蹴り飛ばす男
「何をしている」
「見物♪」
「…何故だ?」
「必要性が感じられないが」
「いやいや~!世紀の対決だからね!!」
「眼福眼福♪」
「…何が眼福だ」
「目的は何だ?答えろ」
「別に?」
「お前と3人目が戦うって言うから見に来ただけだよ」
「忘れたのか」
「貴様は最上級指名手配犯だぞ」
「気にしてないから大丈夫!」
「お前と戦いに来たワケでもないし♪」
「貴様がそうでも俺はそう言うワケにはいかない」
「戦わなければならない」
「へいへい、面倒だね!No,1様は!!」
「黙れ」
「最上級指名手配犯、祭峰 悠拉」
「おいおい!そんな言い方するなよ」
「昔はよく遊んだだろ?」
「3人目と一緒にさ!」
「昔の話だ」
「残りの奴等は大抵、お前が殺しちまったけどな!」
ゲラゲラと腹を抱えて笑う祭峰
「…黙れ」
「雅堂も居なくなっちまったし、残りは俺もお前も含めて5人!」
「随分、減ったな!!」
「黙れ!!」
「怒鳴るなよ」
「事実だろう?」
「…ッ!!」
No,1の掌に黒球が収縮されていく
蒼空に致命的なダメ-ジを与えたブラックホ-ルのエネルギ-弾である
「おぉ!初っ端から本気か!!」
「怖いねぇ」
「その口から…!!」
「潰すッッッッッッ!!!」
「へぇ、言うようになったじゃないか」
「糞餓鬼」
祭峰は般若の面を被る
ゴッッッッ!!!
鈍い音と共にコンクリ-トにめり込むNo,1
「がっ…!!」
「3人目との戦闘の後じゃ、ロクに能力も使えないだろ?」
「無謀だな」
「黙…れ…!!」
「威勢は良いねぇ」
ギリギリとNo,1の頭を押さえつけ、序々にコンクリ-トにめり込ませていく
「っと!今回は戦いに来たんじゃないんだった!!」
ぱっと手を離し、仮面を脱ぎ捨てる祭峰
「お前、アイツと戦ったんだって?」
「どうだった、俺達の弟分は」
「ぐ…」
「こ~た~え~ろ~よ~」
祭峰はツンツンとNo,1の額を突き、ゲラゲラと笑い転げる
「貴様に答える必要性は無い…!!」
「あっそ」
「仕方ないかなぁ」
詰まらなさそうに仮面を拾い上げ、大きく欠伸をする
「じゃ、帰るかね」
「また機会が有ったら会おうぜ~」
「待て…!!」
「何だ?」
「何故…!」
「何故、奴に接触した…!?」
「別にぃ~?」
「気分、かな」
「貴様ッ…!!」
「ま、お前は休んでな」
「じゃぁな-」
ゲラゲラと笑いながら廃墟を去っていく祭峰
「糞が…」
小さく呟き、ごろりと転がるNo,1
天井を見つめ、小さく呟く
「5人目…」
読んでいただきありがとうございました