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秋鋼  作者: MTL2
33/600

女子寮

ロンドン支部


女子寮


「ここに、その野獣(の様な男)が?」


「は、はいです…」


「行きましょう、鉄珠さん」


「おうよ」


ゴキゴキと拳をならす2人の男


否、2人のおとこ


「ベルアさん達には恩は返しますよ」

「覚悟してろ、野獣(の様な男)」


「野獣(の様な男)風情が…」

「俺の愛する美女達を襲いやがって…」

「挽肉にしてくれるっ!!」


「あ、あの…」


「行きましょう」


「おう」



庭園


「ここですね…?」


「ここによく居ますですが…」

「あの、野獣(の様な男)というのはですね…」


その時

ガサガサと草木が揺れる


「何だ!?」


「こっちだろ!急ごうぜ!!」


「は、はい!!」


ダダダ…


「…行ってしまったのです」


「だ、大丈夫でしょうか」


「さぁ…」

「あの人にさえ見つからなければ大丈夫と思うのですが…」



花壇


「何処でしょうか…」


「その辺りにいるだろ?」

「即刻、挽肉にしてハンバ-グだな」

「その野獣(の様な男)をブッ殺してやる」


「毎日毎日、あの2人に夜這いを掛け…」

「肉を貢がせる極悪人!!」

「俺は許しませんよ!!」


「俺もだ」

「許すと思うなよ…」


「…そこの2人」


「はい?」


「何をしているのですか」


きらりと輝くメガネ

三つ編みの紫髪とメイド服

背中に携えた長いモップ

慎重は180㎝程度でかなりの高身長である


「…誰?」


「何をしているのですか、と聞いているのです」


「や、野獣を捜してるんですが…」


「野獣?この子の事ですか?」


その女性の背後から出てくる小動物


「猫?」


「虎です」


「虎ぁ!?」


「好物は肉です」

「肉しか食べません」


「…もしかして、野獣と言うのは」


「この子の事を皆は野獣と呼びます」

「可愛らしいのに」


「ガゥ」


「そ、そうだったんだ…」

「…夜な夜な襲われるって言うのは?」


「この子は人の顔を舐める癖が有ります」

「それではないでしょうか」


「…無駄足でしたね」


「そうだね…」

「帰ろうか」


「はい…」


「お待ちなさい」


「え?」


「誰です?貴方達は」

「ここは男禁制の女子寮」

「男は排除するのが掟です」


「…って事は?」


「始末でしょうね」


「えぇ!?」


女性の携えたモップがまるで重火器の様な刀剣の様な風貌にさえ見える


「大人しく…」


「りょ、僚艦!!」

「僚艦!!」


「…む?クロムとベルアではありませんか」

「どうしたのです?」


「彼等はウェルタ支部長から連絡が有った日本からの使者です!!」


「そうでしたか…」

「コレは失礼を」


ペコリと頭を下げる僚艦と呼ばれる女性


「い、いえ」


「それはそうと…」

「ここは男禁制だとキツく言っておいたはずです」

「クロルゥラ・カ-ラル、ベルア・ジャスミン」

「貴女達が彼等を引き入れたのですね?」


「え?それは…」


「お、俺達が無理にお願いして入ってきたんです!!」

「そうですよね!?鉄珠さん!!」


「え?そうだっ…」


「…オイ」


「そうだぜ!無理矢理、入ってきた!!」


「…まぁ、良いでしょう」

「しかし、それを止めなかった非は有ります」

「処罰は後々考えるとしまして…」

「…貴方達、任務は明日でしたね?」


「はい」


「寝泊まりの場所は確保しているんですか?」


「いえ、まだ…」

「ホテルかロンドン支部かを借していただこうかと思ったんですけど」


「ロンドン支部の汚さはウェルタ支部長の雑把さで激しいですからね」

「ホテルでは費用が掛かるでしょう」

「ここに泊まってはいかがです?」


「えぇ!?」

「男禁制じゃ…」


「この2人には良い処罰でしょう?」

「今日1日、この2人を部屋に泊めなさい」


「「は、はい」です…」


「物解りが良ろしい」


「ですが、僚艦」


「何です?ベルア」


「Mr,テツダマは…、ちょっとです」


「わ、私も…」


「Mr,テツダマ?」

「あぁ、あの女たらしの」


「お、女の敵です!!」


「酷い言われ様ですね」


「だねぇ」


「事実ですが」


「…」


「Mr,テツダマには別の部屋を与えます」

「個室ですよ」


「嬉しくない!女の子と同じ部屋が良い!!」


「私とでも良いのですよ?」


「え!?良いのか!!」


「Mr,テツダマ!!」


「どうしたんだ?ベルアちゃん」


「僚艦は…」


「おっと、それ以上は駄目ですよ?」


「ッ…!!」


「で、どうするのです?Mr,テツダマ」

「私の部屋に泊まりますか?」


「喜んで!!」


「決まりですね」

「しかし、それだとクロルとベルア、2人の内どちらかが処罰を受けないですね…」

「…そうですね」


虎を拾い上げ、ぽんをクロルの頭に乗せる


「1週間」


「は、はい?」


「1週間、この子の世話をしなさい」

「貴方はそれが罰です」


「そ、そんなぁ…」

「だ、だってこの子…、顔ペロペロしてくるし…」


「処罰です」

「それとも…、食事当番とトイレ掃除当番を1ヶ月の方が良いですか?」


「う、うぅ…」


「…と、言う事はですね」

「私は…」


「そうです」

「彼を部屋に泊めなさい」


「解りました」

(見た所、別に何の害も無い様ですし)

(当たりくじを引きましたね!)


(は、はずれくじ…)


「食事は一緒に取る様に」

「お風呂は共有して使ってください」

「あぁ、ベットも1つしか有りませんがお気になさらず」

「これで処罰を決定です」


(わ、私が当たりくじだった…)


(はずれくじですかぁあああああああ!!)


「では、私は掃除が残ってますので」

「皆さんは7時までに戻ってくればそれで良いですよ」


「「「…はい」」」


「僚艦さ~ん!俺も手伝いますよ♪」


「助かります」


「ガウッ!!」


「ひ、引っ張らないで!」


「ガウガウッ!!」


「では」


鉄珠と共に花壇の奥に進んでいく僚艦

虎に引っ張られ、庭園へと戻っていくクロル


「…私達も、支度をするのです」

「荷物を運ぶです」


「…」


「…蒼空 波斗?」


「どうしてこうなったんだ…」


読んでいただきありがとうございました

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