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秋鋼  作者: MTL2
29/600

ロンドンへ

軍本部


1F受付


「お帰りなさい、白月さん」


「ただいまです」

「更新手続きがまだなので、お願いします」


「はい、了解しました」


「…」


「蒼空さん、少しお待ちを」


「は、はい…」



どうしてこうなった?

マズいマズい!非常にマズい!!

もしも、No,1と戦って負傷させたのがバレてたら?

軍に対する裏切り行為と見られたら?


即抹殺


その場で頭とか撃ち抜かれる!?

ちょっと待て!!

待て待て待て待て!!!


ぽつりと波斗の額から汗が流れる

勿論、冷や汗であり首筋と額はビショビショになっている


死ぬのか!?

そりゃ今まで色んな所で死にかけたけど!!

死刑台の前に立たされてる気分だよ!!


「…さん?」


あ-!もう今から首に縄を掛けられるのか!?

足下がガクンッって下がって!!

首を吊されるのか!?


「蒼空さん?」


いや、結果は変わらないか…

今更パニックになっても仕方ない…

もう覚悟を決めるしか…


「蒼空さん」


「え?」


「先刻から呼んでますよ」

「早く行きましょう」


「はい…」



45F総督室


(あぁ…、死刑台への扉が…)


ガチャッ


「総督、蒼空 波斗を連れてきました」


「ご苦労様」

「座って!蒼空君」


「はい…」


「そんなに畏まらなく立って良いわよ?」

「今日はね、ちょっとしたお願いが有ってね」


(死んでくれと言うお願いなのか…?)


「ロンドンに行かないかしら?」


「はい?」


「ロンドン」


「ロンドン?」

「何で…」


「ロンドンにね、任務で」

「能力コントロ-ル出来る様になったんだから、1人で仕事出来るでしょ?」


「急ですね…」

「でも、俺学校が…」


「学校は別に休んでOKよ?」

「教育委員会の方に手回しするから」


「流石と言いますか…」

「しかし、何で俺が能力コントロ-ルが出来る様になったのを…」


「いや、織鶴が奇怪神の所に行かせるって言ってたし」


「あ、際ですか…」

「でも、どうしてロンドンなんですか?」

「任務なら近場でも…」


「それがね、ロンドンに資料を取りに行って欲しいの」

「誰か付き人として付ける?別に構わないけど」


「付き人って言うか、俺がお願いしたいです…」


「秋鋼からのメンバ-が良いでしょ」

「…鉄珠ぐらい居れば安心かしら」


「鉄珠さんですか?」


「あまり仕事でも関係性無いでしょ?」

「親睦を深めるって感じで♪」


「は、はぁ…」


「じゃ、帰ったら言っといてね」

「レッツロンドン!」


「…あの?」


「何?」

「詳しい任務内容だったら資料届けるけど?」

「行くのは明日で良いから」


「は、はい」

「解りました…」

(良かった…、言われなかっ)


「あ!それと」

「No,1の件についてなんだけどね?」


「ッ!!」


「コレが重要だったんだけど忘れてたわ」

「…何か弁解は?」


「…何も」


「残念ながら、貴方が庇った子は逃がしたわ」

「彼女が五眼衆のメンバ-なのか、それとも一般人なのか」

「どっち?」


「…」


「どちらにしても殺す必要性の有った子を逃がしたのに間違いはないわ」

「軍の規則、覚えてるわよね?」


「…殺しますか、俺を」


「殺すわよ?」

「今回の依頼を断ったら」


「え…?」


「受ける?受けない?」


「…受けます」


「はい、OK」

「じゃ今回の事は帳消しね」


「あ、ありがとうございます…」


「別に良いわよ?」

「それじゃ帰って支度してね」

「詳細資料は後日届けるから」


「は、はい…」


バタンッ


「…何故です?」

「軍の名誉を全て消しかねない行動を許すとは」


「貴女は知らなくて良いのよ?白月」


「…ご無礼を」


「別に構わないわ」


「No,1が後日、ロンドンに向かいますが…」

「鉢合わせになる危険性が」


「だからこそ、なのよね」

「憤怒の雅堂がロンドンで目撃されてるのよ」


「…そういう事ですか」

「五眼衆の連中をロンドンで殲滅する気ですね?」


「まぁ、そうね」


「では、No,1に与えた情報は…」


「天之川の情報は嘘♪」

「あの子もまだまだ子供ねぇ」


クスクスと笑う総督


「…ウェルタに連絡して頂戴」

「今回の一件に手出しは許さない、と」


「承知しました」



「今回のダイス、マス目は4つ」

「どう出るか見物ね…♪」



万屋


「帰りました…」


「お帰り」

「修繕、まだなんだけどね」

「実は材料を買いに…」


「あの…、ロンドンに行く事になりまして…」


「え?」

「誰と?」

「いつ?」


「たっだいま-!」

「逃げられちまったぜ!!」

「まぁ、しっかり顔とかは覚えたけどな!!」


「今、この人と」


「「え?」」


「実は…」








「そういう事か」


「お咎め無しとかラッキ-だな!」


「ラッキ-と言いますか…」

「早速、ロンドン旅行に行く事に…」


「ロンドン!?」

「良いね!俺、ロンドン大好きだぜ!!」

「行った事、無いけど」


「無いんですか…」

「総督から鉄珠さんと行く様に、と」

「詳細資料は後日…」


ガタンッ


カランカラ-ン


「宅配便で-す」

「詳細資料ですね!ハンコをお願いしま-す!!」


「「「…流石、総督」」」


読んでいただきありがとうございました

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