第一章 挨拶、緊張しますわね・・!④
真ん中にある・を区切りとし、二人の物語が同時進行していきます。
左が木々樹紗季視点、右が香織瑞奈視点となります。
読み仮名:木々樹紗季、きぎきさき 香織瑞奈、かおりみずな
踏馬、とうま 金木花、キンモッカ:キンモクハナ
にこにこと返す紗季、 ・「ですが・・」
「へー、つーことは、香織のおじさんは・ 急き込み、駄々をこねる瑞奈を引き寄
願ったり叶ったりのせがれだな。」 ・せ、丸めて、胸で抱き込む踏馬、
たまげる建築、 ・(お父様も金木花の・・良い香りですわ
「よくわかってるじゃねーか紗季!」 ・、それと力が少しあいてててですわ。)
へへんと誇らしげに、 ・「どんなに良い子でも、初めてのことを
「香織のおじさんの持ち味はなんていっ・完璧にはやり遂げられないんだ。失敗も
てもあまたの経営戦略だ。先代から継い・するし・・恥もかく。」
だ小さな香水店をあの手この手で大発展・「・・・。」
させるセンスの持ち主。」 ・ 父の胸の中で押し黙る瑞奈、
建築はうむと頷き、付け足す、 ・「けれど、瑞奈は一人じゃない。私と礼
「今では、香水に使う様々な花の栽培、・華がいる。恥をさらそうが面を汚そうが
残ったもんを俺ら品評会の連中に回し、・、私たち三人で拭い去ればいい。」
共同で製品を開発するなどなど、それか・ 礼華は二人の隙間を少しかき分け、
ら、最近だと種と一緒に育て方のノウハ・「そうですお嬢様、一人で抱え込まない
ウを売るとかもしてるな。」 ・でください。かく言う主様も、初めての
「でも・・華がないんだよな、親父。」・品評会では頭真っ白、十分間無言で終わ
うむうむと頷く建築に、しみじみ語る・ったという伝説をお創りした人物なのだ
紗季、 ・から。」
「最近は香水の香りも多少よくなっちゃ・「礼華・・。」「礼華・・!」
いるが、昔のはまあーひどかった、何配・(お父様にもそのような過去が・・!ふ
合したか知らねーけど、嗅いだ瞬間しん・だんから、ちらりーっとぽかしているお
みりした猫の顔がよぎったもんだぜ。」・姿をときたま垣間見ていましたが、そこ
建築はにやけ、 ・まであんぽんたんだったのですか。少し
「まさに、鼻がないってか。」 ・気が楽になりました。が、ですが、挨拶
「冷やかすなよ親父。」 ・もまともにできそうもないわたくし・・
ガハハと笑う建築に風をお見舞いし、・。このままでは、お父様や礼華の後ろで
「冷やかすなよ親父。」 ・ただただ震えて、おミルクを待ちあぐむ
「ちっこかった香水店を大きくしたのは・ばかりの小鹿ですわ・・。)
すげーけど、香織のおじさんだけじゃじ・ いつのまにか礼華にほほをつねられて
きに手詰まり起こしてただろうな。」 ・いた踏馬に、勇気を出してお願いをする
「きっと神様からの施しだろうな。ポカ・瑞奈。
ドジマヌケなくせに、必死で香織の名を・「お父様、私、どうすれば良いのでしょ
守ろうともがいてよ。神様もさすがにこ・うか?なにか、なにか品評会のお役に立
れ以上は見てらんなくなったんだろ。」・つこと、ささいな事でも構いません、お
紗季は慎ましい声に驚き手を弱める、・手伝い、したいですわ。」
「よし、館に着いたら、紗季は瑞奈ちゃ・ 瑞奈の覚悟の駄々に微笑む踏馬。
んに風情のあれこれを聞いてこい。」 ・ 礼華の指を頬からつまみ離し、ネクタ
「親父はどうするんだよ?」 ・イを整え、真剣に、
「そのあいだ、踏馬に子育てのハウツー・「そうだな、礼華とともに館の真ん中に
をじっくり聞いておく。」 ・ある一番大きな花壇に、庭に小分けして
そう言って、にやけ始めた父の言葉の・運んである金木花を植え付けて欲しい。
意味を汲み取り、 ・これは重大なお仕事だ瑞奈。金木花が生
「カエルの親もカエルだバカ親父!」 ・き生きするよう、飾り付けて欲しい。」
紗季は全開で憎らしい角度の口にイチ・ 瑞奈は満開の笑顔で、
ョウを叩きつけ、車に戻った。 ・「はい、お父様、お任せください!」
ここまでお読みいただきありがとうございました!!
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