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019 減らない作業リストは金の山

どーも!実力派パフェっ娘のカンナっす!


今日は王都に来て2日目。めぼしい候補のところはだいたい回ったし、今日は変化球を狙っていくっす!


「裏通りに来るパフェっ娘はあんまりいないっすけど、こういう所にいいご主人さまがいるってこともあるっす!」


めちゃくちゃ儲けてるプレイヤーがこのあたりに住んでいるって、噂で聞いたんすけどねぇ……


「金金金金金金金金金金金金金金金金金金金」


なんか建物の中からやべぇ声が聞こえてくるっす……


音の聞こえてくる建物を覗いてみるっす!


「金金金金金金金金金金金金金金金金金金金」


なんか、なにもない斜め上あたりを見ながら目を血走らせて、指を空中でパタパタ動かしてるヤバイやつがいるっす……


「金金金金金金金、しゃあ!これで300万G完成!!!ってレーヤお前!関係ない分析してる暇あったら納品物作れやあああ!!!」


「いや、これは将来への投資っていうか……ほら労働基準法にも1時間の休憩を取ることって書いてあるし……」


「社長にそんなルールは適用されませーん!!!ほら手を動かせ!!!」


建物の中で男が金髪の娘に蹴飛ばされている。


「ひえぇぇぇ……」


ヤバいやつは1人じゃなかったっす。奥の男もやばいっす!こいつも何もない壁に身体を向けて、鼻歌歌いながら視線を左右に走らせてるっす!


一体何をやってるんすか……?


「金金金金金金金金金金金金金金金金金金金……」


金髪の娘はずっと金金言ってるし……


「さ、さすがにここはやめとくっすかねぇ……」


実力派パフェっ娘は見切りをつけるのも早いっす!噂なんかこんなもんっすよ!


「切り替えて次のご主人さまを探しに行くっすよ!」


ーーーーーーーーーー


「マジで終わりが見えないって……何社分あるんだよぉ……」


俺は自分の目の前に広げている作業管理シートを見て絶望する。


どこまでも続く顧客の要望リスト。サーヤに営業を任せてから数日、彼女によって膨大な数の顧客が追記され続け、俺はとてつもない量の分析が課されていた。


「金金金金金金金金金金金金金金金金金」


俺は視界いっぱいにシートを複数展開していた。


それらのシートの向こう側からサーヤの声が聞こえてくる。


最初の2~3日は営業をしていたサーヤだったが、俺が分析シートを作り終えたそばから納品していたら、口コミが広がったようだ。


今では逆に企業の方から分析依頼が大量に来るようになってしまった。


それからは拠点に二人でひきこもり作業を続けている。


俺は他業種のシートを新しく作ることに取り組み、サーヤは既存のシートを複製して別の企業向けの分析に作り変えていた。


不動産営業向け、不動産管理向け、飲食企業向け、小売企業向け、卸売業者向け……


その中でも小売と卸売は商材ごとに必要な分析がかなり異なっていた。


既に数十パターンの分析を作成している。


さすがにそれだけパターンができると、コピペで済ませられる案件も増えてきて、直近はかなり作業効率も上がってきている。


だが、それでも案件の増加の方が速い。


二人して終わらない作業に没頭していた。


「金金金金金金きゃああああああ!!!」


「うおおおおおおおだお!!!」


「ど、どうした!」


俺がシートを閉じて様子を確認すると、シートを超えて身体が半分飛び出して貞子状態になっているフトシと、ひっくり返っているサーヤがいた。


こればっかりはどうしようもないからなぁ……


シートはシートを共有している人間にしか見えない。


というわけで、サーヤはシートを見ながら作業している。


その一方で、フトシの方から見ると、空中を見ながら目を血走らせているサーヤだけが見えるわけだ。


おまけにすげぇ金金言ってるからなぁ……


ご近所さんたちにどう思われてるのか……


「すまんお!大丈夫かお!?」


「だ、大丈夫ですぅ……」


ちょうど力尽きたのか抜け殻のようになったサーヤが返事をした。大丈夫そうでよかった。


「今何をしてたんですか?」


フトシの後ろから七瀬ちゃんが顔をだした。


「よし!休憩!休憩にしましょう!サーヤさん!」


「スゥ、スゥ……」


床に転んだまま白目でサーヤは爆睡していた。よしよし悪魔がやっと眠った。


俺はフトシと七瀬ちゃんに今の所の経過を説明することにした。


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