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道の駅に、彼と行く

作者: WAIai
掲載日:2026/07/13

今日はいつもと違っていた。


何が違うのかというと、私も彼も自転車に乗ってきたのだった。


今は下校の時で、自転車にまたがる。


「よし、行くか」


彼が明るい声で言ってくるので、私も「行こう!!」と弾んだ声を出す。


2人ともヘルメットをし、カバンを前のカゴに入れて走り出す。


外はまだ明るく、昼間のような空の色だった。


ただし、自転車をこいでいると、汗が流れてきて、目に入ってくる。

しみるのを我慢しながら、彼の後に続いて進んでいく。


今日、何故、自転車なのかというと、その理由はすぐに分かる。


「大丈夫か?」


彼が前を走りながら、聞いてくる。

ヘルメットをかぶった彼は、まるでたてがみを隠したライオンのようで、近寄りがたい印象を受ける。


でも私にとっては頼れる人であり、

「大丈夫!!」

と遅れまいと、足を動かすのだった。


自転車をこぐこと30分だろうか。


「あ、見えてきた!!」


彼のはしゃいだ声に、私はふーふーと息を吐きながら、前を見る。


すると目的地の道の駅に辿り着いたのだった。


私は嬉しくなって、

「やった!! もう着くね」

「おう」

彼と笑い合う。


道の駅に着くと、彼が速度を落とし、駐輪場へ行く。


私も滑らかに走り、彼の隣に自転車を置く。


「早く!! 早く!!」


私がヘルメットを脱いでカバンを持つと、彼も

「きっと美味しいぞ」

と手を繋いでくる。


道の駅は夕方でも賑やかで、キャンピングカーや、遠出してきたのか、県外ナンバーの車が並んでいる。


まるで自分の県ではなく、他県のジャングルに来たみたいと思いつつ、彼と真っ直ぐに道の駅に入る。

そして受付に進むのだった。


「あの!!」


彼が声をかけると、女性スタッフが少し驚いたように対応してくる。


「何でしょう?」

「ソフトクリームを2つください」

「何味ですか?」

「何味にする?」


私は彼に聞かれ、「普通のバニラ味」と答える。

50円足せば、トッピングできるようなのだが、学生の身分なので、普通の味にしたのだった。


「分かりました。少々、お待ちください」


スタッフが動いている間、私と彼は道の駅のエアコンの涼しさにリラックスしていた。

まるで身体が洗われるようだと、汗がひいていく。


「良かったな。わざわざ自転車をこいできて」 

「うん!! たまにはコンビニとかじゃなくて、違う場所に行きたいもんね」


私と彼はグータッチし、ソフトクリームを待つ。


スタッフは慣れているらしく、手際良く、ソフトクリームを作っていく。


「はい、1つめ」

「ありがとうございます。…お前が先に食べろ」

「え? いいの?」

「いいから。溶ける前に食べてみろ」


彼に勧められ、一口、舐めてみる。

すると、何と美味しいことか。


30分かけて来ただけあると、涙が出そうになる。


「はい、もう1つ」


スタッフが彼にソフトクリームを渡してくれ、会計を済ます。


「ありがとうございました」


私と彼はソフトクリームを持ちながら、道の駅から出る。


まだ陽は強く、熱気が襲いかかってくる。


ソフトクリームが溶けては困るので、涼しい場所はないかと探すと、彼が

「あそこのベンチに座ろう」

と言ってくる。


私は彼に従い、ベンチに座ると、ソフトクリームを口に運ぶ。


「うーん!! たまらない!!」


手足をばたつかせると、彼がははっと声を立てて笑う。


彼の手にソフトクリームは、象にりんごを与えるように、小さく感じられるが、美味しそうに口に運ぶので、幸せになる。


「頑張った甲斐があるね」

「おう。ご褒美だ」


彼がコーンを齧ると、車から降りた子どもが、「あ!! いいな!!」と指差してくる。


彼は驚いたようだが、手を振ったのだった。

ソフトクリームを食べて優しい顔をしているお陰か、子どもは手を振り返し、道の駅の中に入っていく。


「最後の一口」


ぽいっとコーンを口に放る。

私も遅れずに口に運ぶと、2人でふふと笑い合う。


「また来ような」

「うん。自然を感じたいもんね」


軽いやり取りをし、立ち上がったのだった。

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