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妖《あやかし》しの守人  作者: 月夜乃 遊策
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気と精霊術

 その日の内に里を立って、千早及び猫人族救出に向かうつもりだったが、ケスラー一党が根城まで荷馬車で三十日、武早達の足でも十日程度はかかってしまう場所だと言う事でその為の旅の準備や武早が山を離れている間の調整などの準備があると言う事で翌日改めて鬼乃部の里の門前で待ち合わせる事となり一時分かれた。

 霞澄は鬼乃部の里に災いを撒こうとした事もあり里に留まる事が憚られると言う事で、武早と行動を共にした。

旋嵐は僕に興味を持ったのか、武早の代わりに里に残る事となった。


 僕は守麗・裂嘉、旋嵐と共に僕の身に起こった事を確かめるべく、里の一番近くの林まで移動していた。


 僕の瞳は朝起きてからずっと龍眼のままで、その瞳には精霊らしき色とりどりのモノ達を写していた。

その事を話すと、守麗・裂嘉共に体内にある気(龍気や鬼気、妖気などの生命エネルギー)の使い方は多少は分かるが、精霊の事については見る事は出来ても、力を借り精霊術を操る事は出来ないとの事だった、たぶん九十九神も精霊に近い存在だからなのかもしれない。


 龍気・鬼気に関しても、自分で使う分には当たり前の様に使えるのだが、他人に教えるのは難しいと言う事で、結局、妖孤の里に住む葛葉さんに教わりまではむやみに使う事は避ける事になった、もちろん今まで「気」を扱う様に使う分には問題ないはずなのだが、今までと同じ様に拳に気を乗せて打ち出し破壊力を上げると今までとけた外れに大きな破壊力が生まれてしまい、危険で「気」の調整が出来るまでは使い方を注意しないと軽く撫でたつもりで叩き殺してしまうなんて事が起きかねない事が判明した。


 力が強くなっても、使えないなら宝の持ち腐れ・・・・それでも、体の防御力強化には使えそう、もっとも湖で弥生を助けた時、怒りに任せて龍眼になり腕で手斧を防いだ時無意識に気を使い肉体を強化してらしい、これからは無意識にではなく必要な時に肉体を強化する様に意識しないと、その事で気の使い方の練習にもなるだろう。


 次に精霊については旋嵐に聞く事にした。

 

 まず、精霊とは風・地(鉄)・火・水・緑(草木)・雷・光・闇(影)の八精霊がいて 

精霊術を行使するには、まずそれらの精霊と会話をし契約を交わさなければならない様だ。

会話はまず目視などで精霊の存在を確認し、対等の立場で話そうとする気持ちが大事だと言う。

会話か成立する様になえば、後は何をして欲しいのかイメージし伝え対価を払いえば精霊がそのイメージ通りに奉仕してくれるのだそうだ。


 対価とは生体エネルギー、所謂「気」の事らしい。


 気にはその種族によって呼び名つけられ、龍気や鬼気など便宜的に呼ばれているが、その種族毎に気の持つ力は異なるのも事実らしい、例えば龍族の気は他の種族に比べて精霊に与える影響が強いらしく、しかも広範囲に及ぶ者らしい、その様な事から種族毎に個別に名が与えられている。

他に、鬼族の鬼気は精霊術に用いるよりも鬼族特有の膂力・剛健などの身体強化に用いられる事が多く、飛雲虎などの獣族(ものの化)の獣気は特定の精霊に対して特異的に好まれる、また妖精族の妖気は龍族程ではないが精霊との相性が良く妖精族には優れた精霊術者が多いのだそうだ。


 精霊術を行使する為に精霊に渡す気の量は行使したい術によってまた種族によって異なる為誰でも同じと言う訳ではないが、定量を精霊に渡さなければならないと言う物ではなく、精霊達が必要な分だけを持って行ってくれるので術者が「気」の量を調節する必要はないようだ。

精霊術を使う事が出来る者は常に体全体から少しずつ「気」漏れている物らしい、その漏れ出す量によって身の周りに集まる精霊の数も増える、集まった精霊達に協力を求めやすくなる。

また、多く集まる事で精霊術を行使した場合より大きな術の作用を起こす事が出来る、だからより大きな精霊術を行使できる術者は、それだけ体内にある「気」が多く、生命力に溢れた者と言う事になる。


 ちなみに、一般的には気の力が強いのは龍族>鬼族=妖精族>獣族>獣人族>人間となる。

人間は精霊の力を借りる事が出来る者が少ないが、それは気の力が弱いと言うよりも精霊を感知出来る者が少ないのが原因なんだそうだ。

 精霊を感知出来さえすれば、人間も他の種族と同じ様に精霊術を行使できる。

もっとも、人間が精霊を感知するには自然との共存や他種族との共存など異物を受け入れる精神性が必要になるが、千年前の大戦のきっかけとなった思想が広まっている人間社会においてなかなか難しい事の様だ。

その代わり精霊術にかわり人間は気を別な形=魔力に変換し一定の法則に基づく事で行使される魔法術(魔法)を使う事を覚え、人間社会では精霊術より魔法を使う者が多いと旋嵐は話してくれた。


 一通り話した後、旋嵐は自らの体の周りに集まる風精霊に、話しかけ精霊術を見せてくれた。


 「まずは、風精霊術の初歩である攻撃術をお見せする、『天地あまつちに集いし風の使徒よ、我の願いに沿いて御技を示せ・風爪』」


 風が渦巻き近くの立木が風の刃で断ち切られた。僕等が茫然と切り倒された木を見ていると続けて


 『天地に集いし風の使徒よ、我の願いに沿いて御技を示せ・風駆』


と言ったかと思うと旋嵐の体を風が覆い、空中に風の足場があるかのように自由自在に駆けまわった。


 「と言った具合に、目的の術に必要な精霊の名を呼び、何を起こしたいのかを提示すれば精霊が術者の気を使って現象を起こしてくれるのですでは龍輝殿もやってみて下さい」


と促されてしまった。


 とりあえず、僕も空色の風精霊に『風駆』を唱える。

体に風が衣の様に覆うのを感じ、ビクビクしながら空中に一歩踏み出すと空中に風で作られた足場があるかのよな感覚があった。その足場は、どんな風に空中を移動しようと体を支えてくれて自由自在に空を歩き駆けまわれる事が出来た。


 「精霊術に特定の決まりは無く、術者の発想によって千変万化、幾らでもあります。ただし、より大きな術を行使する場合にはそれだけ多くの精霊に働いてもらわなければならない為、必要となる「気」=生体エネルギーも必要になってきます。足らない場合は、術の発動は起こりません。

精霊達は、好いた術者の力になりたくて手を貸してくれる訳ですから、術者の命を短くする様な「気」を必要とする術には力を貸してくれないのです。」


 「また、命を短くしても良いからと無理やり術を発動し様とする事は精霊のもっとも嫌う行為で、その様な事をした術者はその後精霊は力を貸してくれなくなると言われています。大昔、人間は自らの欲望の為に戦などで少しでも多くの戦果を上げようと精霊術を行使した為に何人もの精霊術者がその命と引き換えに大規模な精霊術を行使したため、今では人間自体を精霊が嫌い、そのせいで人間の精霊術者は少ないのだと言い伝わっています。龍輝殿も、身の丈以上の術の行使はお控えください。」


 と精霊術について色々と教わった、もちろん僕はまだまだ不慣れでどの位の精霊達が力を貸してくれるか分からないから、ゆっくりと試しながら精霊術に慣れて行く事にした。

 

 しかし、目の前には色とりどりの精霊達が僕も周りを飛び交い時には髪の毛を引っ張って遊んでいたり肩や頭にに乗って楽しげにしている姿はなんとも可愛らしく楽しくなってしまう。


 精霊術・気について一通り確認し、里に戻ると剛弥の指揮の元翌日里を立つ準備は整っていて、既に明日出立する僕達に向けての宴が里を上げて用意されていた。


 「里を救ってくれた御方をお見送りするのに宴の一つも上げず終いでは、鬼乃部の里の沽券に関わります。今宵は大いに飲み大いに食べ明日への糧として下さい。」

と宴が催された。


 宴には、湖で獲ったであろう幾種類もの魚が並び、木の実や果実、多くの野菜などが所狭しと置かれ果物を発酵させて作った果実酒が振る舞われた。


 僕は今まであまり飲んでこなかった(一応未成年でしたから・お酒は二十歳になってからと我慢してきました)お酒をいただき、気分良く美味しい肴に舌鼓をうっていたが、本格的に飲む酒は初めてなのに対し鬼族は子供の者も嗜むようで、それこそ浴びる様に飲む様は圧巻だった。

 旋嵐も僕等と共に御相伴に預かり、器用に杯を干し鬼の子達が尻尾にじゃれつくのを五月蠅そうにしながらもご機嫌だ。

 弥生も最初は甲斐甲斐しく御酌などして回っていたが、お酒が回るにつれて僕の肩を抱く様に組み「なんだ龍輝、私の酒が飲めないのかぁ」などとオヤジばりの御乱行となって行った。

しかし、酔いに任せての喧嘩といった事は起きず終始楽しく無礼講の宴会となり、その雰囲気に僕も飲み過ぎたのかいつの間にか寝入ってしまった。



 

  

 

感想などお願いします。

これで、一区切り。

と言っても流れは途切れずこのまま続くのですが、なかなかテンポよく話しが進まずすいません。

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