財布の代わりに拾われた男の子
夜も夜長にダンスして
かわいい僕は一人ベランダから騒々しい下界を眺める
[どうしてなんだ]
その独り言が夜空にむなしく
音楽を添えた
[キンコンカーンコーン]
学校のチャイムが僕のすぐそこの塀から聞こえる
その学校は、数ある中の1つにすぎず
たまたま通ったから良いものの
校門には
[銀杏南高校]と
記されていた。
特に興味もないので、そこから路地を百メートルほど進んだとき
私は今回の任務の
失敗を予感した
なぜなら私の
紺色の強いスーツを
金色の髪の少女が掴んでいたからだ
[ギャーーーーー]
私は、とっさのことで
直径二メートル範囲内で不覚にも
さ、け、ん、で、しまった、、、、、。
彼女の名前は
[不明]
、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、。
喋らないのだ
以上、
これと言って人形のような顔(何処か意地悪)以外
に高級そうなパジャマ?を着ているが
とくに普通そうだ
、
、、
、、、、、、、 たぶん?
さて僕は、その子を偉いことに
大人の一般常識過ぎる常識で
易しそうな交番のお巡りさんに
[この子、迷子みたいなんです]
(この子マイ子)
と、ダジャレみたいな切り返しで
預け、颯爽と路地裏の交番から
人混みに紛れるべくさらに来た道を
[ひた走った!]のだった!
さて
ふと風景が変わるまで
近場のビジネスマンションで
エロゲーを眺めながら
ふと、太ももに違和感を覚え
足下を見ると
[ギャーーーーーー]
そこには(底には)
悪鬼羅刹
血に餓えた赤い目の悪魔
とでも、思うような
あの易しそうな警官に
ぶちこんでいたはずの
あの意地悪そうな美形人形が
足元から
世にも
ゾッとする瞳でこちらを見ていた。
[なーそろそろ帰らないか]
歳に似合わずブルーマウンテンを啜る少女
それは実に異様だが、しかし、今はそんな事よりこいつをどうするかの方が、リアルに重要だった。
[それでお嬢ちゃん。名前は住んでる所は(´゜д゜`)]
どぎつく嫌らしく凄んでやったが
[ズズウウウウウウウ]
可愛らしいどころか、ふてぶてしく
ドラ猫が飲むような感じで飲んでいた
まるで人形の身体に貴族が入ったようだと怖いことを考えるが、果たして信憑性は以下ほどに……
[お代わり]
[ハイィ]
私はつい聞き返してしまった
まるで生まれたての赤ん坊が、始めて喋った言葉が
何処で聞いたのだと言うような物だった親のように
私は聞き返したのだ二度
[ハイィ]と
しかしクルミ割り人形ほども喋らないし動かない
人形少女は不意に又、なんの躊躇もなく
気に入らない事があると、下品にふてぶてしく
ズズウウウウウウウと静かな水面をなびかせた。




