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神の愛した桃源郷  作者: 魚精神
始まりの章
9/38

第8話  いざ、神社へ

 ――ちゅん、ちゅん

 と鳥のさえずる声で目を覚ます。

 今日はとても目覚めがいい。いい一日になりそうだ。

 そんな予感がする。あれ?何か忘れてるような……まっ、いっか。


 昨日と同じように風呂に入り、食堂に行き食事をとる。

 顔を洗い、歯磨きをする。

 うん。やっぱり今日は気持ちがいい。気持ちいい一日になりそうだ。でも何か……


 一通り身支度をしました俺は街に出てブラブラと歩く。

 そういやこのまちに来て初めてしっかり街を歩いたり見たりするな。

 街の雰囲気は本当に江戸時代を彷彿とさせる。

 風情があっていい街だと俺は思う。

 現代の東京や大都市のように、ビルなどが立ち並んでいるのも悪くはないと思う。

 でもやっぱり、こういう街の雰囲気のほうが俺は好きだ。


 しっかし、この街は広いとしばらく歩いてみて思った。

 それにいろいろな店がある。

 大通りはもちろん、奥まったところにも店がある。人も多い。

 おっ、本屋だ。

 ここまで歩いたが本屋は初めて見た。ちょっと立ち寄ってみよう。

 店自体は大きくはないが、中に入ると意外と広い。本もいっぱいある。

 店の中を見渡すと一つのコーナーに目がいった――漫画のコーナーだ。


 漫画もいっぱいある。

 しかも見たことあるものもちょくちょくある。おっ、これは……

 一冊の漫画を手に取る。この漫画は俺が好きで、買ってたやつだ。

 最新巻を買う前にこの世界に来てしまったんだよな。まさかこんなところで手にできるとは。金あったかなぁ…

 そう思いポッケの中を探る。よかった千円ある。

 

 (よし買おう)


 そう思いレジに持っていく。

 そういや、今まで疑問に思わなかったがこんな量の本をどこで集めたんだ?

 地球のものと思われる本もあれば、全く知らない言語の本もある。

 人が飛ばされるんだから、この本達も俺のように違う世界から飛ばされてきたのだろう。

 だがこの量をどうやって――レジの人間に来てみるか。


 レジに持っていき、本を渡す。

 レジ番をしているのは少し年老いた爺さんだった。

 見たとここの人一人しかいないし、個人でやっているのだろう。

 会計を済まし、店を出る前に聞いてみる。

 

 「すいません、ここの本ってどうやって集めてるんですか?」

 

 「ああ、ここの本は"あるところ"から仕入れているんだよ」

 

 「その"あるところ"って?」

 

 「それはな―――」

 

 爺さんの話によると、この世界には異世界のものがよく流れてくる場所があるらしく、そこに住んでいる人が流れ着いたものを集め、いろいろな人に卸しているそうだ。

 なかなか興味深いことを聞けた。

 

 爺さんに礼を言って店をあとにする。

 さて、宿に戻ってこの漫画でも読むか。

 いやぁ、いい買い物したなんて思いながら宿に戻って行く――けど、やっぱり何か引っかかる。


 そこそこ歩いて宿に着いた。

 従業員の人に挨拶して部屋に戻る。

 そして、漫画を読む。


―――――――――

 


 いやぁ、面白かった。

 続きが気になるが、今はない。

 今度またあの本屋で探しておこう。

 さて、もう夕方か、風呂入りに行くか。今日は楽しかった。


  明日は何をしようか……………………あ、ああ!思い出した…今日一日中感じていた違和感の正体!それは………これからのこと今日決めるはずだったじゃん……!

 こうしちゃおれん、今すぐ穂波と話をしないと。

 そう思い俺はダッシュで穂波の部屋まで向かう。


 「穂波、穂波!いるか?」

 

 「うん、いるよ」


 「部屋入ってもいいか?」


 「うん、どうぞ」

 

 急いで穂波の部屋に入る。


 「どうしたの、そんなに急いで?」

 

 「これからの…これからのこと話し合わないと!」


 「ああ、そのことか。そのことなんだけどね…」

 

 「どうしたんだ?」

 

 「実はずっと前から受け入れて貰うならここしかないってとこがあったの。ただ……」

 

 「ただ?」

 

 「私がこっちに来たときにだいぶお世話になったとこだからこれ以上迷惑かけるのはなぁ…と思っていたけどやっぱりここしかないと思って丁度夜にでも食堂で話そうと思っていたの」

 

 「その場所って?」

 

 「神社」


 「神社?」

 

 「そう。神社。名前は八坂神社。ここに受け入れてもらうように明日交渉しに行く」


 



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