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神の愛した桃源郷  作者: 魚精神
第二章 王位争奪武闘会編
31/38

第29話 本戦始まる

 無事予選を切り抜け、本戦まで残ることができた。今は本戦のトーナメントが組まれているところだ。

 俺以外の出場者はというと、全員何かを考えている様子だ。

 春彦とか話したい人物はいるが、邪魔するのは悪いな。

 俺もトーナメントが決まるまで大人しく待っていようかね。


ーーーーー


 「トーナメント表が決まりましたので、出場者は一度ご確認ください」


 そう言って運営の人が表を持ってきたのはあれから十数分が経ったころだった。

 どれどれ、俺は何処に組み込まれているかなっと……


 表の左右をみて俺の名前を探す。

 あった。で、対戦相手は桜間春彦と書いてあった。

 初戦は春彦か……いい友達だから少し心苦しいな……


 「初戦の相手は八雲か。お互い全力でやろうぜ!」


 俺がそんな事を考えていると彼はいつもと変わらない調子で俺に言ってきた。


 「ああ…お互い全力でやろうな!」


 そういうわけで俺の対戦相手はわかった。

 他のカードも気になるから見ておこう。


 ハルナードとは別のブロックである。次会うとしたら決勝の舞台で会うことになる。

 ラーニャもハルナードのブロックになっている。

 レイナはこっちのブロックで、レイチェルもこっちのブロックだ。

 お、マリーンもこっちのブロックで初戦はレイチェルか。


 トーナメントの確認が終わったので選手一人一人の待機部屋へと移る。

 このあと直ぐに俺の試合が始まる。さて、どうしたもんかな……

 初戦から全開で行くと保たないだろうし、かといって春彦は俺に神の力使わせようとしてくるだろうしなぁ……

 とりあえず、もうそろそろ行かないといけないから、とりあえず部屋を出るか。


ーーーーー


 結局良い案も浮かばず初戦の舞台に来てしまった。


 「八雲。俺とお前の実力差は歴然だ。お前はこんな所で負けるような器じゃない。当然次のことも考えているだろう。だからここでは神の力は使いたくない。そう思っているはずだ。でもな、俺はお前にその力使わせてやるよ。そしたら試合に負けても、勝負は俺の勝ちだ」


 「全てお見通しなんだな……わかったよ、こっちは使わずに勝ってやるよ!」


 「それではこれより1回戦、神代八雲と桜間春彦の試合を執り行なう!」


 「始め!!!」


 始めの合図とともに天龍を抜いて一気に距離を詰める。

 が、春彦は待ってましたというような雰囲気を醸し出している。


 「桜舞·花吹雪(さくらまいはなふぶき)!!」


 急な突風と共に無数の桜の花びらが襲う。

 とっさに守りの態勢をとる。

 くっ………前が見えない……!!


 が、次第に視界が良くなってきている。

 そんな中で俺はあることに気づいた。


 「春彦はどこに行った?」


 俺の前方に居たはずの春彦がいつの間にか消えている。まさか……

 嫌な予感を感じると同時に後頭部に鈍痛が走った。


 「よっしゃ!作戦がハマった!」


 「ここで一気に畳み掛ける!」


 「春嵐·山吹(はるあらしやまぶき)!」


 先程までとは比べ物にならないほどの風が吹き、やがて俺を取り囲むように竜巻が出来ている。

 しかも徐々に俺に近づいてきている。


 「ここからさらに技を追加して俺の攻撃を盤石にする」


 「斬り咲·千本桜きりざきせんぼんざくら!」


 春彦の両手のひらから大量の桜の花びらが空を舞う。やがてそれは俺を囲んでいる、竜巻へと吸い込まれていく。

 その過程で一枚の花びらが俺の頬をかすめていった。頬に手を当てて見てみると、指には血がついている。


 「この花びらもしかして、斬れるのか……?」


 だとしたら非常にまずい。俺の周りにある竜巻はこの花びらを大量に吸い込み、中でその花びらが舞っているはずだ。

 今この中に入ったら、俺はズタズタになってしまう。


 「本当は使いたくなかったが、使うしかない」


 俺の天龍は以前の戦いで、建御雷が触れている。そして微量だが、その力が天龍の中に残っているのに俺は気づいている。一回使ったら消えるだろうが、囲いの中から出るのには十分だ。


 「悪いが、試合には勝てせてもらうぞ、春彦」


 天龍の柄に手をかけ、居合の態勢をとる。攻撃よりもスピードの意識。一瞬で斬り抜ける!


 「若雷千鳥(じゃくらいちどり)!!!」


 一瞬だけ雷の力を使い、一気に竜巻を突っ切り囲いの外に出られた。


 「なっ、なら次の技を……」


 春彦は次の技を出そうとした所で膝から倒れた。


 「くっ、くそ……今はここが限界か……!!」


 「……………降参だ」


 負けを悟り、春彦は降参を宣言した。


 「勝者、神代八雲!!!」


 勝者の決定に会場は沸いている。けど今はそんなことより春彦の下に急いで向かう。


 「立てるか?」


 「ああ……悪いな、迷惑かけて」


 俺の手を支えに春彦は立ち上がる。立ち上がって、ふらついた所を直ぐに支える。


 「とりあえず、控室まで戻ろう」


 「そうだな」


 春彦に肩を貸し、控室までゆく。


 「そういえば、言ってなかったな」


 「何を?」


 「勝利おめでとうって」


 「……」


 「どうした?そんな煮えきらない顔して。素直に喜べって」


 「だって…試合には勝ったけど、勝負に負けたし……」


 「そうだな……確かに勝負は俺の勝ち。けど、試合に勝ったのは八雲。1勝1敗の引き分けだな」


 「確かに…そう…だ」


 「八雲、今度決着つけよう。次は縛りなしの本気の戦いしよう。その時までには俺もパワーアップしておくからさ」


 「わかった。俺もそれまでに何段階もレベル上げておくからな!」


 「「約束だ!!」」


ーーーーー


 「俺の控室はこっちなんだ。後は一人で行けるから大丈夫だ」


 「そうか。じゃあ……またな」


 「ああ、また学校で会おうぜ!」


 春彦と分かれ道で分かれた。また強くなるための理由ができたな。

 さて、当分試合ないし、他の人の試合でも観ようかな。確か、次の試合は………


 「レイチェルとマリーンの試合か……」


 会場の熱も冷めぬまま次の試合が始まろうとしていた。


 


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