生徒会の日常?2
明けましておめでとうございます。
1ヶ月ぶりの投稿です。
今年もぬるりとやっていくので、
今まで読んでいて下さる方も、初めての方も
何卒よろしくお願いします
「猫が好きなんだ」
徐に足を組み替え、西京鈴花は遠くを見つめながらそう言った。
「「……………………は?」」
俺と波島波瑠は西京鈴花の言っている事の意味がわからな過ぎてハモってしまった。初めて意見が一致したかもしれない。
答えが知りたくはないのかね?とか言ってきたから、答えを教えてくれるのかと思ったら突然の猫好きアピール。
一体、何がどうなったら
『答え=私は猫が好き』
と言う結論になるのだろうか。俺にはなんにも繋がってこない。
隣の波島波瑠も頭に?を浮かべながらポカーンとしている。
よし、一旦状況を整理しよう。
今、生徒会室には俺と波島波瑠、そして西京鈴花がいる。
残りの2人はというと、俺を確保するために動いていた桐崎美千留と星ノ宮桜華なわけだが、俺を西京鈴花が確保したあと桐崎美千留が星ノ宮桜華を探しに行ってからどういうわけか2人とも帰ってこない。
という話を波島波瑠としていたら西京鈴花がその話を聞いており、答えを知りたくはないのかね?とか言ってきたと思ったら
『猫が好きなんだ』
↑イマココ
……………
だめだ、さっぱりわからん。
パズルのピースが滅茶苦茶すぎる。全く噛み合ってこない。
頭を悩ませ考えていると、今度は俺達の方をしっかりみて
「猫が好きなんだ」
そう言ってきた。
なんで2回も言うんだよ。無駄にいい顔でこっち向くな。すごい腹立つ。あいつ俺らが悩んでる姿を見て絶対楽しんでるだろ。
なんとか、馬鹿にしてくるこの西京鈴花の鼻を明かしてやりたい。
だが如何せん答えへの糸口が掴めない。
(そもそも認識が違うのか?)
猫が好きなのは西京鈴花ではなく、桐崎美千留か星ノ宮桜華のどちらかなのだろうか。
いや、だとしたらそれが一体なんだというんだ。
仮に猫が好きだからといって今の状況にどう繋がる?
猫が好き、それが桐崎美千留と星ノ宮桜華が帰ってこない理由になるのか?
まさか、猫と遊んでいて帰ってこないとかじゃないだろうな。じゃないよね?
第一、この学校に猫はいない、野良猫もみたことがない。そもそも農業系の学校ではないから生き物の類いは飼育していない。居るのは人間だけだ。
「ええっと…会長さんは猫が好きって事ですか??」
フリーズから再起動した波島波瑠の一言によって俺の思考は中断された
話の脈絡的に西京鈴花の猫が好きという発言は無茶苦茶であるが、普通に考えれば西京鈴花が猫が好きなのだと思うはずである。
「ん?…あぁ、私も猫は好きだが、今のは桜華の話だ。桜華は猫が好きなんだが……この話は美千留が戻ってきてからにしようか」
いつ戻ってくるかわからん奴を待つだって?正気か?
と思ったが口には出さないでおく。
「美千留ちゃんはいつ戻ってくるか分かりませんよ??」
俺の気持ちをよみとったかのように波島波瑠が言ってくれた。
そうだ波島波瑠、もっといってやれ。
けどまぁ、今日はよく意見が一致するな。
しかし、そう言い返された西京鈴花は余裕の表情を崩さないまま
「いいや、すぐに戻ってくるさ…………ほら」
西京鈴花がそう言った途端に控えめなノックが3回され、
「失礼します」
と、桐崎美千留が戻ってきた。
「ね?そうだっただろう?」
「す、すごいです会長さん…!!」
波島波瑠は、桐崎美千留が戻ってくるタイミングを予言した西京鈴花にキラキラと目を輝かせながら尊敬の眼差しを送っている。
なんで分かってるんだよ。たまたまだよね?たまたまじゃないならさっきのあれといい、そんなことまでできるならあなたはもう髪の毛を赤色にしてオッドアイにしなさい。
「???」
状況が飲み込めずにいる桐崎美千留は1人で?マークを浮かべている。
「まぁそれはいいとして話がずれてしまったね。美千留、桜華がみつからなかったんだろう?」
「そ、そうなんですよ!学校の中を隈無く探してもどこにもいなくて……」
話を元の路線に西京鈴花が戻す。
やはり桐崎美千留は星ノ宮桜華を見つけることは出来ていなかったようだ。
しかし、学校の中を探しまわってもいないというのなら、やはり学校外に出ているのか?
「いいんだ、見つからないだろうと思って探しに行かせたんだからね。ほら美千留も一旦そこに座って、さっきの話の続きをするよ」
「え……?あ、はい、わかりました…?」
西京鈴花に促され、桐崎美千留はおずおずと椅子に腰をおろす。
(今会長、見つからないの分かってて行かせたって言ってたよね…)
「早く教えて下さい会長さん!!」
西京鈴花の一言にへこむ桐崎美千留をよそに波島波瑠は星ノ宮桜華の行方に興味津々である。
「それで、猫が好きというのはな」
「え、ちょっ…はいぃぃ!?!?」
当然の反応である。
「もう、そのやり取りはしたんだよ美千留」
「あ、はい…」
ここに来て桐崎美千留の扱いがぞんざいになっている。少し可哀想になってきた。でもフォローはしない。俺も続きが気になるから。
「桜華は猫が好きなんだ、それはもうとてつもなく。家で101匹飼ってるぐらいだ」
「101匹って本当ですか!?」
101匹という数に波島波瑠が目を輝かせる。でも、さすがにそれは
「いや、それは嘘だ」
「嘘ですねー」
「嘘だろうな」
「う、嘘なんですね…」
どう考えても嘘としか思えないぞそれは。本当に猫を101匹も飼ってたなら、ただ頭がイカれた馬鹿だとしか俺には思えない。100人友達つくる!とか言う奴と同じくらい馬鹿だと思う。
「猫を見つけたら捕まえに行くぐらいは好きなんだが、桜華が猫好き過ぎるのはさして問題ではないんだ」
そこが問題ではないなら一体どこが問題になるのだろうか。
「というか会長、これ何の話なんですか?」
いつまでも突っ込まないでいると思ったらやはり、桐崎美千留はこの話の意味はわかっていなかったようだ。
「そういえば美千留には説明していなかったね」
「星ノ宮さんがどうして帰ってこないかというお話なのです!!」
波島波瑠が胸の前で拳をぐっと握り力説する。
「んー…まぁ、なんとなくですがわかったような気がします」
釈然としないものの一応は把握したようだ。本当にわかっているのだろうか?こいつ。
「問題なのは桜華が猫に好かれ過ぎている事なんだ」
「「「は?」」」
「問題なのは桜華―
「2度も言わなくていい」
また性懲りもなく2回も言おうとしやがったなこの人は。
「ツッコミご苦労、剣士。つまり、だ。桜華の所に猫が1匹でも居たらそこら中から猫がうじゃうじゃとでてくるんだ。100匹位集まることもある」
「それは嘘ですよね会長さん!!」
「いや、これはマジだ」
「マジかよ」
あまりのふざけた出来事具合に思わず突っ込んでしまった。まさか本当に猫と遊んでいて帰ってこないとは。
「でも会長、猫なんてそこら中にいませんか?それこそ登下校の際だって」
確かにその通りだ。俺がみたことがないだけであって猫なんぞ数多くいるはずである。今の話で言えば毎日が猫だらけ状態になるはずだ。
「いいや、それはないんだ」
西京鈴花は否定を返す。
「なぜだ?」
「なぜかと言うと……簡潔に言えば、私がいるからだな」
「「「???」」」
私がいる、ということは登下校の際は一緒に居るってことだろう。つまりあれか?寄ってきそうな猫を端から追い返しているのか?なにそれすげぇ嫌なやつじゃん。
「ええっと、つまり会長が猫を追い返してるってことですか?」
こんな感じに、と言いながら桐崎美千留は足を振る仕草をしながら西京鈴花に聞き返す。
「まぁそういうことになるんだが、美千留が考えてるような事はしてないよ」
「じゃあどういう風に猫さんたちを追い返してるんですか?」
「いいか波瑠。追い返す、という表現は正しくないんだ。正確には私は桜華と一緒に居るだけだ。ただそれだけで猫はおろか他の動物たちも一切が近づいてこない」
何の超能力だ。ビリビリしてんの?
「中々に悲しいぞ、笑顔で近づいても同じ分だけ距離を取られるんだ…」
そう言いながら西京鈴花は自嘲的な笑みを浮かべる。
一目散に逃げられないのが逆につらい。というか何をしたら動物にそんな態度をとられるんだ。笑顔でプレッシャーをあたえているのだろうか。どこの強キャラだよ。
「それはいいとして、この後はどうするんだ。そんな情報だけではどこにいるなんぞわからん」
そう、この話の目的は猫の話でも西京鈴花が動物に嫌われている話でもない。
星ノ宮桜華がどこにいるのか、
という話だ。
それがわからなければこの長話に何の意味もない。ついでに俺が生徒会にいる意味もない。
「大丈夫だ、桜華がいる場所の見当はついている。という訳で桜華を捕獲しに行くよ」
「はーい♪」
「わかりました」
威勢よく返事をした2人を連れて西京鈴花は生徒会室から出ていった。
よかったー、俺行かなくて済んだみたい。家に帰れないのに外に出るとか絶対に嫌。そもそも女子3人と外歩くとか死んじゃう。
なんにせよ、早く捕まえて早く帰って来て下さい。早く帰りたいんです。
切に願っていると、閉じられたはずのドアがもう一度開いた。
「何をしている剣士。はやく来い」
「剣士くん!いそいでください♪」
「諦めが悪いですね……」
「マジかよ」
本日2度目のマジかよが炸裂した。
こんななんでもない?話がすきです(笑)




