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オマケとか設定とか

オマケのお話と設定を追加しますた。設定を考えるのって凄く楽しい。大まかなストーリーと設定だけ考えて入力したら後は勝手に物語にしてくれる機械とかないかなあ。


※追記

綾狩のイラスト描いて頂きやしたァアアアアア!!!

2013年も間違いなく最高にハッピーな一年になる!そう確信させる出来事です!!嬉しい!もう最高!!ありがとう件さん!ありがとう!!

イラストは設定集の綾狩の欄にあります!見てね!!

~ オマケ・ある女記者のお話 ~



 男は家族を養い、女は家庭を守る。それが当たり前な21世紀のご時世は、私にとってとても生きづらいものだった。私は自分の足で歩みたかった。欲しいものは自分の手で掴むし、誰かに依存して生きるなんて真っ平御免だった。だけど、そんな気合ばっかりの生意気な小娘を雇ってくれる会社なんてこの国にあるはずもなく。女性の就職率なんて豆粒みたいなこの帝国でそんな会社を期待するのも間違ってるんだけど、軒並み書類選考で跳ね除けられたのにはさすがに凹んだ。これはもう、紡績工場で奉公娘たちに混じって糸と格闘しかないかと腹をくくりかけていたところに、さる大きな会社から合格の報せが来た。これは天の助けだと思った。


「この私を雇おうだなんて見る目がある会社ね!いいわ、雇われてあげる!」


私は最終合格通知を握りしめて、田舎から東京まで飛び出した。

そこは、弓之宮新聞社という大手の新聞社だった。弓之宮家という皇族の傘下にあるおかげで挙国一致体制のこの国でもリベラルな記事が読めると評判の新聞社だ。

『ジャーナリスト』。その響きはえぐりこむように私の魂を叩き揺らした。これこそ私に打って付けの仕事だと思った私は、記者としての腕を磨き続けた。女だからお茶汲みしてろと言ういけ好かない奴には茶葉の爆弾をお見舞いしてやって、現場を取材しまくった。

そして3年も経ったある日、私はこの会社に入社したことに心から感謝した。この日、弓之宮グループを統括する弓之宮 槍仁親王殿下が慰問のためにこの会社を訪れたのだ。優しくて、穏やかで、気配りができて、仕事熱心で、優秀で、部下想い。傘下の会社全てを把握し、経営を劇的に回復させた生ける伝説の若者。

その美青年は、なんと私を見つけると私の眼前まで歩み寄ってきて、ニコリと笑いかけてくれたのだ。


「やあ、君がこの部署で有名な女性ジャーナリストだね。僕の耳にも君の活躍は届いているよ。これからも君の才能を役立てて一層奮起して欲しい。だけど、無理はしないように」

「……はい、殿下……!!」


私は一瞬で恋に落ちてしまった。槍仁殿下のくるくるとしたくせっ毛と童顔を間近で見れたことに私は興奮の絶頂にあった。鼻血が吹き出したって誰も私を責められまい。刑務所にぶち込まれるのを承知でこのまま抱きついてしまいたいとさえ思った。

だけど、槍仁殿下の後ろに控えていたメイドの冷たい視線にそれを邪魔された。


「殿下、そろそろ次の会社に行くお時間です。お急ぎください」

「おっと、もうそんな時間か。……もしかして今嫉妬したのか、綾狩?」

「お・い・そ・ぎ・く・だ・さ・い」

「ははは、わかったよ」


殿下と親しげに話す黒長髪の美少女は、なぜか室内だというのに傘袋を携帯していた。3尺くらいの生地の厚い傘袋を握る少女メイド。最近、殿下が美しい従者を雇ったという話を噂で聞いたことがあるが、この少女がそうなのだろう。たしかに美人だ。成長すればもっと美人になる。シミもホクロも見当たらない真っ白な肌と完璧に左右対称に整った容貌は、まるで意図して美しく仕上げられたような印象さえ感じさせる。その冷たい美貌が、やけに私を苛つかせた。


「ありゃあ、ただの従者じゃねえな。侍だよ」

「はあ?」


去りゆく二人の小さな背中を見つめて、私の同僚が隣でボソリと呟いた。こいつ頭は大丈夫なのだろうか。


「俺の宗家が武家だってのは言ったことがあるよな。隙のない足の運び方、常に変わらない姿勢、主君の左脇に控える立ち位置。全部、武士のやることだ。末端の俺はあまり会ったことはねえが、それでも当主たちの顔は忘れられねえ。武士の顔つきってのはよ、顔面は石みたいに硬くて、目ばかりがギラギラしてんだ。あの娘にそっくりだぜ」

「だからあの娘が侍だって言うわけ?まあ、剣術を習ってるのかもしれないけど」

「いいや、違うね。ただ剣術を習ってるだけならあんな顔つきにはならねえ。あの娘が当主たちと同じ顔つきになるには大事な要素が必要だ」


こちらを見下ろし、いつにない真剣な眼差しで口を開く。


「当主たちは戦場帰りだった。戦争で大勢殺して、殺されかけた。だからあんなおっかない顔になっちまったんだ。恐怖で顔面の筋肉が麻痺して、目玉だけしか動かなくなっちまったのさ」

「……あの娘が戦場に行ったことがあるわけないでしょ。まだ二十歳にもなってなさそうよ」

「だから皇族の護衛に選ばれたのかもしれないぜ。試しに睨んでみるか?俺は当主の爺さんを睨んだら振り返りざまに斬り殺されかけた」


なにを馬鹿なことを。そんなことあるはずない。

私はため息を一つついて、じいっと少女の小さな背中を睨みつけた。気に入らない上司を睨むように、殺気を込めて―――


「――――ぐ、」


斬られた。バッサリと袈裟斬りにされた。……いや、正確には、そんな感じがしたのだ。

少女がギロリと私を振り返った瞬間、背骨に氷水をぶっかけられたような悪寒が走り抜けたのだ。

凄まじい眼光だった。黒い瞳の奥底に人魂のような蒼い炎がちらちらと燃えていた。恐怖で手足の先まで痺れて動かない。あんなの、人間の目玉じゃない。妖怪の類だ。殿下は、妖怪の女を飼っている。いつの間にか傘袋が腰の位置に置かれ、先端部にもう一方の手が添えられている。まるで刀を抜くような動作だ。その傘袋の中身は、まさか……?


「―――ひぅ―――」

「お、おい。馬鹿、ホントにやる奴があるかよ!」


涙を浮かべる私を同僚が慌てて背に庇い、少女にガバリと頭を下げる。すると、少女は何事もなかったかのように小さく会釈を返し、殿下の後を追って扉の外へと消えた。

それを確認した後、同僚がぶはあ!と大きくため息を吐き出してドッと机に座り込む。私は硬直して動けない。あんなものを目にしてしまったら、私は―――


「な、わかったろ。ありゃ侍だ。戦場帰りの侍だ。触れちゃあいけねえのさ。俺たちは大人しく巷の事件を追ってだな、」

「実に興味深いわ!」

「は、はあ!?」


鼻息が荒くなるのを抑えられない。事件はすぐ近くにあったのだ。まさに灯台下暗しだ。


「『優しい皇族の美青年に仕える妖犬の美少女メイド!その真実に迫る!』 記事の題名はこれに決まりね!さあ、忙しくなるわよお!」

「おいおいおいおいおいおい!話を聞いてなかったのか馬鹿!こら待て!!」


やっぱり、この会社に勤めてよかった。待っていなさい、綾狩ちゃん。これからあなたの正体を暴いてあげるんだから!!



◇ ◇ ◇ ◇



~ ここから設定集 ~



<世界設定>


第二次世界大戦が21世紀まで続いている世界が舞台。

大日本帝国・大ドイツ国・北イタリア民主共和国を中心とする枢軸国側と、アメリカ・イギリスを中心とする連合国側の戦争は激化の一途を辿り、世界は確実に負の連鎖に陥っている(ソ連は中立国として沈黙を保っているが、両陣営のどちらかが弱った瞬間に勝ち馬に乗ろうとしているのは明白)。

大日本帝国はアジア連盟の中心となってアメリカに真正面から戦いを挑んでいるが、国力の違いすぎる敵との戦争は兵器のみの進化を促進するばかりで国民生活の向上には結びついていない。また、戦争継続中のために軍事技術が民間に普及することは許されず、平成の世になっても庶民の暮らしは昭和の営みのまま停滞している。国民の間にはすでに反戦感情や閉塞感が募ってきているが、特別高等警察の取り締まりが厳しいために反戦活動家や個人ジャーナリストの活動は非常に危険を伴う。




<原子爆裂型最終兵器>


原子爆弾のこと。非常に巨大かつ鈍重であり、爆撃機もその分巨大化している。アメリカ製が2つ、ドイツ製と日本製の爆弾が1つずつ、合計4つが両陣営の戦場で猛威を振るった。




<電装義肢・強化機甲兵>


戦争で身体のパーツを失った兵士が、激化する戦地に対応するために機械の義肢を着装すること。電装義肢先進国であるドイツで1940年代に開発された技術で、当初は電池を内蔵した義肢に過ぎなかった。その技術は瞬く間に進歩し、現在では人間の力を遥かに超えた馬力を叩き出すのはもちろん、銃火器と一体化した電装義肢が両陣営の兵士の間に普及している。

特に、胴体など身体のほとんどを電装義肢に交換したものは「強化機甲兵」と呼ばれ、軽戦車級の戦力を備えるようになる。強化機甲兵は胴体内部に主機関を備え、耐放射能装備、分厚い装甲、各種センサー、多数の重火器を全身に埋め込まれ、部隊の中核戦力として運用される。生身の部分が少なく、その部分は鋼鉄の下にあるため、放射能の激しい戦地での活動も可能。

しかし、脳が機械の身体に対して拒絶反応を示し、睡眠が出来なくなる。薬物によって拒絶反応は抑制されているが、睡眠が出来なくなる症状は改善されていない。強靭な精神を持ち合わせていない人間は機械の身体に堪えられず、戦闘を重ねる度に理性を削っていく事例が報告されている。理性を失って暴れまわるそのおぞましい姿から、戦場では「鬼人おにびと」と呼ばれて敵味方から恐れられている。

強化機甲兵のメーカー最大手は、アジアでは帝国三菱重工業、アメリカではジェネラル・ダイナミクス社、ヨーロッパではクラウス・マッファイ社である。ソ連のレニングラードでも研究がされていると噂されているが、ソ連製の強化機甲兵は現在も確認されていない。




<菊69式主機関>


宮内省が帝国三菱重工業に極秘に発注して開発・製造された、大日本帝国製メイド・イン・グレートジャパンの「ヴァルター機関」。超小型・高出力を誇る最新鋭の熱機関である。宮内省のエンブレムである「菊の御紋」と「皇紀2669年製」ということで菊69式と名付けられた。

ヴァルター機関とは、1933年にドイツのヘルムート・ヴァルター博士によって研究がなされていた画期的なエンジンのことを差す。当時は潜水艦のエンジン用に開発がなされていたが、現在ではアジア連盟側、国際連盟側、そして中立国ソ連でも強化機甲兵の内燃機関に主に使用されている。

高濃度過酸化水素をメタノールと混合・燃焼させ、発生した高温・高圧ガスを作動流体としてタービンを回転させることで発電する。高出力かつ出力の制御や長時間の使用にも優れており、経済性にも富んでいる。また、これを内蔵した強化機甲兵は過酸化水素とメタノールの混合物、そして冷却用の真水を供給するだけで燃料の補給が完了するため、戦場での利便性にも長けている。

菊69式主機関はそのヴァルター機関をさらに発展させたものであり、帝国陸軍小型戦車のエンジンに匹敵する出力を誇る。また、同サイズの機関としての出力は世界一である。

その大きなメリットがある一方、「水冷式冷却機関の性能が菊69式に追いついていないために熱処理が追いつかない」。「追いつかないから常に動かすことが出来ず、別の補助機関が必要になる」というデメリットも生じた。

冷却が間に合わない際には関節部と背中上部(肩甲骨の辺り)に備えられた排気口から強制的に熱を噴出することで機関の冷却を行う。その激しい排熱煙が敵に発見される要因となること、何より菊69式の製造には通常式ヴァルター機関より遥かに高額な費用がかかることから、完全受注性の極少数生産に留まっている。現在の製造数はわずかに2基であり、どちらも出荷・実装済み。

今回、綾狩に実装されたものが本格的に運用された初の菊69式となる。もう1基は遅れて別の宮家に届けられた。




<弓之宮 槍仁>


「愛している。一緒に往こう、綾狩。僕たちが、この国を変えるんだ」


弓之宮家は孝明天皇の養子である憂仁うれひと親王から派生した宮家の一つ。憂仁親王の趣味が弓道だったことが由来する。

一代目の憂仁親王から商いの才に長けた一族であったが、先代の頃に軍需産業関連に手を出して失敗し、没落(一部ではライバル関係にあった他の宮家の陰謀も噂されている)。現在の槍仁が宮号を継承してからは、初代に匹敵する稀な才覚によって順調に経営規模を回復している。

争い事が嫌いで、非常に温厚。誰にでも別け隔てなく接する、皇族らしくない人柄をしている。弓之宮家傘下の企業を纏め上げており、社員たちからの信頼は厚い。先代の事業失敗と本人の争い嫌いもあって、資本の全てを軍需産業から距離を置くようにしている。弓之宮家は非常に大きな影響力を持つ企業グループであり、なおかつ精密部品製造メーカーとしても多数の特許を持つ。新聞社も自前で持っており、比較的リベラルな社風として知られている。そのため、戦争状態を望む軍需産業やその株主をしている他の宮家からの風当たりは強い。

まだ十代前半の頃、弓之宮家の茶会に招待されてきた綾樹を女の子と思い込み、求婚してしまう。男だとわかって玉砕するも、初恋を忘れられずに「金と名声を積み上げればなんとかなるかも」とガムシャラに働いた結果、家の再興を成し遂げてしまった。綾樹が戦場で重症を負い、実家からも勘当されたことを人づてに知って一時恐慌状態に陥るもなんとか平静を取り戻し、親友の技師を通じて宮内省に多額の金を持ち込み、未だ開発中であった全身式電装義肢を綾樹に与えた。

綾香を溺愛しているが、機械の身体にしてしまったことに負い目も感じている。たまに寝床で押し倒してみるものの、あまり激しくしすぎると逆襲されて朝方まで搾り取られるために加減に苦慮しているらしい。



綾狩あやか


「綾狩は何時までも何処までも御身にお仕え致します」


挿絵(By みてみん)


日本帝国陸軍の若きエリート士官であった矯堂きょうどう 綾樹あやき准尉が全身式電装義肢を得て変貌した姿。18歳相当の見目麗しい黒髪の少女の姿をしており、年齢的には生身であった頃とそれほど大差はない。顔つきも以前の雰囲気を残している。

『矯堂一刀流』(最初の一撃で敵を倒すことを基本とする流派)に属しており、剣の腕は達人レベル。士官学校では常に成績トップに君臨しており、主席で卒業した。

矯堂家は古くは室町幕府に仕えていた歴史を持つ由緒ある武家だったが、綾樹は当主と妾の間に生まれた子供であった。その妾だった母親も早くにこの世を去ったため、矯堂家では冷遇されていた。それを見返し、父親に振り返ってもらうために士官学校に入学して前線に足を踏み込むも、理想との違いと味方の起こした自爆事故で心身ともに甚大な傷を負い、帰国療養を余儀なくされる。しかし、矯堂家からは厄介者として勘当されてしまい、行き場をなくしてしまうことになる。

そこへ縁のあった弓之宮家の現当主、弓之宮 槍仁親王から奉公の誘いがあり、電装義肢の身体を得ることを条件にそれを受諾した。―――が、新しい身体が少女の身体になると知らされたのは施術直前のことであった。

槍仁が戦争を終わらせられる人物であると信じ、彼を唯一の主君と仰いで忠誠を誓っている。綾狩となってからは広大な弓之宮邸の管理をほぼ一人で担っており、掃除洗濯から槍仁の護衛・普段の世話・運転手・秘書の役割までも全てこなしている。これは綾香が睡眠を必要としないからこそ出来る偉業である。が、綾狩は食料を摂取できないため(理由は↓)、料理の腕は殺人レベル。有機物を無機物に変化させ、酸化できないものを酸化させて未知の化合物を生み出すこともしばしばある。槍仁は我慢して食べようとするが、いつもトイレに駆け込むことになる。現時点で槍仁の命をもっとも危険に晒しているのは綾狩の手料理であろう。

趣味は愛刀「虎牙ノ宗光」の手入れ。槍仁から与えられた銘刀をこよなく愛しており、暇を見つけては縁側で手入れをしている。よほど嬉しいらしい。

普段着はメイド服(詳細は隆之介さんの設定案↓)。


ちなみに「綾狩」の名前の由来は、孝明天皇の養子であった愁仁うれひと親王がまだ幼かった頃、暴れ馬に襲い掛かられたところを刀にて馬を一刀両断に斬り伏せた武士の名前からきている。その愁仁親王こそ後の弓之宮家の祖であり、親王の身を護ったその武士こそ、当時の矯堂家の三男であった狩泰かりやすであった。弓之宮家と矯堂家の縁もそこにある。

狩泰が矯堂家では異端児の超武闘派であったこともあり、現在では両家の関係は疎遠になっている。しかし、槍仁はその言い伝えを忘れておらず、綾樹にその一文字を与えた。


正式名称「試作型 全身式電装強化義肢 零号」

元々は老化や病気、事故などによって身体に不調をきたした皇族が新しい身体を得るためにと宮内省が計画した一般生活用の全身式電装義肢。従来は四肢や臓器の欠損を兵器で補うための技術であったが、電装義肢技術の先進国であるドイツとの人材交流でもたらされた「脳以外の全身を機械に置き換える」という画期的な技術を用いて、帝国三菱重工業にて開発された(帝国三菱重工業はアジア最大の電装義肢メーカー)。綾狩はその試験用のプロトタイプであり、さらに皇族護衛用として高出力の主機関や戦闘を補佐する補助回路、各種センサーなどの様々な先鋭的技術が導入された実験機でもある。

基本設計・開発は日本人とドイツ人のハーフ、グスタフ・ハットリ・トイシュ技師。槍仁の級友で、オカマ。オカマであることを気にせず友だちとして接する槍仁とは親友関係にある。槍仁の頼みを聞いて綾狩に施術を施した。


強力すぎて常に稼動状態にしておけないために別の補助機関モーターが必要とされる菊69式主機関だが、一般生活をする際には不必要なのは明白。本来は綾狩にとっての補助機関が主機関の役割を果たし、主機関が設置されている部分は口から摂取した食料など嗜好品を圧縮・排出するための装置が備えられる。なので、綾狩は食料品を摂取することができない。

間違いなく世界最先端をいくテクノロジーの集合体といえるが、その反面、脳と身体との不一致による拒絶反応を抑制する方法などは未知の部分も多く、極稀に精神的に不安定な状態に陥る。そうなった際は激しく槍仁を求めることで脳内麻薬を強制的に分泌させて多大なストレスを打ち消している。根本的な解決方法は未だ見つかっていない。


(※以下は隆之介さんより提供頂いた綾狩設定案です。隆之介さん、ありがとうございます!!)


身長:160cm

体重:75kg

スリーサイズ:85/55/80

握力:200kg

起重力:両腕で1tの物体を頭上まで上げられる。

パンチ力:2t

キック力:6t

跳躍力:垂直 5m 水平15m(共に助走無し)

走力:100mを3秒(時速120km)

自重と同じ重さの荷物を保持する毎に跳躍力、走力が1割ずつ減る、戦闘行動時の懸荷限界は自重の3倍まで。


視覚強化、赤外線、動体感知、微光暗視機能付の義眼、聴覚強化、高周波、低周波視聴可能な聴覚機能を装備。


要人警護目的の電装義肢のため人工皮膚は人体に近いものに擬装してある。そのため、防弾防刃効果は低く、皮膚下のフレームの耐久力に頼ることとなっている。防御攻撃に特化するためにはオプションを必要とする。


●追加機能

夜伽用システム

槍仁親王の注文を受けた義体職人が余計な気を回してつけた機能。童貞の槍仁が失敗しないようにつけられた機能で、脳の快楽中枢を刺激して快感を感じやすくする機能。強めに設定すると「痛覚や羞恥心も快感と感じる」ようになる。欠点としては多用しすぎると快感に対する依存が強くなりいわゆる「色ボケ」や「淫乱症」「マゾヒスト」等の症状が発症する可能性がある。なので、槍仁がハッスルしすぎると逆に組み伏せられて一晩中逃げられない事態に陥るという恐ろしい危険があったりする。

義体の性器や肛門も本来護衛用としては機能しない飾りだが、これも職人が気をきかして使用できるようにしてある。いわゆるジャストフィット機能が搭載してあり使用者を満足させること請け合いである。


●オプション

防弾防刃メイド服

カーボンナノチューブを織り込んだメイド服。下地に衝撃反応硬化ゲルを張り込んでありライフル弾までなら問題なく防ぐ。下腕部の袖の中は硬質プラスチックのアームガードと刃渡り20cmの電磁ブレードが装備されている。スカートはロングタイプで太ももに投擲用ニードル、特殊警棒等の暗器を隠し持つ。ブーツは編み上げロングタイプで硬質プラスチックのプロテクターを内蔵し爪先に隠しブレードを装備。下着はペチコート、フリル付のブラジャーとパンティ、ガーターベルト式のフリル付ストッキング、色は白で統一されている。


装備携行用トランク

外出時の護衛用の武装(銃火器、戦闘服、医療キット等)を収納。傍目には少女メイドが鞄を担いで主人の後ろを歩いているようにしか見えないが、実際は少女も含めて戦闘兵器の塊である。


愛車は改造型フィアット乙2型の改造車。

三菱重工業とイタリアカーメーカー「フィアット」が提携して日本帝国で販売している。フィアット500を素体とし、日本の気候風土に合わせた再設計がされている。小型だが非常に小回りがきく。

弓之宮家にあるものはそれを独自に改造しており、ターボブースターと防弾装甲、軽機関銃を装備している。槍仁が邸宅から出かける際はこの車に乗る。運転手は綾狩。




彩島さじま かおる


「お前を倒すのはこの私だ、矯堂」


反戦活動家やジャーナリストたちを相次いで暗殺する、紅葉色をしたセミロングヘアの謎の少女。暗殺を阻止しようと踊りかかった綾狩を相手に互角の戦いを繰り広げ、鍔迫り合いを重ねる両者の背中からは高温の排気熱が同時に(・・・)噴出される。

その正体は、死んだと思われていた綾狩の士官学校時代の親友、彩島 薫准尉が全身式電装義肢壱号となった姿。生前は美丈夫であったが、全身式となってからは繊細な顔つきの美少女となっている。天才肌で、綾狩に勝利することに執着する。勝つためには己の誇りを犠牲にすることも厭わない。

士官学校時代、綾狩は親友だと思っていたが、薫は内心では綾狩をライバルだと思っていた。常に成績トップで由緒正しい家柄を持つ綾狩は、才覚だけでのし上がって来た平民出身の薫にとって目の前に聳え立つ壁のように見えていた。綾狩と共に前線への赴いたのも、綾狩に先を越されたくないためだった。鬼人の自爆事故に巻き込まれた際、綾狩に庇われたことで綾狩よりも傷は浅かったが、やはり第一線に復帰できるほどの回復は見込めず、庇われたことと己の将来が閉ざされたことに嘆いていた。

そこへ、弓之宮家のことを敵視している彷徨之宮さまよのみや家の当主、添仁そえひと親王が現れ、全身式壱号にスカウトされる。まだ昏睡状態の綾狩に先んじて新しく強い身体を手に入れられるという誘いに、薫はものの二つ返事で了承した。

添仁親王は内務省警保局警保局長の地位にあった。警保局長は警視総監や内務次官に相当する大きな権力を有する役職であり、その指揮下には治安維持を担う強権組織、特別高等警察がある。自尊心と支配欲が強い添仁親王は特高を我が物のように使用しようとするが公的権力組織を自由に使うことは難しいとわかり、自らの護衛用と偽って強力な戦闘力を持った全身式壱号を手駒として傍に置くことを考えた。その白羽の矢が当たったのが薫准尉であった。

全身式壱号の身体を得てからは新しい身体との同調や感覚のズレに手間取り、実戦に投入されるまで非常に長いリハビリ期間を必要とした(理由は↓)。ようやく実戦に耐えられる状態になって歓喜していると、綾狩もすでに全身式の身体を手に入れたこと、しかも覚醒したその日に実戦を経験したことという事実を突きつけられて驚愕し、敗北感に打ちひしがれる。添仁に性的関係を強要されるなど劣悪な扱いを受けたりするものの、綾狩に勝つことだけを目指し、添仁の命令に忠実に従って暗殺を続けている。

しかし、綾狩が宮内省に強制的に回収された際、彼女を必死に探す槍仁にその場所を教えたり、強敵相手には綾狩と一時休戦して共闘するなど、純粋なライバル心と熱い心意気も持ち合わせている。


全身式壱号は、グスタフ・ハットリ・トイシュ技師の設計図を盗用して帝国三菱重工業が開発した全身式の電装義肢である。宮内省にもトイシュ義肢にもその存在は知らされていない。兵器転用を考えた三菱重工業が戦闘を主眼に再設計しており、戦闘用全身式のフラッグシップモデルとしてハード面で綾狩を上回る性能を秘めている。しかし、トイシュ技師の設計は綾狩のために作られたものであり、さらに非常に難解かつ複雑なものであった。そのため、全身式壱号となった薫への負担は凄まじく、しばらくは歩くことすら儘ならなかった。

主機関は綾狩と同じく菊69式主機関を内蔵しており、全駆動系を戦闘モードにした際は「悉ク敵ヲ殲滅セヨ」と表示される。




<スペシャルソルジャー タイプ1>


アメリカ製の全身式電装義肢。主機関に小型の原子炉を装備した実験機。有り余る出力を利用した圧倒的なパワーを誇る。中立国ソ連に密かに和平工作を行うために訪れた槍仁と綾狩の前に現れ、綾狩を完全に圧倒し、虎牙ノ宗光を叩き折る。

以上、我が妄想と試験前の現実逃避の結晶でございました。

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