女の子と闇の魔石
今回でやっと第一話です!!
お待たせ致しました!
楽しんで読んでくださればうれしいです。
では!!どうぞ!!!
『龍夜兄さーん!実紘さーん!』
校門の方から金髪の男の子が走って来るのが見えた。
嶌 龍夜は、足を止める。
『おはようございます!!』
『あぁ、奏太。おはよう。』
龍夜は少しだけ微笑み、その男の子、湊崎 奏太に答えた。
龍夜のとなりには優しい顔をした、赤茶色の髪の毛の女子高生がいる。
『おはよう!奏太くん!』
彼女―咲星 実紘も奏太にむかって微笑した。
『ねぇ、奏太くん。千織は?』
『えっと…千織ならさっき………うぁっ!?』
奏太が振り向いた瞬間、一人の女の子、陽海 千織が走ってきて奏太に抱きついた。
彼女の夕焼け色のポニーテールがゆれる。
『もぉ~~!奏太!!置いて行かないでよ!!』
『ごっ…ごめん!』
『あ!実紘さん!龍夜さん!おはようございます!!』
千織は奏太に抱きついたまま、二人に言った。
二人は苦笑しながらも、“おはよう”と返した。
今日は金曜日。
休日前で登校する生徒たちはみんな、少し浮かれ気味である。
しかし、龍夜と奏太だけはみんなとは違った。
―今日はあの事件から、ちょうど一週間……
実紘と千織が二人で楽しそうに話している後ろで、龍夜は奏太に小声で話しかけた。
『奏太…あのことだが……―』
『!!…何か分かったんですか!?』
『あぁ。実は……』
『あのっっ!龍夜さん!奏太さん!おはようございます…!!』
『!!!』
二人は不意に声をかけられて、驚いた様子で立ち止まった。
彼らの後ろには黒髪の女の子、待風 星菜が立っていた。
『待風か…おはよう。』
『おはよう、星菜ちゃん!』
『すみません…驚かせてしまいましたか…?』
『いや…ちょうど良かった。話したいことがある。』
『はい。あのこと…ですよね?』
『そうだ。』
星菜は苦笑した。
龍夜と奏太は申し訳なさそうに星菜を見る。
龍夜が言葉に迷っていると、奏太が静かに口を開いた。
『…ごめん、星菜ちゃん…僕のせいで……』
『えっ!そんなッ―』
『俺にも責任がある。本当にすまなかったな…巻き込んでしまって……』
『いえ、いいんです。気にしないでください。そもそも私が見に行ったりしなければ…―』
『……』
―暫くの沈黙…
やや強い風が吹き、龍夜の短く切られた茶髪をゆらした。
三人が気まずそうに立ち止まっていると、前を歩いていた実紘と千織がそれに気づき、龍夜たちのもとへ戻ってきた。
千織は状況が理解できず、黙っている三人に声をかけた。
『ねぇ、どうしたの?奏太も龍夜さんも…』
『…なんでもないよ』
奏太が笑ってみせる。
千織はそんな奏太を見つめてから、気に入らない様子で星菜を見る。
『…あなた、待風さん?よね。奏太と同じクラスだっけ?
ねぇ、奏太!いつからこんなに仲良くなったの?まさか…』
『違う違う!誤解だよ!!』
『本当ぉ?じゃあ今、何の話してたのよ?』
『そっ…それは………りっ…龍夜兄さん!』
奏太が龍夜に助けを求める。
しかし、龍夜も実紘を説得している様子で、それどころではなさそうだった。
星菜は困っている二人を見て罪悪感を感じたのか、誤解を解こうと口を挟む。
『ちっ…違うんです!私は……!!』
『待風さんは黙っててよ!』
『はっ…はい。すみません……』
千織に一喝され、星菜はまた黙り込んでしまった。
『千織っ!おっ…落ち着いて!』
『…これ以上言っても無駄だ。…奏太、本当のことを話してもいいか?』
『……龍夜兄さんがよければ。』
『…わかった。では、俺が話そう。しかし、ここではまずい。
放課後、全員森の小屋まで来てくれ。』
実紘と千織は、龍夜の言葉を聞いて、納得した様子で頷いた。
―放課後、森の小屋にて。
龍夜から、一週間前の出来事について語られた。
語られた内容は………
一週間前の夜。
二人の怪盗―龍夜と奏太は、幻の宝石、“緋の宝石”を狙って、ある展覧会の展示会場に来ていた。
この展覧会は5日間|(月~金)限定で行われたもので、
“世界一の大金持ち”と言われているある大富豪が、自分の持っているお宝を自慢するために開いた展覧会であった。
大富豪だけあり、凄いお宝の数々が厳重な警備の中、展示されていた。
それを見逃すわけもなく、龍夜―怪盗ドラゴン・ナイトはひとつのお宝に的を絞った。
―それが、この展覧会の目玉、“緋の宝石”であった。
“緋の宝石”は世界一高価な宝石であり、世界に一つしかないという。
ドラゴン・ナイトは、展覧会の始まった月曜日に犯行予告の手紙を大富豪に送りつけた。
内容は、
“展覧会の終わった日の夜、世界一の宝石を頂きに参ります”、というもの。
いうまでもなく、犯行予定の金曜日には、大量の警察が展示会場にあふれかえっていた。
そんな中、ドラゴン・ナイトは奏太―怪盗 ブレイブ・スターと共に、何の躊躇いもなく、盗みに入った。
警察に囲まれながらも、犯行は無事成功。
…と思われたのだが、
盗みを担当していたブレイブ・スターは、“緋の宝石”ではなく、
間違って、“呪われた闇の魔石”を盗んでしまっていた。
ダークネスストーンも高価なものなのだが、名前通り、呪われていて、
持つと、身体に宿ることがあり、宿ると呪われてしまうという。
呪われれば命に関わる危険性もある。
それを知っていたドラゴン・ナイトは、ブレイブ・スターの身体に宿ってしまう前に、魔石を投げ捨てた。
ブレイブ・スターは幸い、体力を奪われるだけで済んだ。
しかし、投げた魔石は近くにいた女子高生―星菜がキャッチしてしまい、星菜の身体に宿ってしまったのである。
その後、
二人は責任を取るために、呪いを解く方法を毎日探っていたのだ。
『…と。……分かってもらえたか?』
龍夜はすべてを話した後、そう言ってから目を伏せた。
暫くは誰も話そうとしなかったが、沈黙に耐えられず、千織が口を開いた。
『そう…だったんだね。奏太、ごめん。疑っちゃって…。星菜も…』
『私も…。ごめんね、龍夜。星菜ちゃんも、ごめんね。』
『ありがとうございます、千織さん、実紘さん。』
『分かってもらえればそれでいいよ。』
『そうだな。それに、隠してた俺たちも悪かった。
すまない…お前たちを危険なことに巻き込みたくなくて…―』
『龍夜…』
実紘は微笑んだ。
千織も納得したようで、冷静に龍夜に質問する。
『ところで龍夜さん、何か危険なことがあるのですか?』
『それなんだ。実は、“闇の魔石”を盗んでから、その大富豪に目をつけられてしまったようで………奴ら、俺を狙っている。』
『!!』
二人は絶句した。
奏太と星菜は知っていたようで、特に表情を変えなかった。
『奏太は狙われてないの?』
『僕は新米だからね。龍夜兄さんは世界一の大怪盗。一度も捕まったことがないってだけでも奇跡じゃないかな?たぶん世界中に狙われてる。』
『しかし、今回の奴らは違うんだ。捕まる可能性は高い。』
『そんなっ―』
実紘は今にも泣き出しそうな顔で龍夜を見た。
龍夜はそんな実紘を見て、優しく声をかけた。
『心配するな。俺は大丈夫だ。お前らもできるだけ巻き込まないようにする。』
『…うん。』
『それで、その呪い、解く方法を一つだけ発見した。』
『本当ですか!?』
星菜が目を輝かせた。
『あぁ。それは、“希望の光の宝石”を使う…!』
『“希望の光の宝石”?』
『そうだ。しかし、どこにあるかは分からない上、フェイクがいっぱいあるそうだ。
そこで、実紘たちに協力してもらいたい。』
『…え?私たち?』
龍夜は微笑んで、大きく頷いた。
さて、龍夜たちは“光の宝石”を見つけることができるのでしょうか!?
次話、なるべく早く投稿したいと思っています。
次回は、大富豪との初めの戦闘になる予定です。
では、お楽しみに!
この小説を読んで下さった皆様に感謝いたします。




