凪がいつも笑ってるって話 〜朝季・凪 + たすく
台本形式。
○北基地・通路
並んで歩いている朝季と凪。
朝季「凪ってさ、いつも笑ってるよな」
凪 「…………え!?」
立ち止まる凪。
朝季、慌てて振り返り、凪のほうに向き直る。
朝季「あ、いや、違う。アホっぽいとかそういうを言ってるんじゃなくて。いつも笑ってると思って……えっと、いつも、笑ってるよな、凪って……」
身振り手振りで説明する朝季。
黙ったまま朝季を見つめている凪。
朝季、手を下ろして弁解をやめる。
朝季「……ごめん、なんでもない……忘れて」
朝季と凪、向かい合ったまま同時に視線を落とす。
○同・談話室(日替わり)
テーブルを挟んで対面に座る凪とたすく。
凪はややうつむき加減、目線は机上。
凪 「ってことがあったんだけど、昨日」
たすく「いや、だからお前、なんで俺に相談しにくるんだよ?」
凪のほうを見ていたたすく、ため息を吐いて凪から顔を背ける。
凪、ちらっと目線を上げてたすくを見る。
凪 「師匠だから?」
たすく「師匠は修二だろ。で、笑ってるから何だって?」
凪 「(話は聞いてくれるんだ……)」
凪、再び目線を机上へ落とす。
凪 「だからつまりそれって、馬鹿っぽいとかアホっぽいとかそういう意味で言った……そういえば朝季、アホっぽいって言ってた気がする」
たすく「アホっぽいとかそういうことじゃねーって言ったんだろ? 違うじゃねーか」
凪 「でも、いつも笑ってるって馬鹿にしていう言葉だよね?」
たすく「被害妄想強すぎだろ」
凪 「いつも笑ってる人って、アホっぽいよね。例えば弥市くんとか」
たすく「…………」
凪 「否定しないんだ」
たすく「弥市がアホなのは認める、頭いいけど」
凪 「頭悪いけど頭いいよね、弥市くん」
たすく「……お前それ、日本語おかしくないか?」
凪 「え? じゃあなんて言えばいい? 天才的なアホ?」
たすく「アホの天才みたいになってんぞ」
凪 「……頭のいいアホ?」
たすく「人造人間兵器の女が言ってたな、頭のいいアホって」
凪 「じゃあそれで決まりだね、弥市くんは頭のいいアホで……なんでこんな話になったんだっけ?」
たすく「お前マジで、会話下手だよな……なんの話だったかなー、全然わかんねーわ(わざとらしく)」(覚えてるけど面倒臭いから会話を続けたくない)
目を瞑って腕組みをするたすく。
凪、不思議そうに首を傾げる。
○北区域・街路
瓦礫整理をしてる朝季。
少し高い場所からたすくが話しかける。
たすく「つーわけで、てめぇの発した一言で凪が悩んでんだとよ。どういうつもりで言ったんだ、あれ」
朝季「(たすくって面倒見いいよな……)あれは別に、褒め言葉で」
たすく「俺もそう思ったけど逆の意味で、馬鹿にされてるって思ってるぞ、あいつ」
朝季「いや、ほんと、褒め言葉なんだけど。場が和むというか、凪が笑ってたら色んなことがどうでも良くなるというか。大変なことも、もう少し頑張ろうかって……」
たすく「(察し)や、わかった。それ以上言わなくていい」
たすく、両手を突き出して朝季の話を遮る。
朝季、たすくに向き直って少し詰め寄る。
朝季「え? でも凪が悩んでるなら……」
たすく、目線をそらしたまま片手で朝季を制する。
たすく「いい、それ以上喋るな。苦手なんだよ、俺、男女のあれこれ」
朝季「たすくがそういうの苦手なのは知ってるけど、今は恋情の話してなくないか?」
たすく「無自覚かよ……そりゃそうか、朝季だもんな……マジかよ」
朝季「なに?」
たすく「いや……何でもない。恋愛の話を俺にすんな、気持ち悪くなるから」
朝季「だから、それは知ってるけど。今そんな話してなくないか?」
たすく「おまえ、マジで……」
たすく、片手を下ろして腕組みをする。
ため息を吐き出し、諦めた表情で話を続ける。
たすく「いや、いい。もし自覚してなんか困ったことあってもおまえは絶対俺に相談してくんなよ、自業自得だからな?」
朝季「はぁ? だからなにが?」
たすく「…………」
目を瞑って腕組みをするたすく。逃げたくても逃げ方がわからない状況。
朝季、不思議そうに首を傾げる。
* * *
てことで、たすくが朝季の凪に対する想いに気づいたのはこんな感じ。




