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三章 一話 新たな挑戦

この話から〇章 〇話 タイトルを追加する事にしました。

メイズを手に入れた私は、

ルカとソエルと一緒に家庭菜園を広げようとしていた。


ルカとソエルに「危ないから近寄らないでね」と

注意をうながして、

新しく畑を拡張する場所の固まった地面を耕す。


ルカとソエルは私が耕すのを最初は見ていたけど、

途中から収穫の終わった畑の表面にある石を

一生懸命に拾い始める。


ルカ「ねーねー。ミノリおにいちゃん。

メイズって本当においしいの?」


ソエル「あー!私も気になる。」


「うーん。そうだね。

私が思うとおりの野菜なら、

甘くてすごくおいしいよ。

ルカとソエルもきっと気に入ると思う。

サウロさんや、マローネさんや、メリイもね。」


ソエル「楽しみー!」

ルカ「楽しみだね!」


二人が笑顔で顔を見合わせていた。

私はその楽しそうな声を聴きながら

硬い部分を耕していた。


(ルカとソエルの声をBGMにしての農作業か…

生前には考えも出来なかった幸福だな…)


三神へ感謝を想いながらクワを動かした。


ルカ「ミノリおにいちゃん。

少し曲がってるよ?

大丈夫?疲れたなら変わるよ?」


「大丈夫。

メイズの事が楽しみで

考え事をしていただけだよ。

教えてくれてありがとう、ルカ。」


ルカ「うん!」


そう言ってまたソエルと一緒に

一生懸命手を動かしていた。


ルカ「綺麗になったかなー。

ソエルの方はどう?」


ソエル「こっちも終わるよー。」


二人の石拾いが終わりそうだ。

私は畳二畳分くらいのスペースを耕して

クワを止めた。


「これ位かな…」


そう言ってクワで体を支えるようにして

耕したばかりの場所を見ていた。


ルカ「ミノリおにいちゃんも終わった?」


「うん。これ位で良いと思う。」


ソエル「おつかれさまー!」

ルカ「おつかれさまミノリおにいちゃん!」


「お疲れ様。ルカ、ソエル。」


二人が拾ってくれたおかげで、

表面の石はほとんど無くなった。

これなら収穫後の畑でも

楽に耕せそうだ。


「ありがとう、ルカ、ソエル。

それじゃあ、

今度は私がルカとソエルが整えた場所を耕すね。

ルカとソエルはこっちの

耕した場所の、

表面の石を拾ってもらえるかな?」


「「はーい!!」」


私が耕した場所の石拾いをお願いして、

同じ作業を続ける。


ルカ「新しい場所はやっぱり石が多いね。」


ソエル「そうだね。

土が固いし…

ルカ、石とかで手を切らないように

気を付けてね。」


ルカ「わかった!」


二人とも全然疲れを見せることなく

石拾いを続ける。


(二人とも元気だな…

この世界の子供は皆、

こんなに元気なんだろうか…


いや、違うな。

私が気が付かなかっただけで

子供はどこの世界でも元気なんだと思う。)


少し考え事をしていたら

元の畑の方がすぐに柔らかい土に変わり

種植えが出来そうな感じに見えた。


私は耕すのを止めて

今度はルカとソエルと一緒に、

石を取り除く作業をする事にした。


「よし、耕すのは終わり。

今度は一緒に石を拾うね。」


そう言って空いているスペースにしゃがみ込み

石拾いと固まった土を手でほぐしていく。

子供だと石で手を切りそうだな……


「ルカ、ソエル少し離れるね。

すぐ戻るから少し休憩して待っていてくれるかな?」


ソエル「え?まだ疲れてないよ?」


ルカ「僕も平気だよ?」


「少しだけだよ。

ちょっと準備するから、

ちょっとだけ待っていて。」


ルカ「はーい!」

ソエル「わかったー」


その返事を聞いて急いで家の中に入る。

誰も居ないことを確認して

視界のはじを見る。


【幸福度ポイント】

今までのポイントを確認すると

269,507P

最近は声が聞こえても、

気にしないようにしていたけど

数字を改めてみると凄い事になっていた。


(普段使わないし、

正直子供の成長の為にはあまり使いたくないけど、

怪我をしそうな事はなるべく避けたい。)


その思いだけで【クリエイト】を使う事にした。


子供たちを待たせているので、

急いで考えていた物を思い浮かべる。


私は心の中で【クリエイト】と唱えた。

祝福の力が発動する。


見た目は可愛らしい小さな手袋だった。

手のひら部分には、

石や枝から守るための薄い革が縫い付けられている。


ルカの子供用の革手袋は、

手の甲の薄い布部分に小さなオノとナイフの模様が描かれている。


ソエルの子供用の革手袋の手の甲の布部分には、

木箱とノミの模様が描かれている。


ミノリはその二つの手袋を見て、

満足してルカとソエルの元に戻った。


「ごめんね、お待たせ。

ルカ、ソエル。

気が付くのが遅くなってごめんね。

これ、良かったら使って。」


そう言ってさっき作ったばかりの子供用の革手袋を渡した。


ルカ「ミノリおにいちゃん、

これ僕の作ってくれたの?」


ソエル「わー!可愛い!」


「そうだよ。二人が怪我をしないように

私からのお礼と感謝の贈り物だよ。

受け取ってね。」


そう言うと二人はお互いの顔を見て

そして大事そうに受け取った手袋を見て

喜んでくれたようだ。


ルカ「ミノリおにいちゃん。

ありがとう!大好き!」


そう言って抱き着いてきた。

私はルカを優しく抱き上げてあげる。


そしてソエルの方を見ると、

ソエルはソエルで手袋を大事そうに、

胸に抱いてお礼を伝えてくれる。


ソエル「ミノリにい!ありがとう!」


そう言って可愛い笑顔を見せてくれた。


私はその嬉しそうな顔と

感謝の言葉が心の底から嬉しく思った。




※補足

作中の[クリエイト]と【クリエイト】には違いがあります。


通常の[クリエイト]はミノリの[スキル]による作成です。

この世界では[スキル]や[魔法]は一般的です。

素材を元に物を作り上げます。

土や石を圧縮して

強度を上げることも出来ます。


【クリエイト】は、幸福度ポイントを使用する特別な力です。

素材を必要とせず、魔法的な効果を付与することも可能です。


便利な力ですが、ミノリは普段から多用していません。

過去の経験から、自分の手で作ることや、

大切な人と一緒に過ごす時間を大事にしているためです。


この話で使用したポイントは、

手袋一つにつき100Pです。


既存品は基本少ないですが、

既存品に魔法の効果を付与した場合、

大きさやその付与する効果によって、

ポイントは跳ね上がります。


以前、鉄鎖の盾PTの装備を強化したのもこの【クリエイト】です。

一つの装備につき1000P。

大盾、剣、弓、小手、杖、ローブの六つで合計6000P使用しています。


これはメリイがPTを離れた後、

残された仲間たちの安全を心配したミノリが行ったものです。

力を誇示するためではなく、

大切な人たちを守ってほしいという願いからでした。


メリイが抜けた後の仲間たちに万が一がないよう、

強めに強化されています。

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