↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
151/163

七章 一話 秘密?

トトさんとカカさんのロッキングチェア。

子供たちの命名「揺れ椅子」を見つけてしまった私……


「おにいちゃん。絶対言っちゃだめだよ?」


「そうだよ。

ここまで頑張ったのに、

これでサウロおじさんとマローネねえにバレちゃったら、

せっかくの苦労が台無しだよー。」


コクコクと無言でうなずくココちゃん。

ルカとソエルの様子は、かわいらしさにあふれていた。


けれど、無言のココちゃんと、

その様子を見て目を細めるククさんには、

私は少し恐怖を覚えていた。


「いや…ごめんね。

でも仕方ないんだよ。

私は今日の休みを利用してブランコを作ろうと思って、

材料を取りに来たんだから……」


実はサウロさんとマローネさんは、

子供たちが何かを作っていることには気づいていた。

けれど、それが何なのかまでは分かっていない。

そして、あえて気づかないふりをしていた。


それはククさんも知っているはずなのに、

何故私に圧をかけてくるのか……

ククさんの視線に少しの理不尽さを覚えながらも、

ルカとソエルとココちゃんに何とか説明をした。


「もうー、ミノリにい。

絶対に内緒にしてね。」

ルカとココちゃんもうなずいている。


「わかってるよ。

人が幸せになるどっきりは大切だからね。」


「そう!どっきりは大事なんだよ、おにいちゃん!」

「ドッキリー!」

「父、母を驚かせる。だから内緒にする。」

ルカとソエルはどっきりという言葉が気に入ったようだ。


「約束するよ。

それじゃあ私はブランコを作りに行ってくる。

出来上がったら一度、

大人に見てもらう必要があるから、

許可が出て完成したら教えるね。」


「ブランコも気になるけど、

今はおとうさんとおかあさんの椅子が大事だから。

ごめんね、おにいちゃん。」


「うん、そうだよね。

ミノリにい、一緒に行けなくてごめんね。」


「私の分は終わったけど、ルカとソエルの手伝いをする。」


ルカとソエルは少し申し訳なさそうにしていた。

ココちゃんも二人に最後まで付き合うそうだ。


「私の方は気にしなくていいよ。

それに作ってる途中を見るより、

出来上がったものを見るのも楽しいと思う。

少し違うけど、それもどっきりだね。

それにトトさんとカカさんの分が出来てるんだ。

サウロさんとマローネさんの分も作って、

早く笑顔が見たいでしょ?

ルカとソエルとココちゃんの椅子作りを、

応援している。

ただ、怪我だけは気を付けてね。」


「うん!」

「はーい。」

「うん。」

ルカ、ソエル、ココちゃんの元気な声が重なる。


子供たちとの密会を終えた私は、

台車に二メートルの丸太を六本と大きめの木の板、

そして木箱を乗せて、広場へと向かった。


台車を引く私は、自分の成長を感じていた。

丸太を六本も載せているのに、

こんなに簡単に引けるようになったんだ……

そんなことを思いながら、

子供たちの笑顔を想像して広場へと向かった。


水場から数メートル離れた場所に移動して、

丸太の表面を[クリエイト]で削っていく。

表面を綺麗に整えたら、

圧縮を使って細く、硬くしていく。

削った木くずは木箱へ集めておいた。


地面に斜めに三十センチほどの穴を開け、

そこに出来上がった棒を刺していく。

頭頂部で綺麗に交差するように、

棒の角度を見ながら、

その都度、穴の角度を調整した。


次に、重なる部分をそれぞれ凹状に削り、

二本の柱がぴったり重なるように加工した。


二本の柱を組み合わせ、

横から見ると三角形になるように固定する。

それを左右に作り、その間に梁を通した。


少し低いかなと思いつつ、

一応強度を確かめようと私は梁にぶら下がる。

何度か上下に揺らしてみたが、

折れることもなく、

曲がるようなこともなかった。


安心した私は四本の柱と梁を一度ばらして、

今度は柱の交差部分と梁をロープでしっかりと縛った。

そして、再び組み直した。


柱と穴には隙間が空いていたので、

木くずを入れて圧縮で固めた。


そしてロープと座板も一応作った。

ただ梁にはつなげない。

何も知らない子供たちが、

これを見て勝手に乗ると危ないかもしれない。


今はサウロさんたち大人の意見を聞くための試作だ。

これで大丈夫と許可が出れば、

本格的に基礎部分は石で作り、

しっかりしたものにしようと思っている。

梁やジョイント部分もトトさんと相談して鉄で作るつもりだ。


こうしてブランコの柱と梁は組み上がった。

これで許可が出ればいよいよルカとソエルとココちゃんに

試してもらおう。


その時の嬉しそうな光景を想像しながら、

私は広場を後にした……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。