表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法世界の怪獣王国〜魔力ゼロで底辺奴隷だった僕ですが、自然の摂理を超越したマイペースな怪獣たちの王様になりました〜  作者: 同歩なり


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/42

第9話 穀物怪獣モフモフ登場

 リアナからの提案で、パンの材料になるというモフモフへ向けて、森の中を歩く。


 ()()()()()()()()という時点で全くおかしいわけだが、モフモフとはなんだろうか。

 しばらく歩いていると、モフモフに到着した。一目で分かった。


 巨大な切り株の周りに、白い毛で覆われたモフモフとした怪獣が数体いる。


「ねぇ、リアナ。きっと、あれがモフモフだよね? すごくモフモフしてるね」

「そう、あの怪獣がモフモフだよ」


 モフモフは全身が毛で覆われており、どちらが前後かすらわからない体型だ。

 しかし、よく見ると毛の薄い部分があり、つぶらな黒い瞳が見え隠れしている。

 手足が短く、ちょこちょこと歩く姿も可愛らしい。


「こんにちは、モフモフ」

「……」


 モフモフは、何も鳴き声を発しない。

 警戒されているのかなと思っていると、すぐにリアナが解説してくれた。


「モフモフは、口がないから鳴き声は出さないよ」

「えっ、口がないの?」

「そう、植物怪獣だからね。モフモフは光合成するだけで何も食べないし」

「へぇ、そんな怪獣もいるんだ。なんでもありだね」


 僕は怪獣の多様性に驚きながらも、そういうものかと納得する。


「モフモフたち『来てくれて嬉しい』って言ってるよ」

「そうなんだ、それなら良かった」


 モフモフは、ピグモーより反応が薄いので少し不安だったが、嫌われているわけではなさそうだ。

 リアナの念話で、モフモフの話を聞く。


「最近、森を離れたとき、エルフに見つかって、虎刈りにされたモフモフがいるんだって」

「えっ、エルフに虎刈りにされた!? それで、そのモフモフは殺されちゃったの?」


「ううん、ちょうど別の怪獣が現れて、その隙になんとか逃げてきたみたい」

「そっか、それなら良かった。虎刈りは可哀想だけど」


 僕はあらためてモフモフたちを観察すると、確かに一匹だけ虎刈りになっているモフモフがいる。可哀想に。


 ただし、そのモフモフは虎刈りではあるものの、これと言って気にする様子はなく、他のモフモフたちと一緒にのんびりと陽を浴びている。


 さすが怪獣、細かいことは気にしないようだ。


「なにも気にしていないようだね」

「うん、モフモフたちはおおらかだし」


 おおらかなのは良いが、おおらか過ぎて、またエルフに襲われたりはしないだろうか。心配だ。


 そんな僕の心配をよそに、リアナがモフモフの毛を刈り始めた。


 たぶんパンの材料なんだろうけど、やっていることはエルフと変わらない。

 すまない、モフモフたち。


 それからしばらくして、収穫を終えたリアナが、全身を覆うモフモフの毛に包まれて、のんびりし始めた。


「ねぇ、リアナ。何してるの?」

「モフモフの毛に包まれると体力が回復するんだよ。レオっちもどう? モフモフは嫌がらないよ」

「そうなの!?」


 僕もリアナの真似をして、モフモフにくるまれてみた。

 とても気持ちが良くて、癒される。


 ただ、僕の持つ怪獣王の力は大き過ぎて、モフモフに包まれても、なかなか回復はしなかった。

 体力が一瞬で回復するわけではないのは残念だが、それでもとても癒されるのでヨシとしよう。


 そうして、しばし癒されたあと、僕らは森の奥へ帰ろうとする。

 すると、二体のモフモフが僕らについてくる。


「一緒に来たいんだって。好奇心が強い子かな? レオっち、どうする?」

「うーん、どうしようかな……。このモフモフって、僕らについてきて暮らせるの? 他のモフモフたちは心配しない?」


「モフモフは陽に当たるだけで暮らせるし、みんな心配してないよ」

「そうか、じゃあOK!」


 僕は少しだけ悩んだが、陽に当たるだけで暮らせるのなら問題はないだろう。

 僕としても、見た目が可愛くて癒されるし。


 僕らは二体のモフモフを引き連れて、帰ることにした。



 ◇◇◇



 森からモフモフたちを連れ帰った数日後、僕は呼びやすさを考えて二体に名前をつけることにした。


 名前は、モフ美とモフ菜。


 モフ美は真っ白い個体で、モフ菜はほんのり黄色味のある個体なので、二体の見分けはすぐにつく。


 二体とも雰囲気が女性っぽいので、それっぽい名前をつけてみた。

 いや、植物怪獣なので雌株っぽいと言った方が良いのだろうか。


 僕による勝手な命名だけど、二体ともその名前を気に入ってくれたようで安心した。


 そんな命名の話をリアナから聞いたピグモーが、自分にも名前をつけて欲しいというので、僕はピグ太と名付けた。

 とても満足していた。


 逆に僕は、ピグ太から『レグオン様』と呼ばれるようになった。


 僕の名前『レオンのレ』と先日のエルフ戦での『グオオオオンンンッッッッ!』という雄叫びが強そうだったからとのことだ。


 由来を聞くとIQが低そうにも感じたが、せっかくピグ太が名付けてくれたし、語感は気に入ったので、怪獣形態と獣人形態のときは『レグオン』と名乗ることにした。


 さて、怪獣形態にも少しずつ慣れてきて、僕はあらためて自分の目的を思い返す。

 それは両親や奴隷仲間だった子どもたちを、エルフの支配から解放すること。


 エルフ魔導大隊との戦いは想像以上にうまくできた。

 これなら目的達成のため、そろそろ動き出してもいいかもしれない。



 ◇◇◇



 ⭐︎怪獣豆知識コーナー⭐︎

【穀物怪獣モフモフ】

 体長十〜二十メートル。広大な森を中心とした周辺地域に十数体程度の個体が存在している。

 植物性の怪獣で、光合成により全身を覆っている白い毛が成長する。特質すべきは、その全身を覆う白い毛に包まれると、体力が回復すること。見た目も可愛く、癒し効果も満点。

 この怪獣のもう一つの特徴は、その白い毛が美味しいこと。白い毛を粉末状にしたものはモフ粉と呼ばれ、パンやパスタの材料として最適。

 近年では、エルフにモフ粉の美味しさがバレてしまい、狙われている。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ