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異世界白書物語日記 〜番人ドールぬいぐるみサンズ〜  作者: マーたん


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32/39

千年の復讐

1000年



「さあ、復讐を始めよう

 我々の国を取り戻すのだ…

 1000年かかったが、この――」


男の声が震えながら、しかし確かな怒りと決意を帯びて響く

かつて王国の第一王子であった彼は、かつての名を捨て、

今や亡国の亡霊として、復讐者として、この場に立っていた



セバスチャンは、玉座の前で静かに立っていた

周囲に控える三人の妃――

それぞれが、この国の政治・軍事・諜報を司る存在

だが、その中の一人…第三妃エリザは、

セバスチャンの密命によって、裏切りの心を植えつけられていた


「来たか…亡国の王子よ」


セバスチャンの声は静かで、残酷だった

「貴様の父王は…愚かだった

 我が毒にすら気づかず、国政を私に委ねたのだ

 だが…それが貴様の恨みの源か?」


王子は叫ぶ

「貴様が父を殺した! 貴様が国を奪った!

 そして…私の幼き妹さえ…!」



かつて、王子の妹はこの国の未来の女王と目されていた

だが、彼女はセバスチャンの策略により消息を絶った

その行方は、今も知れない



番人サンズ――時を司る異界の存在が、

王子にわずかばかりの「時間の巻き戻し」を与えた

過去から未来へと幾度も挑んだ末、

王子は今日、決戦の日にたどり着いた


だが、目の前の戦士たちは不死身


通常の剣も、魔法も、毒さえも通じない

セバスチャンがこの1000年で編み出した「不死の軍勢」


「……我が軍は滅びぬ…

 貴様の復讐など、歴史の塵に消えるだろう」


しかし――


「それでも俺はやる」


王子は静かに、最後の手段を取り出した


それは――父がかつて禁忌として封印した「神の涙」


「セバスチャン、お前にこれを使うために

 俺は1000年、眠れぬ夜を過ごしたんだ…」


空気が震える

「神の涙」を用いれば、世界もろとも消滅するかもしれない

だが、それでもいい


――この国は、セバスチャンに渡しておけない



セバスチャンがわずかに眉を動かした


「……貴様、本気か」


王子は微笑んだ。

「お前の思い通りには、させない」


世界が光に包まれる直前、第三妃・エリザが叫んだ


「……待って! 王子、私も……!」


光が全てを飲み込んだ


――世界は、一度、終わった



だが、

それが終わりではなかった


番人サンズが再び時を巻き戻す

違う未来のために――






Sebastian③

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