第68話「機体保管区画」
管理区画の奥。
三人は長い通路を進んでいた。
ミリアが端末を確認する。
「機体保管区画まで、あと少し」
ジェイクが周囲を見る。
「さっきからロボットが出てこないな」
ルーカスも足を止めずに答える。
「逆に嫌な感じがする」
通路の先に、大きな鉄扉が見えてきた。
扉には、
【機体保管区画】
と表示されている。
ミリアが端末を接続する。
「ロックされてる」
ジェイクが扉を見る。
「開けられるか?」
「少し時間が必要」
その瞬間。
扉の向こうから、
ガシャ……。
機械音が響いた。
三人が構える。
「いるぞ」
ミリアが急いで操作する。
「あと少し!」
ガンッ!
扉が内側から叩かれた。
ジェイクが前へ出る。
「ルーカス、ミリアを頼む」
「分かった」
ガンッ!
二度目の衝撃。
扉が大きく歪む。
ミリアが叫ぶ。
「開いた!」
扉が横へ滑る。
ルーカスたちは中へ飛び込んだ。
そこは巨大な格納庫だった。
壁際には、整然と並んだロボット。
その数は十体を超えている。
ジェイクが息を呑む。
「……こんなに」
ミリアが端末を確認する。
「全部停止してる」
ルーカスが奥を見る。
「三体は?」
ミリアが画面を確認する。
「この奥」
三人が進む。
格納庫の中央に、三体のロボットが立っていた。
赤い目がこちらを向く。
ジェイクが武器を構える。
「やっぱりいたか」
しかし、三体は攻撃してこない。
一体が壁際の端末へ近づく。
胸部からデータケーブルが伸びた。
ピッ。
端末が起動する。
ミリアが画面を見る。
「何かを読み込んでる」
ルーカスが三体を警戒する。
「何を?」
「機体情報……」
ミリアの指が止まる。
「違う」
「?」
「この施設に保管されてる、全ロボットのデータを読み取ってる」
ジェイクが周囲を見る。
「まさか……」
ミリアが端末を操作する。
「この三体が、他の機体の起動情報を集めてる」
ルーカスの表情が険しくなる。
「起動させるつもりか?」
「分からない。でも、データを第2施設へ送ろうとしてる」
その時。
格納庫の奥から、
ピッ。
電子音が鳴った。
一体の停止していたロボットの目が赤く光る。
ジェイクが振り返る。
「おい……」
さらに一体。
赤い光が点灯する。
そしてもう一体。
「ミリア!」
「まずい!」
ミリアが端末へ手を伸ばす。
「三体が起動信号を送ってる!」
ルーカスがブレイカーを構える。
「止めるぞ!」
ジェイクが隣に並ぶ。
「今度は俺も前に出る!」
格納庫の中で、次々と赤い光が灯り始めた。
一つ。
二つ。
三つ。
その数は、徐々に増えていく。
第68話 完




