第60話「山間部へ」
地下施設を出ると、三体のロボットは東へ向かって歩き始めた。
ルーカスたちは一定の距離を保ちながら、その後を追う。
ミリアが端末を確認する。
「座標はさっきのデータと一致してる」
ジェイクが前方を見る。
「じゃあ、あいつらは本当に同じ場所を目指してるんだな」
「うん」
ルーカスが歩きながら聞く。
「第2施設の場所は分かりそうか?」
「正確な入口までは分からない。でも、東の山間部にある可能性が高い」
ジェイクがため息をつく。
「山か……」
しばらく進むと、道は徐々に険しくなっていった。
舗装された道路が途切れ、細い山道へ変わる。
三体のロボットは迷うことなく進んでいく。
ルーカスが不思議そうに見る。
「道を知ってるみたいだな」
「座標だけじゃなくて、移動経路も登録されてるのかも」
ミリアが端末を操作する。
「待って」
二人が止まる。
「どうした?」
「通信信号が強くなった」
ミリアが画面を見せる。
「この先に通信設備がある」
ジェイクが周囲を見回す。
「施設そのものじゃないのか?」
「まだ分からない」
三人は慎重に進んだ。
やがて木々の間から、古いコンクリート製の建物が見えてきた。
三体のロボットが、その建物の前で停止する。
ジェイクが武器を構える。
「ここか?」
ミリアが端末を確認する。
「違う」
ルーカスが建物を見る。
「じゃあ何だ?」
「通信設備だけが残ってるみたい」
建物の壁には、工場や中継施設と同じマークが刻まれていた。
ミリアが近づく。
「ここから第2施設へ信号が送られてる」
ジェイクが驚く。
「まだ中継地点があるのかよ」
「これまで見つけた施設とは規模が違う。でも、重要な通信拠点みたい」
ルーカスが三体を見る。
ロボットたちは建物の入口へ向かっている。
「中に入るぞ」
三人も続いて建物へ入った。
内部には、古い通信装置が並んでいた。
その中央に、一台だけ稼働している端末がある。
ミリアが画面を確認する。
「……第2施設への通信が始まってる」
画面には一つの表示が出ていた。
【接続先:第2施設】
ジェイクが息を呑む。
「ついに出たな」
ミリアがさらに情報を開く。
しかし、次の瞬間。
【警告】
【第2施設から応答あり】
ミリアの表情が変わった。
「……向こうから通信が来た」
ルーカスが端末を見る。
「何を送ってきた?」
画面に新しい文字が表示される。
【侵入者を確認】
三人の表情が固まった。
ジェイクが武器を構える。
「……俺たちのことか?」
ミリアは答えられなかった。
その直後、建物の奥から機械音が響いた。
ガシャッ。
ルーカスがブレイカーを握り直す。
「来るぞ」
第60話 完




